京都平和市民連合(平和塾)

反原発&環境保護&反戦平和運動など、様々な京都の市民運動の情報発信のブログ

第1回・第2回の環境塾のご案内

2023-02-24 09:11:00 | 市民環境研究所
第1回 環境塾
「公害現場で、京都の市民運動で考えたこの50年間/石田紀郎」      
2023年3月4日 07:00 PM~
https://us06web.zoom.us/j/84039540955...
ミーティングID: 840 3954 0955
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第2回環境塾
「京都の市民が切り開いた地平/石田紀郎」
2023年3月11日 07:00 PM
https://us06web.zoom.us/j/86077983154...
ミーティングID: 860 7798 3154
パスコード: 958417
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石田紀郎さんの紹介文
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「環境問題を中心とするカザフスタン研究の先導」に対して
           (大同生命地域研究賞 選考委員会)
 石田紀郎氏は、カザフスタンの環境問題を中心として、日本における中央アジア研究を開拓してきた先駆者である。
 石田紀郎氏は琵琶湖の湖北に育ち、農業を介した人と水との関係に興味を持って京都大学農学部に進学した。同大学院農学研究科を卒業後、京都大学農学部で助手、助教授を経て、京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究科教授を勤めた。
 植物病理学分野を専攻し、病原菌が植物体内に侵入するメカニズムに関する研究により農学博士号を取得した。しかし、1960年代から70年代、農薬を多用して植物病害虫を防除する農業が主流であったため、環境汚染の視点から農業のみならず、農学そのものも根本的に見直すという研究活動を開始した。
 1989年、琵琶湖で開催された「環境と文学」に関するフォーラムで世界最大の環境破壊とも言われる「アラル海の消滅危機」を知り、翌90年8月アラル海に赴き、調査研究を開始した。現地では、上述のフォーラムのために来日したソ連作家同盟会長ラスプーチン氏の紹介により、カザフスタンの作家同盟の委員長であり平和委員会の委員長でもあったアリムジャーノフ氏の支援を得た。自由に研究者同士がコンタクトできる現在とは全く異なり、ソ連崩壊前、その一部であるカザフスタンに関する情報は一般的に入手できなかった時代、石田紀郎氏は平和や文学というわずかな外交上の絆を大切にすることでカザフ研究を開拓したのだった。
 石田紀郎氏はまず「日本カザフ研究会」(JRAK)を設立し、同志を募るという方法で、アラル海の研究を推進した。気象学、土壌学、植物学、水質学、土木学、保健学、経済学、畜産学などの諸分野の研究者が集うことによって、質の高い研究成果が蓄積され、『日本カザフ研究会報告書』として13号まで論文集が刊行された。研究者による自発的な実践活動として、国境を超えて環境問題に取り組んで見せたことは注目に値する。
 ちょうどソ連崩壊を目の当たりにし、すなわちカザフスタン共和国の誕生期に立ち会うこととなった石田紀郎氏は、現地の要請を受けて国家間の交流に尽力した。在カザフ日本大使館開設に先立ち、アリムジャーノフ氏を大統領特使として日本に迎えたことは、民間の寄付金によって国家間の外交の端緒が開かれたことを意味する。背後には、アラル海の悲劇とともに、カザフスタンのセミパラチンスク州におけるソ連の核実験場の悲劇を是非とも伝えたいという熱い想いがあったという。また、カザフスタンには多くの旧日本兵がシベリアから移送され、鉱山労働などに従事させられた歴史を知るにおよんで、石田紀郎氏は、ケンタウ市に慰霊碑を建立する活動にも貢献している。ソ連崩壊前に逸早くカザフスタンを調査研究し、現地とのパイプをもっていたがゆえの活動であると言えよう。
 カザフスタン独立後、現地の研究環境は極端に劣化し、多くの研究者が欧米や中東諸国に転出した。そうした状況に鑑み、石田紀郎氏は、日本カザフ研究会の活動として、外務省や文科省の資金を得て、カザフの若手研究者を継続的に招聘した。さらに、1998年には彼らの企画によりアルマティで国際シンポジウムが開催されるなど、現地における若手研究者の養成に確実に貢献した。と同時に、彼らはまた日本から来訪する新しい研究者たちの窓口にもなるため、結果的に日本人研究者のカザフスタンへの往来に寄与している。
 近年では、アラル海最前線に位置するカラテレン村で現地のNGOと共同で植林活動「アラルの森プロジェクト」を推進し、「オアシス」を出現させている。地道な活動によって、20世紀の人類史的課題としてアラル海からの警鐘が伝承されることになる。
 以上のように、石田紀郎氏は、アラル海をはじめとするカザフスタンの環境問題の調査研究にとどまらず、民間外交、研究者養成、住民支援など幅広く展開しており、その中央アジア地域研究に対する先駆的な貢献は、大同生命地域研究特別賞にふさわしいものと高く評価される。
(大同生命地域研究賞 選考委員会)

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