トラッシュボックス

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参院選雑感

2010-07-12 23:43:14 | 現代日本政治
(1) 国政の停滞を許すな

 また、「ねじれ国会」になってしまった。
 しかも、民主党は衆院で3分の2を確保していないので、安倍以降の自公政権が用いた衆院での再可決という手法も採れない。
 国政の停滞が懸念される。

 こうした状況を生み出すこの参院選の制度自体に問題があるのではないかと近年思っているが、それはまた別の機会に述べたい。

 駄目元で言うが、自民党と民主党の大連立はできないものだろうか。
 両党とも、消費税増税の必要性は認識しているのだろう。
 そのほかにも、いくつかの点で共闘できる余地はあるはずだと思うのだが。

 参院で民主党が過半数を獲得できなかったとしても、首相指名は衆議院の議決が優先するのだから、衆院解散がない限り、自民党が政権を奪回するのは極めて難しい。
 となれば、いたずらに国政を停滞させるよりも、協力できるテーマでは協力を惜しまず、少しでも目前の課題をこなしていくべきなのでないか。

 誰だったか、ある長老政治家が言っていたという。
 野党の仕事とは、とにかく何が何でも、与党から政権を奪うこと、ただそれだけだという意味のことを。
 民主党はその教えに忠実に従い、ついに政権を奪取した。
 次は我々の番だと自民党が考えても不思議はない。
 だが、今わが国には、果たしてそんな政争を繰り広げられている余裕があるのだろうか。

 谷垣総裁は早速「(大連立の)可能性はゼロだ」と否定したと聞く。
 大連立が無理なら、政策ごとの部分連合でも何でもいい。
 とにかく、党利党略にかまけて、国政そのものをないがしろにしてもらいたくないというのが、私がまず各党に望むことだ。
 何故なら、国政の課題そっちのけで党派の争いが続くことにより、国民が代議制自体に対する不信感を募らせることを恐れるからだ。


(2)小泉チルドレン(の一部)の復活

 片山さつきと佐藤ゆかりが比例区での自民党の1位と2位で、また猪口邦子が千葉選挙区で当選している。
 小泉首相の秘書官を務め、衆議院議員を1期務めるも前回落選した小野次郎も、「みんなの党」の比例区で当選している。

 格差社会をもたらしたの一言で切り捨てられがちな小泉政治だが、有権者の認識は必ずしもそうではないことがわかる。

 民主党がばらまき政策を続けるのであれば、自民党の生き延びる道は、彼らに象徴される小泉路線の継続しかあるまい。


(3)タレント候補の凋落

 谷亮子(民主)、三原じゅん子(自民)が当選する一方、わが大阪選挙区の岡部まりをはじめ、桂きん枝、庄野真代、岡崎友紀(いずれも民主)、堀内恒夫(自民)、中畑清(たちあがれ日本)ら多数のタレント候補が落選した。

 そりゃタレントは知名度は高いし人気はあるし、候補者にはもってこいかもしれない。
 しかし、タレントなら誰でも飛びつくわけじゃないんだよという有権者の声が聞こえてくるような結果だった。
 タレント擁立の動きに一石を投じることになれば幸いである。
 もっとも、谷や三原と他の候補と何が違うのかは、タレント事情に疎い私には不可解なのだが。


(4)団体系候補の集票力減

 12日の朝日新聞夕刊に次のような記事が載っていた。

団体系、得票激減

 労働組合や業界団体の「集票力」が軒並み激減していることが、11日投開票の参院選であらわになった。

 団体が推した比例候補の得票を前回2007年参院選と比べると、07年に民主党として最多の50万8千票を集めた自治労は、今回13万3千票とほぼ4分の1に。情報労連は30万7千票から15万票に半減。日本教職員組合(日教組)は22万5千票から13万9千票に落ち込んだ。
 自民支持に残った日本遺族会も23万票から13万2千票、全国建設業協会も22万7千票から14万9千票に減らした。
 前岩手県知事の増田寛也・東京大学公共政策大学院客員教授は「労働組合や業界団体はすでに力を失っており、集票力の復活は考えられない。民主政権は予算を団体につけず、子ども手当のように個人に直接つけるやり方なので、『活動しても実にならない』という無力感も出ている」と話している。


 大変結構。


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