黒鉄重工

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バンクーバーの近郊列車に乗る その5【2015/08/11】

2017-02-24 23:39:49 | 鉄道撮影記

ウェストコーストエクスプレス(WCE)のウォーターフロント駅を15時50分に出発して、下車駅のポート・コキットラム駅に着いたのは16時24分。
距離は目測でおよそ27kmであり(正確なキロ程は調べても出てこなかった)、東京駅から東海道線に乗ると東神奈川駅か横浜駅くらいの距離です。列車通勤するには十分な距離だと思います。ちなみに終点のミッションシティ駅まで行くと約67kmあり、これは東海道線だと大磯駅まで行きます。こんなに遠いと自動車通勤だときついですかね。
プラットホームは1面だけ。朝夕にそれぞれ片道しか運行しないのでこれで十分間に合うんですね。見た目は綺麗でして、客車の塗装に合わせた街灯がおしゃれです。



乗客の降車が済んだら車掌が扉を締めて発車。次第に速度を上げながら巨大な客車はホームを去っていきました。
列車はミッションシティ側(郊外側)にディーゼル機関車、ウォーターフロント側(都心側)に制御客車を連結しています。
このバイレベルコーチの制御客車の顔は始めて見た時はずいぶんとお粗末なデザインだなと思ったのですが、他の制御客車を知るに連れてこれはこれで頑張ったほうなんだなと思うようになりました。今でもひどいと思うのはアムトラックやメトラの制御客車ですね。
WCEの制御客車の塗装は、前照灯やナンバープレートがある部分の黒い塗り分けが京王6000系のおでこに似ていて、窓や貫通扉の配置も相まって6000系に見えるような気がします。



列車の編成は機関車+客車9両の堂々とした長編成。八角形の車体がこれだけ連なっていると楽しいですね。
こんなに長いとビシっと写真を決めたいところなんですが、この駅からだと後追いしか出来ませんでした。まあ、バンクーバーの近場だとろくな撮影地が無いらしくネットにもそのような写真は見当たりませんでしたので、全体が収まっただけでも上々です。



直線でも撮影します。立地上側面逆光になるのも仕方なし・・・。



前回も書いたとおり、この駅の目の前はカナディアンパシフィック鉄道(CP)の広大な貨物ヤードが広がっています。
地上の目線から見ても全体が把握できないのですが、ヤード線は30線以上(幅350m以上)、長さは線路によって2~3kmまであるのでその広さは凄まじいものがあります。
たぶんこれだけで日本最大の操車場だった武蔵野操車場に匹敵するのではないかなと。これと同等かそれ以上のものがカナダには無数にあるんでしょうねぇ。



スー・ライン鉄道(SOO)の3ベイ・ホッパー車SOO75432。積み荷は穀物と思われ。
SOOはアメリカの五大湖西側あたりにある鉄道ですが、CPの子会社になっていて実質的にはCPのアメリカ内での路線です。CPは他にも何社かのアメリカの鉄道会社を買収しています。CNもそうですがアメリカ進出に積極的なんですよね。アメリカとしてはカナダ資本の鉄道に路線網を奪われて大丈夫なのかしらとも思いますが。


動きのない写真なんでアレですが、ホッパー車の貨物列車は入換をしているのかジリジリと右から左へ向けて動いていました。



こっちの貨物列車特有の組成が編成の中間に機関車を挟み込む中間補機です。あんまり長いと前と後ろだけでは足りないんでしょうかね。ちなみに機関車は遠隔操作されているので中に誰もいませんよ、とのこと。



4ベイ・グレインホッパー車CP603297。
麦の穂とカナダ政府の文字が特徴の穀物用ホッパー車です。種類が幾つかあって、特にCanadaの文字が大きく書かれた種類は好きでして、模型でも持っているほどです。
このグレインホッパーは、1970年代にカナダ政府が鉄道による穀物輸送のために20年に渡り13,500両を製造しました。所有権は政府にあるようですが、車番からして車籍はCNとCPの両者になっているようです(政府の私有貨車という体にも出来そうなものだが)。
古いものは車齢40年以上なので2007年以降廃車が進んでいるようで、まともに運用できるのは2027年まで、完全に廃車されるのは2036年までという試算だそうな。ちなみに2017年時点で約8400両が現役です。



SOO124097。比較的おとなしめの落書きですね。なんか書いてありますが弊ブログでは取り上げないでおきます。



ホッパー車の列車が抜けていきました。まあその後すぐに戻ってくるんですが。



暴力的な輸送力を提供するダブルスタックカー。基本的に40ft海上コンテナを運びますが、それより短かったり長かったりするコンテナも運びます。
写真のコンテナはヒュンダイのものですね。結構見かけます。トヨタのコンテナとかは見ないですかね。



駅を探検します。
駅の外に出て駅舎を見てみます。無人駅でして、改札口はありません。まあ簡単な構造ですかね。



駅舎の中には券売機があります。これで切符を買って乗ります。普通の使い切り切符の他に定期券もあったはず。この時は準備工事だけでしたが、執筆時時点ではICEBERGカード「コンパス」も供用されていて、タッチするだけで列車に乗れるはずです。



改めてホームを見ます。ヤードの途中に建ててあるので曲がりくねっています。



駅にはバスターミナルとパークアンドライド駐車場があります。列車からバスに乗り換えるという人もそこそこいるので、ちゃんと機能している模様。列車とバスでうまく乗り継ぎできる時刻表というのもポイントですね。
日本と比べて発達が後発になった交通機関ゆえに各交通機関との連携は考えられたものになっていると思います。
バスはコミュニティバス系統に就くIC Bus AC Series (S460)。日本だと日野ポンチョくらいの大きさ。



NFI D60LF (P8101)。青塗装の面積が多いB-Line塗装です。B-Lineは急行バス系統に付けられる名前で、主にそれに使われるためのバスですな。
これは確か#160系統だったはず。
WCEの列車は郊外行きの列車しか走りませんから(千と千尋に出てくる列車みたいだ)、翌朝にならないと列車でバンクーバーに戻ることは出来ません。なので帰りはバスに乗ります。
私が乗ったのが#160系統で、バンクーバーのダウンタウンまで直通するバスです。バンクーバーまで1本のバスで帰れるのはポート・コキットラム駅が最遠だったはず。
ただし執筆時現在は途中のコートニー・ループで終点となってしまい、バンクーバーへ直通しなくなっています。バンクーバーへ向かうにはそこから別の系統に乗り換える必要があります。また現在はポート・コキットラム駅からほど近くにあるコキットラム・セントラル駅からスカイトレイン・エバーグリーン線が乗り入れているので、それに乗り換えてダウンタウンへ向かったほうが確実のはずです(訪問時はエバーグリーン線はまだ未開業だった)。



ひと通り駅を見たのでホームに戻ると・・・あ、なんか来た!
というところで今日はここまで。


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