右足の時は嫌な顔をしながら毎日健さんが様子を見に来て嫌味を言って帰ったが
今度は三味線仲間。ゴルフ仲間、老人会、絵手紙仲間と色色な人が毎日代わりに
来てくれる、後一週間で退院するからと言ったら、日曜日に来ると言ってる人も
いるのにと言われたので日曜日には退院しているから断ってと言ったら折角来るのを
楽しみにして居るのにと言われたので昼から家に居てるから何のお構いも出来ないが
遊びに来るなら来てと言ったら、そんならうちもおやつを持って行くからと言われた、
お父さん、うちは幸せやで上から見てて分かるやろう、焼きもちやいたらあかんで。
隣りの肥田さんが退院して行った、話し相手が居なくて寂しく成る、夕方小川さんの
ご主人が来て城東区の病院が引き受けてくれる様に決まったのでと話して来られた
奥さんはこの病院が好いと言って居られたが上手にご主人に言われていた、明日から
変わるので今日は要らない荷物を持って帰ると言われて片づけ出したら何処からでも
荷物が出て来る、うちらは最低限で来ているので3倍ぐらいの荷物なんで、明日の朝は
荷物の整理で大変だ、でもみんな個性のある仲良くした人が居なく成るのは寂しい。
明日二人入って来られる、好い人達ならいいがと祈る。
昨夜は眠剤で大騒ぎをして居た小川さんが今日はお漏らしをして大きな日本地図を
書いていたので看護婦さん達と掃除の人でベットの入れ替えをして居た、本人は
澄まし顔で見ている、隣りの人が明日退院するので12階の美容室で綺麗にカットを
して貰って来ていた、夕方小川さんのご主人が来て迷惑を掛けてすみませんとみんなに
謝っていた、リハビリの病院を探しているが一寸ボケが来ているのでなかなか見つから
ないと言っていた、また今日も夕方から雷が鳴っている、拓二から仕事の事で連絡が
有った時に犬達は大丈夫と聞くとゴンだけが怖がってジュリーは何とも無いらしい。
今夜は雷も鳴らないので好かった、みんなが10時前に看護婦さんから貰った眠剤を飲んだ
眠たく成って来た時に前の小川さんが眠剤を飲んで居ないと看護婦さんを呼び出して
怒っていた、みんなと同じに飲んだからと言っても聞かなくて怒鳴るので誰も眠れない、
夜勤の看護婦さんは少ない人数で飛び回っているので一人に付いてられないから何処かで
呼び出しのブザーが鳴れば一寸待ってねと走って行くので小川さんの怒りは治まらない、
みんなでもう飲んだから早く寝ようと言ってもうちだけ飲んで無いと今度は泣くので
眠たく成るまで仕方が無いのでカーテンを閉めて黙っていたら寝息が聞こえてきた。
足の延ばし運動も120まで曲げられる様に成って来たので退院を何時にしようかなと
思って居たら前の人が土曜日にすると言われていた、うちは婦長さんに息子の都合が
有るので日曜日に出来ますかと聞くと良いよと言われた、昼から傷口をホッチキスで
止めて居たので抜いて貰ったが、痛いって言ったら若い先生がそんなに痛いかと笑うので
先生は自分がした事が無いからと言い返しながら半泣きだ、テープもはがされて曲げ伸
ばしが楽に成った、寝る頃に成ると昨夜も今夜も雷が鳴っている、犬は大丈夫かな
ゴンは怖がって走り回っていると心配する。
