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天保異聞 妖奇士 説十七 「幽世(かくりよ)」

2007-02-08 23:19:22 | 天保異聞 妖奇士
心のどこかにある「此処ではない何処かへ行きたい」という誰しもが持つ願望を、この物語では異界という架空の空間と、異国という実在する「何処か」を使って現しているんですよね。

しかしてその物語について、現実に今、自分が異国の地で思いを馳せていることについて、意外と客観視するのは難しいものだな、なんて思ったりしています。

僕の中の気持ちとしては、自分の居場所であれ、戦う場所であれ、それは何処にでもある、それは何処にしてもかまわず、目的があるならば此処(ここ)であろうと何処(どこ)であろうと関係ない。

けれどもその目的、ひいては何故働いているのか、何故そう思えるのか、に思いを馳せるとき、やはりそれは自己実現という欲求と並んで、家族がいるから、戻る場所があるから此処(ここ)であろうと何処(どこ)であろうと存在することに疑問を持たずに済んでいるのではないか、などという風にも思います。


……まったくらしからぬ出だしで書いてみたものの、ガラじゃないっすね(笑)。


とまあ、この『天保異聞妖奇士』という作品も個人的予想としては、現時点までは「此処ではない何処か」を求める気持ちや、それでもここで生きていかないといけない、という現実逃避やそれを理解したうえでの多少ネガティブに、矛盾を抱えながらもそれでも生きていく、という現実的なお話になっているんですが、最終的にはアトルをベースにして「それでもここで生きていく」から「だからここで生きていたい」というポジティブな感じになったら良いなぁ、なんて思っております。

今回の感想はさすがにロンドンにまで録画ファイルを持ってくるわけにもいかなかったので、かなり怪しい記憶を頼みに書こうかなと思っているのですが、ポイントとしては1つだけ。


「山の民」かと思っていた人は実は「山の民」ではなかった、というミスリードがあり、彼は厳しい取立てを受ける「農民」という此処(ここ)ではなく、制約を受けない、自由である、食料もある「山の民」という何処(どこ)かに憧れた男だった、ということなんですね。

「山の民」は「山の民」でおそらく自分たちに何らかの制約を設けていたり、何者にも頼らず生きていくにはそれなりの覚悟と決意が裏側に隠されている、ということに彼はまだ気がついていない。

また、さらに神がなんだとか、「山の民」が神の子だなんだと言っている山崎屋については、偽者の「山の民」を囲って、それで悦に入っているという、なんとも皮肉な構図になっているわけです。

とにかくこの物語は皮肉が利いている。
#會川昇さんはきっとすごい皮肉屋なんだ。たぶん(笑)。


というところが今回の外側のテーマで、物語としての流れとしてはやはりアビのお姉さん。

あちら側にいるお姉さん。

まったく予想不能なので、竜導さんと邂逅したらどう思うだろうか、とか、アビはどう思うのか、とかやはりその辺が楽しみです。

天保異聞 妖奇士 一 (完全限定生産)



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3 コメント

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便利に使おう木地師 (KIR)
2007-02-10 18:00:22
 土曜日の18時というのは激戦区のようで、チャンネルを変えられまいとする涙ぐましい(?)努力が見られますね。テレビ歴が浅いのでこんなことにすら驚きます。

 小笠原さんがかつて宰蔵ちゃんを騙して皮肉、いや妖夷の肉を喰わせていますね。山崎屋さんと同じことをやったわけで、あの人も業の深いお方です。小笠原さんとしてはそのへんに負い目があり、しかもある程度理解できる人たちとの戦いになりますから今後も目が離せません。成り行き上鳥居陣営の盾になるというのは以前もあった(12話の駁竜遠吠え事件あたり)ような気がしますが、今回は現実から目を背けて別な生き方のいいところだけを見てしまった人たちが相手のようです。主人公を取り巻く人たちとよく似ていますが、ちょっとだけ違いますね。

 これまで主人公など限られた人物の世界だった異界を、ついに奇士全員が共有しました。と思いきやボスがいませんでしたが……。機会を逸するとなかなかチャンスがないような気がするのですが、異界を知る部下と知らない管理職という構図で進むのかもしれません(わたしの書くことはまず当たりませんが……)。

 マスラオさんの登場と活躍にはインパクトがありました。でもその身の上はまだ謎ですね。特別な能力を持っていて魅力もあるため今回の事件のみで退場してしまう人には見えませんが、どんどん仲間が増えていく設定なのでしょうか。それとも最後に感動の大集結か……。気が早いのは生まれつきです(^^ 絵描きさんも少年探偵という素晴らしいポジションをつかみましたから、大所帯を使い切れるなら活躍させてほしいものです。また、このところ雲七さんの多国籍軍が都合良く現れる乗り物みたいになってしまっていますが、それ以上のものを見せてほしいところです。


 そういえば、DVDの完全限定生産とかいうのが気になりますが、こういうのは普通なのでしょうか。小売業的には数が見込めない、長期間売れないという商品の売り方ですけど。
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自由をつかめ!FREEDOM (ひれん)
2007-02-11 17:19:52
ってわけでみんなカップヌードルに憧れる人たちのお話でしたね。
でもそこにはカップヌードルはないぜっていう。ついにCM中にカップヌードルが登場しなくなったように

・・・って、やっぱ無理がありまくり(苦笑)

最近アトルより宰蔵(って確かこの字だよね)のがかわいいんですよね。いまいちアトルってヒロインって感じがしないっていうか。最初出た時は良さげな感じがしたんですけれどねー。

DVDの完全限定生産なのはおそらく人気がないから、に尽きるかと。これっていうパンチがないんですよね。なんていうか、エンタメ性というか、作品の匂い、雰囲気が感じられない作品なんですよね。キャラが悪いわけでも時代背景や設定が悪いわけでもなくて、根本がなんというか、きれいな澄んだ感じが何ともそぐわないんですよね。執拗に妖怪の肉を食う描写とか、人の骨肉な裏面を描写したりするんですけど、わざとなのか、必殺仕事人や鬼平犯科帳や子連れ狼よりも、銭形平次や水戸黄門や暴れん坊将軍の雰囲気が漂ってるんですよね。なんかちぐはぐな感じで。會川さんボウケンジャーに引っ張られてるのか?と勘ぐっちゃうほどに。
みんながそう思ってるのかどうかはわかりませんけど、数字が人気のなさを物語ってしまってるんですよね(悲)
私的にはゴーストハントみたくホラーものだったらよかったのになぁ、って思ってるんですよね。もっと怖さや気持ち悪さが滲み出るような雰囲気が見たかったよぅ。6時だから無理なのかなぁ、TBSでも。いやでもハガレンとかやってたしなぁ。
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補足 (燕。(管理人))
2007-02-12 00:15:37
■KIRさんへ
土曜の18時、いわゆる土6と言われる時間帯はガンダムSEED以来、セールス的にいけると思われる時間帯になっていて、音楽業界とのタイアップ、ゲーム、グッズなど集客効果が望める時間帯になっているんですね(1・2年前に新聞でも紹介されていましたね)。
本編はやっぱり皮肉が利いていて、昨今の転職失敗事例じゃないですが、ここが嫌だから辞める、ここじゃ食えないから辞める的アプローチに対する警鐘じゃないですけど、そんな感じもありますね。
結局どこ行っても大変なものは大変なんです、みたいな。
マスラオさんは何となくまた登場しそうな感じですね。
今回は顔見せだけって感じですか。
個人的には往壓さんは召還士として、仲間の漢神を引き出したり、くっつけたり、自分がなっちゃったりと、もっとゲーム的要素を出した方が面白いと思いますね。
あと、DVDですが、後ろのひれんさんにも共通のコメントとして、完全限定生産は特典などが付くやつだけですよ。「通常版」も発売されますのでご安心を。
これは他の作品のDVDも一緒です。
今回は「零説」が付くらしいですが、これはちょっと…ですね(笑)。
まあ「通常版」と値段が全く同じなので、その辺を考えると初回特典を購入した方が良いかなって感じですね。
#ちなみに僕はDVDを購入するときはアマゾンでも予約の方が割引のパーセンテージが大きいことと、初回特典付きで揃えたいので、常に初回限定をゲットするようにしています(笑)。
#ファフナーなんか通常版購入してから在庫のある初回限定に買いなおしたりしました(馬鹿ですね)。

■ひれんさんへ
自由が今回のテーマになってるんで、そこで大友克洋と(笑)。
あれの続きは気になるけど、あれでカップヌードル食べたくなるんだろうか、といらん心配したり。
#そんな心配しなくてもみんなカップヌードルは食べるわな。うんうん。
えっとDVDの限定生産の話については上のKIRさんのコメントでもしたように、一応通常版もありますので、売れるかどうかは別にして通常通りでございますよ。
本作は視聴者の設定部分にちょい疑問はありますね。
完全に大人向けになっちゃってるところがあって……、しっかり読まないと理解が難しいところがたくさんあるので。
逆にしっかり読むと奥が深いわけですが、深夜帯だったらもっとはまったかもしれませんね。
ホラーものちっくなのは僕もあっても良いかなと思いますね。
どっちかというと京極夏彦風のやつ。
ああいう感じもでも面白いと思いますけどね。
あとは、もっとエンタメを意識して、往壓さんを召還士として仲間も一緒に活躍させる、というのが良いかも。
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