miniDVのカメラが出てきた時から言われていたこと。機材がプロとアマチュアを分ける時代は終わる。その後、DSLR革命が起き、YouTubeだVimeoだと映像発表のプラットフォームが確立され、もはやプロとアマチュアの境目ってあるのかな?という気がしてきている。僕も長年映像で仕事してきた1人としてこのテーマについて何度もブログに書いたりしてきたが、ほんとここ1~2年で加速度的に「いままでのやり方ではダメだ」ということを感じている。焦ってます正直。少なくとも「機材で自分が他と違う誰かになれる」という時代は確実に終わっている。その思いもあり今年は「もう買わない」と決めたので、たぶんこのブログでもほとんど機材について書くことはなくなった。そこへ来てそのことをズバズバと切り裂いてくれるインタビュー記事を見てしまった。衝撃的だった。今の時代を象徴するなあ、ということを記録しておくために書きます。
それはCinema5Dさんがアップされた、アルゼンチン出身のブライダル映像を作られているAlejandro Caloreさんという方のインタビュー。
当該記事はこちら。
Valuable Tips to Become a Unique Wedding Cinematographer
インタビューはこちら。
アルゼンチンの方で非常に分かりやすい英語を話されるので、ぜひご覧ください。
機材を追うことはやめた
Alejandro Caloreさんの使用機材は5D Mark II。映像をご覧になれば分かるが、ピクチャースタイルCinestyleの撮って出し。スライダーショットも、ステディショットも、もちろんドローン映像もなし。リグも使わない。現場に持ち込むのは、慣れ親しんだ5D Mark IIと三脚と数本のレンズだけ。
もちろんテクノロジーについては知っている。それら機材を使えばどんな絵が撮れるかも知っている。
Alejandro Caloreさんは、20年前にアルゼンチンでビデオ撮影のキャリアをスタートされて、あるとき「映画について真剣に学ぼう」と、映像学校に通うことにしたそうだ。その映像知識をベースに、自分のスタイルを模索され、いろんなチュートリアルビデオや参考映像を見て、マネをしようとした。
で、ふと思った。
「こんなマネばかりしていてオレはオレのスタイルを築くことができるのか?」
自分がしたいことは何なんだろう?と考えた末にたどり着いたのは「チームではなくたった独りで撮影する『One Point of View』のブライダル映像を作ること」。それこそがオレのスタイルだ、と。それ以来、機材を追い求めることはやめ、三脚と5D2だけに落ち着いたのだという。
以下、Alejandro Caloreさんの言葉を順不同で抄訳します。素晴らしいインタビューなので僕の抄訳ではなくぜひインタビュー映像をご覧ください。18分があっという間です。
美しいショットの連なりは物語を伝えない
ブライダル映像でも、美しいショットはたくさん見ることがある。だけどその連なりだけでは何も感じることができない。何か伝えたいテーマがあり、そのことを考えた構図や編集を考える。たとえそのショットが醜かろうと、例えば、編集で50%ブローアップしなければならないとしても、そこに正当な理由さえあれば、躊躇しない。もちろん、高画素・高画質の世の中のセオリーに反しているのは知っているが、よりよく物語を伝えることができるのであれば、画質のことは気にしない。
カラーグレーディングについては、撮ったそのときの空気感がなくなることがあると考える。得られるものがあると同時に失われるものもある。なので、撮った時のそのフィーリングを大切にするためにCinestyleで撮影し何も色調整をしない、というスタイルを貫く。
4Kも、個人的な思いで今は必要だとは思わない。視聴者にディテールを伝えたいとは思ってないから。「夢のようなフィーリング」を伝えるのにディテールは要らないと今は考える。
何かを撮り損ねていると恐れない
ブライダルでありがちなのが、「何か重要なことを撮り逃しているのではないか?」という恐れ。しかし、綿密に準備し、確固たる物語があり、自分が何を撮るか分かっていれば、そんな恐れなど必要ない。構図を決めるのに十分に時間を取り、自分が撮ろうと思う瞬間が訪れるまで録画ボタンを押すことすらない。
自分が撮っているものが一番重要なのだ。だから撮り損ねているかもしれない、などという不安など感じることはない。
なにしろ自分はたった独りで撮影し、自分でしか撮れないOne Point of Viewの物語を構築しているのだから。
一つの映像の作り方に固執しない
特にブライダルにはセオリーなどない。自分が作るブライダル映像はすべて異なる。例えば、あるウエディングでは牧師とのやりとりが最も重要かもしれない。別のウエディングでは参列者のリアクションが最も重要な要素かもしれない。
その時々に最も伝えたいことはあり、あのとき成功したからその手法でと、一つの手法に固執することはない。まさに映画を1本1本作るように。
依頼者との出会いを大切にする
最も重要なのは、依頼者であるこれから結婚しようとするカップルたちのことを深く理解しようとすること。同時に依頼者には自分のスタイルを理解してもらわなければならない。そもそも、サイトにアップしたサンプルビデオを見て依頼してきていただいているわけだから、自分のスタイルに興味を持ってもらっているというのがスタート地点。また、同じように撮影した映像はトレーラー的な扱いでサイトにアップすることを依頼主に条件として伝える。
いろいろなコマーシャル的な仕事もしてきたが、ウエディングは「ある特定の視聴者へ向けた映像である」という自由があることに気がついた。コマーシャルの仕事だとその自由はない。依頼者との関係性を考えても、その自由が得られるブライダル映像こそが、映像制作者としてやりたいことだと思う。
あまりアドバイスは得意じゃないけどただ一つ共有できることは、、
自分のスタイルを構築すること。そのためには映像の基礎を知ること。映像制作のシステムの基礎を知ること。そのうえで、自分のスタイルに合った機材を見つけ、自分を最大限に表現すること。
今日において、機材は誰もが手に入れられるモノ。あなたが作る映像は、なにか特別な機材を使っているから特別になる、っていうことは、もうない。この機材を持ってるから仕事の依頼がくる、ということはもうない。これからはアイデンティティが最も重要だ。
なにか参考になる映像を見てそれを真似しようとするのはもう今の時代は正しいやり方とは思えない。
自分のスタイルを構築し、そのスタイルを好きになってくれるオーディエンスを見つけること。
ブライダル映像は、ツールに頼った映像の連なりになりがちで、「物語を伝える」という映像の根本から離れてしまうことが多い。
アドバイスが得意じゃない自分が言えることは、「ツールの使い方を見せびらかすのが映像じゃない」ということかもしれない。
スタイルを築くこと
以上、いかがですか?僕の拙い訳ではこの素晴らしいインタビューの力強いメッセージの半分も伝わらないかもしれない、、ぜひほんとインタビュー映像をご覧ください。僕がいまいろいろと考えていることに対していくつか重要な示唆をくれた。
今この時代に5D Mark 2と三脚だけで、このジャンルで世界で最高峰の1人と目されるような仕事をされているAlejandro Caloreさん。これを見て僕が思ったのは、「自分のスタイルってなんだろう?」ということだった。
あまりにショボすぎてがっかり。。
もし一つだけ自分のスタイルと言えるとすると、専門性のなさかなあ。。
皆さんは自分だけのスタイルがありますか?
離婚したけど今じゃ誰も見ないんだろうなぁ~、私も捨てたし…
北の国に誘拐された時使えたかもしれないけど…
あれっ、話の趣旨と全然関係なくて申し訳ありません。
でも男の子はやっぱり新しい機材が欲しいし、
あれこれ考えてる時が楽しい…
お~コメントありがとうございます!
そうなんですよね。そうは言っても新しい機材にワクワクしてしまうその心は抑えられないw
邪気? 無邪気?
僕は仕事としてはブライダルはやりませんが、「撮り損ねるかもしれない」という気持ちはものすごく強いというのは分かりますので、「RECボタンを必要な時にしか押さない」というのは驚きでした。
たぶん、綿密な打ち合わせと微に入り細にわたるリハーサルと、詳細な物語の構築を撮る前にやっているんでしょう。だから自信を持ってRECボタンを押せる。そしてそこには彼の経験と映像知識が背景にある。
本当のプロフェッショナルとはそういうことで、機材の知識とか使い方を知ってるとかではない。
> 私も捨てたし…
まぢですか!もったいない。。。たぶんすごく歳を取った時みたらおもしろかったかもしれない。。。時代を知る貴重な映像になったかもしれないし、、、、、
僕は自分の結婚式???の映像は自分で撮りましたw 式じゃなかったし。
英語がわからない自分ですが、100%自分の持ってる機材を活かせてるか、自分のやりたい事が今の機材で十分ならそれでやり続ける。
そんなところでしょうか。。。
自分も最近感じているのは”機材に振り回されてる”感がハンパないという事。
MoVIの上下をなんとかするために練習するよりサポート機材を探してしまう。。。。その前にその機材の特性、クセをどれだけ把握してるのか?
お金がなかった時は一つのカメラで創意工夫しながら限界までカメラの機能を拡げて、限界が来た時に新しい機材を導入して開ける新しいフィールド。。。。
お金があって(今は全くないけどw)新しい機材にホイホイ行くより彼のスタイルはそんな気質を感じさせます。
色々と批判批評はあると思いますが、僕が感じたのは「お前の持ってる機材を100%活かしてるか?」でした。
昔じゃじゃ馬と言われたデジタルスチールカメラを本当に限界までその特性を調べ、テスト、撮影して、メーカーにもなんども足を運びそれを使いこなしてた時はその写真は僕にしか撮れない写真(スタイル)として唯一無二の作品を作り出させてくれたし、仕事もバンバン来てましたw
今はあんまりそこまで使いこなしてないなぁ。。。
買うよりもっとする事あるんだろうな。。。。
彼の場合は、「あえて」5D Mark IIを使っているようでした。お金は当然あるだろうし機材を買おうと思えば買えるだろうし、他のやり方ももちろん選択できるのだろうと思います。もしかしたら持っていらっしゃるくらいかもしれない。
20年前からキャリアをスタートされているということですから、肩載せベーカムで撮ってるような人だろうし技術も当然ある。
そんな中でわざと5D Mark IIを選んでいるんだと思います。『自分にとって正当な理由があれば別の機材を使うのは全く躊躇しない』と言ってました。
仰る通り、持っている機材を最大限に活かすのは貧乏な時代のほうが切実だったかもしれないですね。僕の場合はソフトウエアがそうなんですが、ついつい「そのほうが速いから」という理由で素材集を買っちゃったりして、「独特のスタイル」というのを築けないでいると感じることが多いデス。
お金がなければ自分で作る(撮る)でしょうし、そのほうが腕も上がる。ついつい仕事に追われて「作業」に陥ってしまってる。
彼はしかも仕事を選んでいるようでした。つまり彼のスタイルを気に入ってくれて信頼してくれる依頼者の仕事のみを請ける、というやり方。通常のブライダル映像とは全くちがう独特のスタイルですから、もっと普通にキチンと記録したいカップルは彼には依頼しないと思います。
> 買うよりもっとする事あるんだろうな。。。。
ほんとですね。先日僕が衝撃を受けたCG作品があるのですがその作者も他の人の作品を見て「オレと同じソフト、同じプラグインを使っているのになんでこんなすごいことができるんだ」と奮い立ったと言ってました。
何かを買えば自分がグレードアップできる、と思うのは間違いだというのは近年痛感しています。なので僕はもう買いません!MOVIも全然使ってないし。。
海外の結婚式だけの番組を撮影していた事がありました。
はっきり言って結婚式は何もし無くても良い
主体は二人であって余計な事は不要だと思いました。
撮り逃さ無い為には機材はシンプルな方が良い。
ポイントは指輪交換と聖体拝受だけを逃さなければ
あとは何でも成立するとゆうルーティーン。。。
ステンドグラスから差し込む光と影。
蝋燭がおりなすオレンジ色の揺らぎ。
もう何も要らないですね。
日本のブライダルは産業化されているので
式も多様、披露宴もさまざまなので
撮影方法を確立させるには難しい状況かも知れない。
欧米だからできる事だと思うけど。
私のスタイルは余計な事しない、です。
そういう側面はあるかもしれないですね。
日本の場合、会場のひもつき業者さんだったりして、けっこうシステマチックに撮ってる印象があったり、なかなか「物語を伝える」的なアプローチは難しいかもしれませんね。
確かに彼の映像を見てると環境の美しさというのは大きく寄与しているように感じます。日本の場合はどうなんだろう?
あと訳には書きませんでしたが、彼のビジネスはfacebookからの依頼がほとんどだそうです。facebookとWEBサイトの組み合わせでプロモーションしているのだとか。
その際に思ったのはやはりスペイン語と英語というヨーロッパと北米南米を網羅できる言語を使っているのは非常に大きいなあと思いました。
いずれにしても僕も何か考えないといけないと痛感しました。。。
嫁入りの列なんか
美しく撮れると思うが
神義には色んな条件があって
御霊は俯瞰で撮影しては駄目とか
神前にカメラ、ライトは向けたら駄目とか。
海外チャペルはわりとゆるい感じでしたが
個々のモラル次第とゆうか。。。
ある種の規制の中から
撮影方法が生まれるので
彼が撮る日本の挙式も見てみたい。
日本の文化を撮るにはREDが
必要だ!と言うかも知れない、笑
そういえば、神社って暗いから結構ムズイですよね~ あれだけの陰影がある中であの白無垢の模様まで表現するのは5D2のCineStyleではアカン気がする。
もちろん彼のスタイルがすべてに当てはまるわけではなく(彼もそんなこと言ってない)、何が良いかは自分で探らなければならないですが、、、
知り合いにもブライダル撮ってる人いますが(上手です)、どんな工夫をされてるのかなあ、、改めて興味が出てきました。
撮影の条件を考えるとブライダルはやっぱDSLRですかね。。。音は別録りで。
確かに彼のようなスタイルの持ち主に日本から依頼するのもオモシロイかもしれない。明治神宮とかで撮ってみてほしい!僕はもう遅いですが誰か頼まないですかね(笑。
kimさんのおっしゃる通り日本人特有のわびさびだと合うのかもしれないですね。。。
今の日本のブライダルの現状だとDSLRでのウェディングは受け入れられ難いんでしょうね、どうしても安易な映像が多いので、、、。
しかしフィルムカメラのカメラマンがデジタルカメラの隆盛で誰でもそれなりの写真が撮れるようになり駆逐されたように、やがてウェディングもDSLRがどういったポジションを得るかによってですが、システムとしてのメインストリームを変えていくんでしょうね。そのためにも日本にも彼のような映像を作る方が出てくると面白いですよね。
僕は本当にウエディングについては全く無知で、皆さんがどういうお仕事をされているのか知りませんが、ワリとDSLRを使った映像が増えているのかと思ったらそうでもないんですかね??邪魔にならないし機動力があるんでDSLRのほうが重宝されてるのかと思った。
ただまあ、ビデオカメラのほうがしっかり撮るにはいいですしね。C100あたりが凄く使われてそう。
日本のブライダル映像は仰るようなシステムに組み込まれてるのが問題なのかなあ、という気がします。それがいい点でもあるとは思うのですが。。結婚式業者さん指定のカメラマンでないとダメだったりするんで、依頼主の自由にならないことが多いですよね。まあその方が会場や進行についてよく知っていて美しいアングルとかどのタイミングで何が起こるとか照明がどうなるとか、問題が起こりにくいというのはあるし、kimさんが仰ってるような「会場のルール」を破らない安心感もありますが。
彼の映像は「記録映像」でないことは確かなので、その意味でも日本では受け入れがたいかもしれませんね。
僕は友達の結婚式を撮って、そのまま3年くらいほったらかして、友達に「いい加減見せてくれない?親が死ぬ前に見たいって言ってるんだけど」と言われたことあります(笑 向いてない(笑
結婚式を趣味として機材を揃えさせて頂いた
というセミアマカメラマンです(`・ω・´)ゞ
まぁ今も趣味でやってるのですが・・・
僕のビデオを見た人からいつも言われるのは
「二人を中心にしすぎていない」
「オフショットの自然な映像が多い」
というとても近い視点での映像が喜ばれます。
結果、作ったビデオを見ると二人の顔のアップ
というより、その顔を観ている人達まで含む
その場の雰囲気をそのまま出す!という感じで
完成させることで、後で二人が見る時に
友達を見ながら見るので楽しいみたいです。
ビデオカメラの業務用だと数十万ですが
ミラーレス(GH4)だと10万ちょっと。
この値段で、十分綺麗な画質が得られ、
軽量のため一日握りしめてても大丈夫。
4Kは確かに綺麗ですが、ディティールは
必要ないというのは本当ですね・・・
荒い映像でも昔の映像のほうが喜ばれます(笑)
求められているものとアウトプットできるものの差をどうやって埋めるかというのはいつも問題だと感じています。とくにブライダルのようなBtoCの仕事の場合は、なけなしのお金をはたいて依頼してきてくれるはずなので求められるものに絶対的に応えたい。
彼はインタビューで、「自分のスタイルを理解してもらうこと」を結構重要な要素のように話していました。
僕は仕事を請けるときに「自分の可能性」を広げるために基本断りません。よほどスケジュールが合わないとかギャラが異様に安いとかない限り。
そうなってくるとスタイルがあるとまずいんですよね。。この微妙なバランスといいますか。難しいデスこのエントリ書いてからほんと考えてます。。。。
スタイルって突き詰めていくと「自分ができること」なんですよね。
数年前より、時々、こちらのブログ拝見しておりました。今回の記事を読み、考えさせられる所あり始めてコメント致します。
私自身も映像制作の仕事をしており、企画、演出、撮影、編集を行う何でも屋として活動しております。少しこちらのHPを訪れる人の中でも変わっているところは、中南米在住でを中南米をフィールドとして活動しているところです。日本の番組に関わることもありますし、現地の仕事を行うこともあります。
数年前にDSLRでの映像制作が登場し始めた頃は、まだその目新しさから機材が映像を引っ張っていた印象があります。知っている人と知らない人の差があったり、まだそこでも差があったりしたような気もします。ですが現在、多くのドキュメンタリーや独立系の映画で、同じようなフォーマットで撮られることが多く、作品ごとに差異を見出しにくくなっていることも確かだと思います。
例えば、こちらで揶揄して言うのは、座りのインタを撮って、コメントの上に絵をかぶせる。そのために必要な絵を撮るのみ。使うのは、スライダーやジブなどの流れる絵であったりと、最近ではドローンといわゆる流行りの絵です。そんな中、ある種頑なに独自の撮影スタイルを続ける人達の中に、日本のテレビ番組制作社がいるようにも思います。特に、日本でしか撮らない文法が多いのは、海外で制作していると余計に感じることがあります。勿論、それが個々人のオリジナリティではないですが、日本の番組でしか見ることのない独自のフォーマットがあるのも事実です。
またご参考までにメキシコで特に最近衝撃を受けている番組をご紹介します。Aquí nos tocó vivir という番組で、もう20-30年以上やっている長寿番組です。
https://www.youtube.com/watch?v=SZlxXAp6KXE
僕には彼らが非常に自由に見え、その自由さが見ている人も安心させているように思うのですが。。。勿論、その自由さには、長年培ってきた歴史が垣間見えます。つまり、経験ということなのかとも思います。
少なくとも
「こんなマネばかりしていてオレはオレのスタイルを築くことができるのか?」
と感じることこそが、全ての一歩目のような気もしています。
長文失礼しました。
初めまして!コメントありがとうございます。
物凄く興味深い視点の話で驚きました。確かに仰る通り、「インタビュー」と「インサート」で構成って、映像文法のセオリーだし、見られるものはできるけどつまんないよね、というものは量産されてますね。僕もいっぱい作ってます。辟易してますが、量産型の定型なので、避けられません。
その「辟易している手法」の中でも、そうとうインタビューの編集が上手くいったとき、、、そしてインサートが呼応する形で編集出来たときは、何度でも見返したい作品に昇華できるんだと思います。
仰る通り、ただの「インタビュー&動いてるショットの連なり」だと、ああちゃんと作れてるね、とは思うけどじゃあ何を伝えたいの?で終わっちゃいますね。。
驚いたのが日本のテレビ番組制作がその「独自視点を持っている」というそのことでした。
なるほどーーーと思いました。いわば、ガラパゴスな制作方法がユニークでありえると。。Only in Japan、というのはよく笑いになりますが、そのことですかね。
ふーむ。。。。
教えていただいたメキシコの番組は見ましたが残念ながら僕はスペイン語は全く分からなくてそのすごさがイマイチ分かりませんでした。。。orz
ただ少なくとも、Vimeoとかで話題になっているものを真似しようとしてもダメでむしろ、僕が持っている日本だからこその文脈で表現したほうが世界に持って行ったときに驚きを持って迎えられるのかも、という当たり前のことに気づかせてもらえました。。
ありがとうございます!
最近なにかとパクリが話題になってますが、独自のスタイルってなんなんでしょうね?
例えば、ドキュメンタリーで言うと、海外はカラッと、日本はしっとりという感じでしょうか。日本のドキュメンタリーは、昭和な感じがします。ワンカットが長く、余韻を残すというか。それ以外に、独自の演出方法が多いようにも思います。つまり海外ですと、良くも悪くも、みんなアメリカっぽい作りになってしまいがちです。更に言えば、今回のテーマである機材の発達が、演出方法の多様性に対して少なからず影響を与えていると思います。そして、それに気をかけている人達が、ちゃんと存在しているということが僕にとっては大切なことです。
よく海外で仕事をして思うのは、日本の人たちはもっと沢山海外にくればいいのにと思います。まずよく働きますし、やはり仕事に対する姿勢が日本人は少し違いますから笑
以前言われていたとおり、日本ではカメアシを何年かやって、海外に出れば、それだけで食いっぱぐれないと思います。こちらで大切なのは、ペラペラ外国語が喋れる人よりも、片言でも映像がわかっている人の方が勿論重宝します。余談でした。
最後に、独自のスタイルに関してですが、僕が個人的に思うことは2つあります。
コスパの悪いことをすること
今やっている仕事が出来ることへの喜び の2つです。
コスパのいい演出や撮影は確かに経済的には大切ですが、やはり年をとってから後悔したくないですから、コスパという言葉は怪しいので、いつも真逆の可能性を探ってます。
もう一つは、誰もが就ける仕事ではない映像の仕事が出来ていることへの感謝とか喜びですね。これがあれば、コスパが悪くても、仕事が減っても笑、挑戦出来るんじゃないでしょうか。そうして、試行錯誤することで独自のスタイルが出てくるんだと思います。私も、勿論、まだないです。でも、スタイル、文体を生む作業って、人には任せられないですよね笑
率直な意見を述べましたが、海外にいる人間の戯言と思って頂ければと思います。失礼しました。周りの同僚達は、本当に上のように考えて実行している人もいます。ラテンアメリカですから。。。
あらゆることで耳が痛いデス。。。特に仕事ができる喜びというのは忘れがちです、ほんと。
僕は映像業界に入り込んでからありがたいことに18年経ちました。が、この稿の最初に書きましたが、最近仕事の広がりが限定されてきている気がして、「仕事ができる喜びを思い出さなくては」と焦っています。
つい、無間地獄の修正があったり、制作の時間がぜんぜんなかったり、ギャラが異様に安かったりすると、その喜びを忘れてしまいます。
なかなか難しい。安請け合いもしたくないし、異様にブラックな環境でこき使われたくないし、そういうのが当たり前だと思っているクライアントにはそうじゃないんだ、と主張したいですし、、、
またビジネス映像制作の場合はクライアントの意見が絶対になりがちで、だんだんと「作業」に陥ってしまうんですね。もちろん僕は芸術作品を作っているのではないことは重々承知しているのでクライアントが伝えたいと思っていることを映像化するお手伝いをしているのだ、という視点は忘れないようにしていますが、どうしても最初の意気込みからだんだんと意気消沈してしまって、最後は言われた通りに修正して、早く終わらないかなあと思いながら「作業をするだけ」になるパターンが多すぎて、どうしたらこの悪循環から脱することができるだろう、といつも思っています。
「コスパ」については、僕が思うのは「時間」ですかね。映像の場合はかけた時間がクオリティに跳ね返ることが多いですから、どれだけ時間をかけるか天秤をかけるときに思います。
時にコスト(僕の時間)を度外視して作業をしたり、頼まれてもいないシーンを追加してみたりしますが、良くなると分かっているならどんどんやってみないとですね。
海外に出ればいいのに、という意見は最も共感できます。僕もできることなら外国に拠点を移したいと考えています。僕の能力がどれだけ買ってもらえるかは未知数ですが、日本の仕事を請けることを前提にどこかに行ければなあと虫のいいことを夢想しています。南米にいらっしゃるNo-palさんがうらやましいデス。
自分のスタイルについてこの稿を書いてからすごく考えていますが、きっと「今自分ができること」なんだろうなあ、というところに行きついています。僕の目指すのは究極はボブ・ロスのように「Joy of Filming」を表現できればなあ、ということです。一見簡単なように短時間で作れるように見えて、その背景には人生そのものが投影されている、あのボブ・ロスの作品のようなものが作れたら、、、
ただ放送が絡んでくるとになると、どうしようもない知識差がプロとアマにはありますが...
次はポスプロが時間単価でお金を取る時代の終わりでしょうか?
※いつも興味深く読ませてもらってます。
仰る通り放送となると映像信号の話であったり、TCであったりフォーマットであったりいろいろと技術的にクリアしないといけないことは出てきますね。映像作れるからと言っても放送用の納品ができるかというとまた違いますしよね。
また演出的な意味では、テレビ放送の企画演出とYouTuberでは差はとてつもなくあると思います。YouTuberのすごく再生されているのでも数百万程度の再生回数ですから、テレビ放送のリーチとはくらべものになりませんし。。
ポスプロの時間単価の料金はもう崩壊するでしょうね、、既にVP用途でポスプロを使うことはほとんどありませんし、テレビ番組制作ではグロスでの請負でしょうから、もしかしたらすでに終わってると言えるかもしれません。
ポスプロでいうと僕の観測範囲では、オオバコはもう少なくなってきているけど、逆に小さくて時間単価も安く長時間みんなで集まってできるような場所を提供するところが増えてきているんじゃないかなあという印象です。
あとはCM用のポスプロという感じでしょうか。
どうですかね?
田舎のビデオ屋で、今も現役でやっています。(きょうも小学校の音楽会を撮って来ました。儲けはわずかですが、楽しいですよ。)当時のユーマチックの定期的なメンテナンス費用には、辟易でした。私の場合C to Cの取引がほとんどでしたので早めに機材はダウンサイジングしました。僕の撮影のインセンティブは、好きなことをやって利益をだすというのが一番でした。それ以外の人生も大事だと。その分、ブライダルビデオブームで稼いだお金はすこしながら残せ、老後のめどはできました。高い機材を持っている人が偉いような風潮もありますが、冷めた自分がいます、もうそんな時代ではないと。仰せの通り、各個人の強みや得意な分野を磨いていくことが大切かと思います。メーカーは高い機材を売って利益を出すのが使命ですが、機材に金をかけすぎるとみじめな老後が待っています。あっという間に、歳なんてとってしまいますので、40代50代の生き方が大切と思います。書籍「ワーク・シフト」も参考になると思います。但し、最新の機材を使って挑戦していかれるのも人生かと思いますので機材を追求していくことは否定はしません。(昔の自分がそうだった)あくまでも自己責任で。老婆心ながら大変失礼いたしました。最後に3RD EYE STUDiOS様には投稿させていただきありがとうございました。
初めましてコメントありがとうございます!レスが遅くなってすみません。。。
僕が業界入った時代はさすがにベーカム全盛でしたが、納品はUマチックでした。「シブサン」と呼んでました。デカくて重いんですよねえ。。納品はバックアップと含めて必ず1番組あたり2本でしたから、局に持って行くのが大変で、、、、
今から3~4年前にはそれでも機材を追うことの意味はあったかと思います。日進月歩で画質が上っていましたし、値段も下がっていましたから。
ところがもうプロ用ビデオカメラでも高くて100万円。特機も皆持ってるし、似たような「センスがいい」ビデオにあふれてますし、誰でも「プロっぽい」映像が簡単に撮れますし、もう「撮って編集して」だけでお金がもらえる時代じゃないんですよね。
> 機材に金をかけすぎるとみじめな老後が待っています
耳が痛いといいますか、貴重なご意見ありがとうございます!
老後まではまだ考えられませんが(笑)、機材は一定期間経つとゴミになるなあ、と最近思っています。中古で売るにしても二束三文になるし、売れるだけマシかなと。
機材に投資することは、自分に投資することのように以前は考えていましたが、違うとようやく気づきました。今、僕はソフトウエアの使い方をもっとマスターしたいと思っていて、そうすることによって表現の幅が広がるだろうと思っています。
いずれにしてもコメントありがとうございます!!そうは仰らずに、こんなインターネットの片隅ですがどしどしご意見お書きください!!
僕の知識なんて大したことがなくてたいていは受け売りです。日々生きていくのが精いっぱいで、、
映画の現場で働いている方々や、CMなどの大規模プロジェクトを取り仕切っている皆さんに比べたら、ずいぶんこじんまりです。
月2から3本くらいしかブログは書けませんが今後も時々覗きに来てみてください!
5D2+シネスタイル.pf2って一つのルックとして素晴らしかったのですが(日本だと弄ると壊れる「オワコンw」扱いの人が非常に多かったですが(笑))、5D3に入れるとルックがかなり違うのですよ。僕もα7sのsLog2の要望が多かったので5D2売って買ったのですが、残した5D3に入れたシネスタイルを現場で使ってみると、ハイが飛ぶタイミングが早いというか境目が強く出るんですね。記事のカメラマン氏が5D2を使っているのはその意味もあるかも、なんて思いました。5D2売らずにおけばよかった・・・
へーCineStyle、5D Mark 2と3で色が違うんですね。知らなかった。Mark 2用に開発されたから3には最適化されてないのかなあ。
CineStyleは出た当初は絶賛されましたが、僕はまず空を撮って「なんだこりゃ?」と思い、その後CM撮影で使ってしまい、グレーの壁の修正に死にそうになって以来、仕事では使わなくなりました。
が、おっしゃるとおり、何もカラコレしないまんまだしの色は結構好きで、うちの奥さんなんかも「いいよねこれ」といって、プライベートではときどき撮ってます。
僕は5D Mark 2は記念で残すことを決めてるのと、Mark 3は写真機としてはうちにある中でもっとも優秀ですしマジックランタンもあるので残したいので、2台とも残ってます(笑 なのでこんど検証してみようかなあ。。3にはいちども入れたことないんですよね。。確かGoProにも入れられましたよね。
420のカメラでは、後であまり弄らないのが得策ということです。
この曲調のミュージックビデオにはこういう雰囲気ぴったりですねえ。あと最近はLogまんまじゃないの?っていううすーーーいフラットな絵も見ますね。。
その話でいうと最近はやりのLogは8bit 420ではやってはいけないと思いますがどう思われますか? 結局求めるカラーを出そうとすると、8bit 420で撮ったものは、ノイズだらけになってしまいます。特に空がひどい。。
ブログで以前、空を青く撮りたい、という稿を書いたことがありますが、あれの動機は、「8bit 420でカラコレしたら空がまず破たんする」ということからでした。
もちろん暗部もひどくなりがちですが、暗部は割と「そんなもんかなあ」と見逃せますが、空が汚いと辛い。。
Vimeoにアップされている一見きれいなルックの映像もよく見ると見慣れたノイズが盛大に載っていて、「まあこれはVimeoだから許されるけど、大画面で見るような目的だと辛いよなー、と。。。
4Kで撮ったものをダウンコンしてもカラコレで浮かんでくるノイズはやっぱ辛い。
僕はノイズリダクションをかけた上にシャープネス+フィルムグレインとかをかぶせてごまかしてますが、、、
そろそろ444 10bitやRAWに移行するべきかなあと思いますがいかんせん後処理の時間が少なすぎて、その部分に時間を充てられないという問題があり。。。
悩ましい。。
https://www.youtube.com/watch?v=4XSkU3fbz74 これはα7sですが(ノーマルのビューティーな質感を志向してないので参考になるかわかりませんが)5Dの時はここまでいじるとバインディングノイズ出まくりでしたが、XAVC-Sだとほぼ気にならないレベルで、ソニーは「落とし所」を上手に見つけたのかなぁとも思います。c300iiもファイル形式変えてきたので、FS7と共に僕的にはいい落とし所」かもと思ってます。さすがにRAWは個人レベルでは・・・
僕もわりと暗部ノイズやバンディング、多少のモアレなど、新しいカメラが出るたびに微に入り際にわたり海外サイトでチェックするようなことは、無頓着なほうです。結構ノイズがあってもクライアントさんがオッケーならそれで出しちゃいます。
逆に、ルックを一所懸命頑張ってやったり、良かれと思ってフィルムグレインを足したりすると、NG食らったり。。僕はよく言うのですが、EOS標準の明るくて鮮やかな色がいちばんクライアントさんの好みに近いんだなーと常々実感してまして、、、
このPVもかっこいいですねーー
ミュージックビデオは僕はやりませんが、似たような趣旨の「好きにやっていい」ものだと大胆にカラコレしたりしますが、クライアントワークだと自重します。。。
でもなんかPVやりたくなってきた、、、、、、
A7sのXAVCはビットレートが高いからなんですかね?ビットレートが高いといえばGH4のFHDも200Mbpsで撮れますがノイズひどいんですよねえ。なんでだろう。色をいじるとすぐ大量に出てきます。
> a7sでインフォマーシャルなんて無茶な
僕のことじゃないですよね(笑 平気でやってますよ(笑 いやあ。。。。 ただあまり色はいじりません。ほんとカラコレにちょっと雰囲気足しな程度のグレーディングです。
やっぱり不景気なせいか、無難に綺麗な方が支持されますね。明るく綺麗に。日本の蛍光灯文化なんですかね。でも古来はヨーロッパ以上に陰陽を大事にするというか大好きな文化のはずなんですが。
なんなんでしょうねえ。。最近は知りませんがテレビドラマもくっきりピッカリなライティングで、やすっぽいですよねえ。
現場の人たちが才能ないのではなく、視聴者に好まれるのがそういうのなんですよねえ。。いつぞやの大河ドラマで、そういうのを払拭しようと汚く撮ったら問題になったの覚えてます。
結局、最後は鮮やかにするのであれば、鮮やかに撮っておいたほうがいいんですよねえ。。仕上がりのイメージがあるのであれば、その通りに撮っておくのが最も美しい。仰る通りにハイライトとシャドウを両方入れておきたいということがなければ、、、
>>「結局、最後は鮮やかにするのであれば、鮮やかに撮っておいたほうがいいんですよねえ。。仕上がりのイメージがあるのであれば、その通りに撮っておくのが最も美しい。」
コメントありがとうございます!
僕が思うにバランスが難しいデス。撮って出しはテレビは
まさにそうですが、映画もCMも撮って出しでできるならそれに越したことはない。。
でもやっぱこう変えたいああ変えたいという要望に応えるにはある程度のバッファがないと、、というところでデジタル時代にLOGやRAWが出て来た、、、という時代背景は分かっているのですが、、、
なかなかそうもいかないのが人生であり、、