集団ヒステリー発言は「舌禍事件」なのか

2011-06-15 18:02:14 | 雑感
社民党の福島瑞穂党首は15日の常任幹事会で、石原伸晃自民党幹事長が反原発の動きを「集団ヒステリー状態」と指摘したことについて、「自民党は命を大事にしたい人々の気持ちを全く理解できない利権政党だ。生身の生き物の感覚から本当に遠くなっているのが自民党政治だ」と批判した。 

そうです。石原発言そのものは読んだ時,「また変な表現使ったな」とは思いましたが,言わんとしていることは同意できます。何が何でも「反原発」となっているのは事実。原発そのものが駄目なのかどうかという話と,原発の安全性確保ができるのかどうか,の話は一応別物です。安全性を確保できないのであれば,原発は駄目だろう,という話になってくる。

そもそも,ライフスタイルを変えずに,原発だけ停止・廃止なんて現実的には無理。みんな我慢できるのかどうかという問題も議論しなければならない。原発は即廃止,でも電力は使いますなんて無理な話。ちょっと蒸し暑くなっただけでぶーぶー言っているような状況では正直論外でしょう,悪いけど。

石原発言の真意は,「冷静になるべきであり,個々の論点について国民が冷静に考えるべきである」,だと思うし,それくらいの事は分かるはず。冷静に判断した結果,原発廃止もありるわけです。ただ代替エネルギー論やライフスタイル論は避けては通れない話だよ,と。そういう趣旨のはず。福島党首が本当に残念なのは,完全な揚げ足取りをしている点です。政治家の仕事って揚げ足取りじゃないでしょう。弱小政党なりに存在感を出そうと必死なのは分かりますが,揚げ足取りでしかアピールできないなら,このまま埋もれてもらって結構です。熱射病で高齢者や小さい子がバタバタ倒れることもありうるんですよ。こうなったらどうするわけ?それでも電力使うなってか?どうせ企業が節電すればよいとか言い出すんでしょうが,国力確実に落ちますよ。国力落ちたら代替エネルギーの原料も確保できなくなるかもしれない。どうすんの?火力発電はただでさえ高コストですからね。そういう議論もしないと駄目なんだよこの話は。単純に,「原発はありか,なしか」という単独問題ではない。

政治家である以上,どのような言葉を使うのかは極めて重要で,その意味で石原発言が今ひとつの側面があるのは事実だが,分かりやすく伝えるのもまた政治家の役目でもある。また石原氏は福島などで現に大変な目に遭っている人たちに対して,集団ヒステリーといった訳ではないのは普通に分かるはずである。その他の国民,マスコミの報道姿勢(実際にはこっちが問題なんだとは思う)について「落ち着くべきである」という趣旨の発言であろう。

このエントリーも別に原発が良い悪いの話をしているわけではなく(まぁ,必要悪なんでしょうが),福島氏にはガッカリだなという事が言いたかったのです。揚げ足取りしてる余裕なんて今の日本には無いんだよー。

・・・なんで無人島に作らないんだ,原発・・・。
Comment    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 予備試験 論文直前答練につ... | TOP | 夏至接近 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。