離婚の際の年金分割を理解するのは、なかなか難しいですね。
私は、年金分割をホーム・ページでもまとめていませんから、私の復習も兼ねて、何回かに分けて、年金分割について書いてみたいと思います。
まず、年金分割とは、厚生年金あるいは共済年金の年金額を算出する根拠となっている保険料納付実績のうち婚姻期間中の納付実績を分割することを言います。初めから、難しいですが、最後まで読んでいただければ、ご理解いただけるかと思います。
この年金分割を理解するためには、年金制度を理解する必要があります。年金制度は、①「国民年金」を1階部分として、②「被用者年金」を2階部分(厚生年金・共済年金は、この2階部分になります。)、③「企業年金」を3階部分とする3階建ての構造となっています。
年金分割は、この2階部分の厚生年金と共済年金を分割する制度なのです。
例えば、夫が会社員で厚生年金に加入している場合には、毎月その保険料を納めていて、その記録が残されています。年金分割とは、婚姻期間中の夫の厚生年金の保険料納付についての記録の一部を、妻の年金の記録に移してしまうことを言うのです。
良くある誤解として、離婚した場合、夫の年金(例えば、年間240万円)の最大で半分(年間120万円)を、妻が受け取ることになるのではないか、というものがあります。
しかし、年金分割は、厚生年金・共済年金について婚姻期間中の保険料納付実績を分割する制度ですから、上記のように夫の年金が半分になるということにはなりません。国民年金や企業年金は、分割の対象とはされていませんし、厚生年金・共済年金にしても、最大限、婚姻中の記録の半分が移るということです。この点は、誤解の無いようにしてください。