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ある化学工学系大学教員の大学とあまり関係ないブログ.twitterやFacebookに載りきらない長文の置き場.

ニセコクラシック 140km

2017年07月11日 | 自転車

捲土重来を期した今年前半のビッグレースは昨年に続いてほろ苦さを残して終わった。ヱビスビールじゃないけどな!


140kmのラインレース。豪雨と低温の昨年は機材や身支度がまずくて、完走はしたものの散々な結果に終わった。今年はおおむね晴れで30℃くらいまで上がり、どちらかと言えば得意なコンディション。


Stravaログ

Cyclo-Sphereログ

 

 

アップは省いた。朝練のつもりで行けば序盤は耐えられるだろう。直前までチェアでくつろいでリラックスしてスタートを迎えた。スタート後のパレード走行は右側に陣取り、無理しない範囲で先頭に近づく。数百名の集団なのでリアルスタートしてからでは先頭を捕まえるのはほとんど無理なことは昨年学習済み。今年はアマチュアレース界のスター選手がゾロゾロいて、彼らと同じ集団にいることに自然とテンションが上がる。


中小のアップダウンをこなし、15km地点から3kmほどの高速ダウンヒルへ。サイコンに視線を落とすと83km/hとかいう数字が出てて目を疑う。それでも集団と同じかやや遅いくらい。昨年はグリップの悪いツーリングタイヤ(Continental GRAND PRIX 4Season)のためか雨天では水の膜の上を走っているようで、コーナーでラインが膨らみがちになって恐怖に身体をこわばらせながら低速走行を強いられたところだ。今年は当然ながらレーシングタイヤにした。コーナリング時の足の位置も昨年まではアウト側を下死点にして荷重していたのを、前後水平にして両足に荷重して、BBに重心が乗るようにイメージした。これは宮澤崇史選手の講習会で教わったものだが、こちらの方が明らかに安定感がいい。


下りきると自分の周りはバラけた状態。100mくらい先に見える集団最後尾を捕まえようと踏ん張るが上手く協調できない。やっと捕まえたと思ったらその前で千切れていたりの繰り返し。今思えばここでかなり脚を使ってしまったかもしれない。tmfm列車が来るが乗り損ねてしまう。ようやく脚の合うライダー5人くらいでまとまってパノラマライン入口へ。500mくらい先に集団が見えたが、そこそこ消耗していたので追いつくのは諦めてL4ペース走に。半分くらい登ったあたりでカッチャンが追いついてくる。10人前後で最初のKOMを越えて長いダウンヒルへ。昨年はここで激しい雨にさらされてハンドルが維持できないほどに身体が震え出してしまったのだったが、今年は難なく通過。集団はバラけてカッチャンと地元大学生とで麓まで。


第1給水で大学生を連結解除、くまお機関車が単機でやってきて,安心快適友の会3両編成で平坦ローテ。脚攣るぞサインがかすかに感じられ,テンポで無理せず回す。尻別川の河口をまわって右岸に戻るあたりで大集団に呑まれる。集団ペースも落ちて休憩タイム。後半の山3連発に備えてしっかり脚を休ませる。ジェルもこの時までにすべて摂取しておく。これで十分回復したつもりだったが…。

 

105km地点で3連発の一つ目,第2KOMへの上り開始。元気な人を先に行かせ,じわっとペースを上げるつもりで踏んだがいきなり雷に打たれたように脚攣り発生。あかん,踏めんわこれ。集団からこぼれ落ちる。平静を装いつつ無念の「くまおさんさようなら」。マッサージすると収まるどころかピクピクいい出す。L3くらいで脚の様子を見ながら我慢の登坂。スポーツドリンク追加注入。


過去2回のAttack!299での脚攣り経験からして,完全に回復することはないがある程度コントロールできることは知っている。自分の感覚では脚攣りには3段階のステージがある。
 
  • 第1段階:一部の筋肉が攣っている。痛みはあるが走行可能。ただしL4以上では即座に第2段階へ進行してしまう。一部の筋肉に負担が集中しないよう,シッティングとダンシングを切り替えながらいけばL3で5分程度は維持できる。
  • 第2段階:脚全体が攣って走行不能。一旦L1・低ケイデンスに落として回復する必要あり。
  • 第3段階:脚が硬直して体勢を変えられなくなる。クリートを外せないのでそのまま緩い下り坂で回復させるか,電柱などにつかまらない限り落車するしかない。

しばらく第1段階で凌ぎ,ときどき第2が来たらL1に落として回復させつつ進む。2つ目の山のピーク,広大な畑の中を右折したあたりで第3段階到来。もはや停車かと思ったが幸い緩い下りだったので下半身硬直のまま進んで回復させる。3つ目の山,突き当たりT字路右折で再度第3段階。失速するが周囲に掴まるものがない。近くのスタッフに叫ぶ「た・す・け・て~(マジ)」。異常を察知したスタッフが駆け寄ってくるがさてどう助ければいいのか。「止まれない!」で何とか正面から受け止めてもらってコケずに停車。よく覚えてないがどうにかクリートを外して着地。身動きできない。1分ほどしてトップチューブに跨ったまま脚で地面を蹴って再スタート。上り途中でいつまでも地面を蹴ってもいられないので再度クリートを嵌める。あとは第1段階をL1~L2中心にしてゴールへ。

散々な状態ではあったが,暑さでフラつきかけているライダーが散見される中,痛みのおかげで暑さに意識を奪われることなく,ある意味しっかり走りに集中できたとは思う。4:23'10'',年代別26/77位。2年連続で上位25%のメダル&ワールドシリーズ出場権には届かなかった。練習不足と言ってしまえばそれまでだが,ロングの練習を積んでパフォーマンスを上げておかなかったというよりも,どの程度で脚攣りが起きるのかなど,自分のパフォーマンスの限界がつかめていなかったことの方が大きいように思う。8月のAttack!299は最後までタレない走りを心掛けよう。

最後になりましたがtmfm,もけけ,くまお,カッチャン各位,会心の走りでメダル獲得おめでとうございます。隊長,共に来年こそは…!ですね。楽しく苦しいレースをありがとうございました。

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