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街角の映像制作下請け零細業者のブログ




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知りませんでした、そんな規格があるなんて。そしてそれを50年ぶりに復活させたのがタランティーノ監督。年末公開予定の新作、The Hateful Eight。この新作映画より以前にこの規格で撮られた映画はwikiによると1966年のKhartoumという映画までさかのぼらないといけないらしい。タランティーノ監督の超絶映画オタクぶりにはほんと脱帽ですわ。なんでこんな古い規格で撮ろうと思ったのか。しかもこんなのを上映できる映画館なんてもうないのだけど、このThe Hateful Eightのために世界で50館の映画館にUltra Panavision 70で上映できる機材を導入させると!すごすぎ。しかも来年公開予定のスターウォーズ・Rogue Oneもこの規格で撮られてるとか!!

 

 

このThe Hateful Eightの撮影監督を務めるのは3度オスカーを受賞しているRobert Richardson。このUltra Panavision 70を復活させたということもあり、来年のアカデミー賞撮影賞の賞レースにも筆頭に挙げられているとな。

僕はそのニュースを見るまで全くそのUltra Panavision 70というものの存在を知らなかったのだが、それを知っててしかも自分の新作で使って、しかも劇場にもそれを持ち込むというタランティーノ監督が持つ映画知識の深さに驚いたよ、ほんと。

 

Wikiによるとこの規格で撮影された映画はこれまで10本しかない。

Ultra Panavision 70 (wiki)

 

Ultra Panavision 70というのは、70mmフィルムにアナモレンズをつけて撮る、というスーパー横長映像ということ。その比率は驚異の 2.76:1!!いまご自宅にあるテレビが16:9。。ちょっと図を作ってみた。




なんという横長!!!!

っていうかスターウォーズ・エピソードJJってIMAXだよね?でその次に公開されるRogue OneがUltra Panavision 70って、、、、、、、、

The Hateful Eightは、ほんと50年ぶりのUltra Panavision 70の映画なので、50年使われてなかったレンズを引っ張り出してきて撮られたとか。詳しくはこちら。

Quentin Tarantino Helps Get 70mm Projectors in 50 Theaters for ‘The Hateful Eight’



上記記事で紹介されているキャプチャー画像

とにかくタランティーノ監督の願いは「劇場に足を運んでほしい!」ということ。だからこそ特別な映像で撮りたい!という動機からこのUltra Panavision 70、つまりこの映像表現になったのだとか。映画愛が凄すぎる。

これはこのサイズで見たいよね!!で、日本のどこの劇場で見られるの?????まあホンモノIMAXと同じで日本では見られないのかなあ。。。。

 


映画の画角についてはこちらもぜひご覧あれ。

 

本物のIMAXシアターでスターウォーズEP7を見るには?

【必見】アスペクト比の歴史~16:9が決まったくだらない経緯とアナモルフィック


この下の方のエントリでご紹介した映像にはちゃんとありますね。これを見た当時はさらっとスルーしちゃったけど、、、MGM65というのがUltra Panavision 70と同規格。

ホンモノ見たい!!


 


※追記(2015.11.27)

メイキング来ました!すごいレンズ!!!!!50年ぶりに日の目を見たレンズ!!6分くらいから必見です。



コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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« 2015秋発売さ... 機材はもうあ... »
 
コメント
 
 
 
even doper!(笑) (freiheit)
2015-12-03 02:37:05
タランティーノという「富も栄誉も手に入れた」監督がこのフォーマットで映画を撮る!そしてそれ(映画の内容うんぬんではなくUltra Pana70)をサミュエルJに説明させる!...うーん、国内との大きな差を感じずにはいられませんねー(撮監Bob氏のヒッピー100%な髪型も含めw)。

ボクはしがない広告映像下請け人なので国内のシネ業界に関し何も意見出来ませんが、映像で飯を食う人間の端くれとして、あらためてこういう事にエネルギーを注ぐ海外の連中を尊敬します。

ステキなブログエントリー、ありがとうございます!
 
 
 
ほんとそうですよね。。 (3RD EYE(管理人))
2015-12-03 21:01:18
freiheitさん

ああ僕と同じため息を(笑

ただし、僕が思うに一つのプロジェクトに心血を注ぐようそれだけのコミットメントが求められるのと、それに見合う給料を払ってくれる環境のせいでもあるのかなあ、、という気がします。

僕もできれば多くの時間やもてる技術や知識、そして何より熱量を注ぎたいと思いますが、なにせお金がなかったり、演出のコントロールが効かない領域が大きすぎたり、なによりそもそも短納期で時間がなかったり、

邦画の制作現場に対して僕も何を言う権利もありませんが、映画も似たり寄ったりなのかなあと思ったり思わなかったり、、、

まあ環境のせいにしてはダメですね。


そういえば、僕はMad Max Fury Road未見なのですが、撮影監督のインタビューがアップされていましたのがすごく興味深かったです。What if撮影とそうじゃないもの、とかマルチカメラの演出とかもうなんかね、、、、、(笑

https://www.youtube.com/watch?v=ZfUHwcDqrLQ&feature=youtu.be
 
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