「答案の流れ」

2016-10-28 16:38:03 | 司法試験関連

コメント欄の質問です。「答案に流れがない」と言う場合の「流れとは」というご質問。

実際にどのような答案なのかにもよるので、何とも言えないところはありますが、「流れ」という場合、いくつかのポイントはあると思います。

まずは「論理」の欠如。これをやると、形式的には一連の文章でも、「法律の文章」としては連続していないことになるので、「流れ」は悪いとの評価に当然なります。

次に、「論点ぶつ切り」型の答案。個々の論点自体は書けていても、論点相互間の繋がりがない、つまり「繋ぎ」部分がないので、唐突感を感じる答案になります。「知っているから書いている」という印象も持たれやすいです。

似たものとして、「本件事案における特定論点検討の必要性」が示されていない、というのもあります。答案における「論点の論証」は、学問的に重要だからではなく、その事案を解決するうえで検討せざるを得ないからするのです。事案の問題提起とか言われるやつですね。これがないと、本件で何故突然その論点を書きだしたのかの説明がないな、という印象を持つので、やはり「流れ」がない(=唐突だな)という評価を受けます。

民法でありがちなのが、それは当然の前提・結論ではないので、まずそこから検討しなければいけないのに、それを所与の前提として書き始める、というものがあります(自己物の時効取得ができるのは当たり前、など)。これも流れは悪いとの評価になります。

単純に、無駄なこと・余計なことを書いている場合も、流れは悪いとなります。

簡潔に書くべきところをだらだら饒舌に書くのも流れはかなり悪いです。

論理が行ったり来た入りするのも駄目です。

これらを意識しないと、流れを意識していないですね、というコメントを食らう可能性は高いと思います。

 

Comment (1)
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