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リタイアーのよもやま話

サービスの達人たち

2014-09-03 22:10:34 | 読書

サービスの達人たち

野地秩嘉
新潮文庫

を読み終えた。

その裏表紙には、次のようにある。

人が求めるサービスがあれば、そこに
は必ずプロフェッショナルがいる。

ロールスロイスを売りさばく辣腕営業
マンから、接客の真髄をみせる伝説の
ゲイバーのママ、そして、あのオードリ
ー・ヘップバーンをも虜にした靴磨きま
で、技を極めた達人たち。名もなき
〝職人″である彼らの姿を追いながら、
本物のサービスとは何か、サービスの
極意とは何か、に迫った九つのノンフィ
クション。

以上。

最後の「あとがきの決定版」には、こう
あった。 

 それにしても、有名人や成功者が登
場するわけでもない地味なノンフィク
ションがどうしてロングセラーになっ
たのか。

 私は考えたすえに、ひとつの結論を
出した。

 それは本書が庶民の物語だからだ。
庶民が主人公で、読んでいると、「こ
んな人生もいいな」(自画自賛ですが)
と思えてくるからではないか。

 読者は本書に登場するセールスマン
や靴磨きが真面目にゴツゴツ働くとこ
ろに共感し、そして真面目に働く人間
が最後に人生に満足する姿に自分を重
ね合わせるのだろう。

目次は、こうである。

○ロールスロイスを売り続ける男
○東京っ子が通う「並天丼」の魅力
○ナタリー・ウッドの背中を流した
 かった
○チーフブレンダーの技と素顔
○伝説のゲイバー、接客の神髄
○命懸けで届けた被災地への電報
○銀座より新宿を愛したナンバーワン
 ・ホステス
○「怪物」と呼ばれた興行師
○ヘップバーンも虜にした靴磨き

 

わたしのような平凡な人生をおくった
人間には、このような人生もあり得る
のだと、ショックと羨望が沸き起こる。

もっとも、若い時に知ったとしても、
真似る勇気はないのだが。 

野地秩嘉氏の本には、「サービスの
裏方」という本もあって、こちらの
方も面白く読めた。

わたしたちは、何だかんだ言っても
いつもの隣にいる人の顔色を見て、
生きてきている。 

年をとると、、このような本で紹介
されている人生を知ると、心のどこか
で、これでいいじゃないのかと、囁く
声が聞こえてくる。