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杏林大学呼吸器内科 『あんずの呼吸 part2』

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コソ染め太郎の非コソ染め日誌7

2011年11月08日 | こそ染め道場
お久しぶりです。コソ染め太郎でございます。

いやぁ、今めちゃくちゃ忙しくてなかなか更新できずすいませんでした。

え?何で忙しかったのかって?




新入医局員勧誘の準備に決まってるじゃないですか!









はい。仕事は至って順調です。







という事で今日の非コソ染めです。

今、ATT(ER的なヤツ)に配属されています。
色々な症例が来て、勉強会で習った事を実践しながら楽しく診療しています。

そのATTで昔こんな事があったのを思い出しました。(実際の症例を一部改編してお送りします)



以前よりクローン病と診断されていた方です。
治療は順調で落ち着いてたみたいですが、急に腹痛が出現して来院しました。




「クローン病が増悪したな」




と考えながら診療を開始。

痛みは強かった(間欠痛)のですが、反跳痛はなく、筋性防御もありません。
(下痢は1度のみで血便なし。バイタルもOK)



「よし。採血出たら腎機能確認して造影CTを含めた画像検査に行こう」



CTを撮影してみてビックリ!
な、な、な、なんとお腹の中に空気が!






やべぇ!腹膜炎じゃないか!






慌てて外科にコンサルトし、手術となりました。
運ばれて行く直前に悪寒戦慄が出て「寒い寒い」と言うセリフに僕の背筋も寒くなったのを覚えています。
(術後は順調に経過し退院となりました)



最初の身体診察の時。
・身動きせずじっとしてる(明らかな体動時痛はなし)
・肝濁音界が消失

という所見を取りながらも、


「またまたぁ。肝濁音界消失とかどうせCOPDとかでしょ?私は騙されんよ」


とか思ってしまった自分。




※ちなみに「肝濁音界が消失」とは、free airが肝臓の表面を覆う事で打診上鼓音を呈するという所見。
 腹膜炎を疑います。
 ただCOPDなどで肺が膨張している時は肝臓の前に肺があり鼓音になる事があります。






間欠痛、明らかな腹膜刺激症状がない事、バイタルが安定してる事で腹膜炎の可能性が低いと判断して採血を待ってしまいました。
(今思えば身動きをしないのは腹膜刺激症状だったと思います)
CTは造影を待つにしてもとっとと胸部Xpを撮っておくべきだったなぁと反省。



今回の教訓
その1
「押忍!慣れと決めつけはメディカルペールに突っ込むべし!」


その2
「押忍!緊急度の高い疾患を少しでも疑ったら最低限のエスコートをするべし!」







ま、当たり前の事なんですけどね。
ATTに来る度に「あれ、もうちょっと早く進めなきゃだったよなぁ」思っちゃうんですよね。


昔の女、みたいなもんですかね…









すいません。イラッとした人、すいません。

コソ染め太郎のコソ染め日誌21

2011年10月24日 | こそ染め道場
お疲れ様です。コソ染め太郎です。


今日から感染症学会の地方会in山形に行きます。
発表もします。

10分間の拷問に耐えればいいだけと自分に言い聞かせる事で何とか心の平穏を保ててますよ!



そもそも(今更ですが)皆さんは「コソ染め」という言葉をご存じでしょうか?


コソ染め[kosozome]
意味:周りの医師に気づかれずにグラム染色を行う事。ただし臨床的には主治医が決まっていない(当直帯など)患者や主治医に許可を貰って行う場合がほとんどである。
            ――コソ染め太郎著「君には検体があるじゃないか!」より抜粋



では正しい使い方をスキットで見てみましょう。





今日のコソ染めです。

とある日、救急外来に何やら感染症が来てるという噂を耳にしました。
病棟の看護師さんが救急外来からのTELを受けているのを僕は見逃しません!

要約するとカテ感染ぽい、と。



ほうほう。




……ムラムラしてきました。





加えて刺入部に浸出液がある、と。




ほうほう。




……ムラムラが止まらない!





しかも担当のDrは知り合いの先輩っぽい!




……





うん、イケる!






救急外来に直行し、先輩Drにお願いして創部こすりスワブを貰いました!

ヤターーーーー!!




そして染めたのがコレです。







バ~ン~コ!

バ~ン~コ!




VCMコールとは裏腹に、培養結果はMSSAでした。
ヨカッタ!




……




「コソ染め」の使い方がよく分かりましたね。
皆さんも日々の生活の中で「コソ染め」をしてみて下さい。


検体はいつもアナタの傍にいますよ。

コソ染め太郎のコソ染め日誌20

2011年10月13日 | こそ染め道場
こんにちわ。他科をローテート中でなかなかコソ染めが出来ないコソ染め太郎です。


そうなんですよ。
まず、感染症がいないんです。
熱出さないんですよねぇ。いい事ですけど。

先日もやっと(?)感染症っぽい方がいたんです。
尿路感染ぽくて尿を採取したのに…


検体、自分用に残しておくの忘れたーーー!!



汚いもの大好きコソ染め太郎ともあろう者が…
ああ、一生の不覚。





つー事で今日のコソ染めです。


この症例はとある事情によりコソ染めしかできず、培養が提出できなかった症例です。
なので結論はないのですが、一緒に考えていただければ幸いです。


長期の入院歴があり、何度か肺炎等を起こしており主に第三世代セフェムを使っていた方です。(その際の培養検査なし)
今回は症状から明らかに院内肺炎っぽ。



そこで痰をコソ染めしてみると…





ほほう?
ほっほう?
ほほほほう?




え?グラム陰性球桿菌



え?インフル!?

院内インフル?略して院フル?



とりあえずSBT/ABPCで加療スタート。





効いとりますな~

いや~、気持ちいいほど効いとりますな~



え?やっぱ院フル
ブルナーじゃない院フル




実際に院内発症のインフルエンザ桿菌ってどんくらいあるんでしょうか?
論文探したんですが、なかなかいいのないですね。
ちなみにうちの教授がまとめている院内肺炎の分離菌の推移というグラフを見つけました。



(分離菌という事で原因菌とは限らないようです)


思った通り院フルってめちゃめちゃ少ないですよね。



僕の意見としては院フルの可能性も否定はできないとは思います。
しかし他の陰性球桿菌で肺炎を起こす菌が思い当たりません。



う~ん。コレ、何ですかね?



培養出せなかったのが痛すぎる!




※どなたか、この画像を見て何か分かる事がありましたら是非ともご教授下さい。

コソ染め太郎の非コソ染め日誌6

2011年10月06日 | こそ染め道場
ちわっす!コソ染め太郎です。

少しづつ寒さが漂いはじめましたね。皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
周りでもちらほらと体調を崩す人がいますし、季節の変わり目は気をつけなきゃですよね。


僕ですか?
僕は寒いの平気なんですよ。
逆に夏はもうダメですね。暑いのは苦手です。







今、「脂肪って防寒具なんだぁ」って納得しましたよね?




違うよ!
痩せてた時から寒さには強かったんだよ!





ま、僕がフラグ立てたんですけどね。



「脂肪フラグ」を。











ええ、うまい事言ったと思いましたが、何か?






さて、今回のネタは…

セミナーで学んで役に立ったパールです。


パール①
若手医師セミナー Dr林
「正しくビビろう!ERのピットフォール!」


林先生、曰く…


紅斑+気道狭窄→ボスミンim



軽度のアナフィラキシーでSpO2が下がっていなくとも気道が閉塞すれば致死的であり、気道狭窄のサインがあればすぐにボスミンimをとの事。
(また発疹の出ない気道狭窄も注意!)




その2日後です。

当直中。
抗菌薬で紅斑が出ている患者さんの発疹が悪化しているとの事でcall!
バイタルは安定してます、と。
どれどれと診察してみると…

気道に狭窄音がしてるじゃありませんか!


もう声を荒げて叫びました。



「ボスミン筋注!」



役に立つどころか助かった…
コレ知らなかったら危なかった。




パール②
これまた若手医師セミナー Dr山中
「診断」



当直で奮闘中(ローテート中でして呼吸器内科としてではなく、某内科として)、救急外来からコンサルトがありました。
症例はこんな感じです。

転倒により左臀部~大腿が痛むとの事で受診。呼吸困難ありとの事でコンサルト。





息切れの方じゃありません。
足!足!

分かるかなぁ?


ちょっと写真の撮り方がへたくそですいません。




よく見ると左足の方が短いんです!



すなわち左大腿骨頚部骨折です。


山中先生がセミナーの時にsnap diagnosisとして紹介していた事を思い出して足を揃えてみたらホントにありましたよ!




もう勉強会、万歳!



特に研究医の方勉強が嫌いな方、勉強会がお勧めです。



何たって教科書見なくても勝手に知識が増えて行く!


口を開けていれば勝手に飯が運ばれてくるヒナ鳥のように!




「ああ、だからコイツ、ピーピー五月蠅いのか…」




なんて思われても気にしな~い!



ちなみに明日も明後日もセミナーに行きます。
両方とも感染症関係です。

あ~、呼吸器のも行かなきゃ…
感染症だけじゃいつか怒られる…

コソ染め太郎のコソ染め日誌19

2011年10月02日 | こそ染め道場
こんにちわ。フェイスブックヨーロッパ企画にはまっているコソ染め太郎です。

フェイスブックって楽しいですね。
なんかmixiより気軽に繋がれる気がします。
そして何よりこのサイトを見て友達登録をしくてれた先生方もいて、有難い限りです。



では早速、今日のコソ染めです。

UTI、それは菌種の宝庫。
研修を始めてからこれまでお会いした起因菌を集めています。

現在8種類
E.coli
K.pneumoniae
K.oxytoca
Proteus mirubilis
Enterobactor cloacae
Pseudomonas aeruginosa
Citrobacter koseri
E.faecalis

(どっかでProvidencia見たんだけどなぁ、写真ないわぁ…)



先日、またお会いしました。
発熱+膿尿にて腎盂腎炎と診断しました。
んで尿のGram染色がコチラ↓



ほほう、汚いねぇ。



培養結果=α hemolytic Streptococciのみ



ほほう…これは…

もしや…


嫌気性菌か?



でも嫌気性菌のUTIって少ないってイメージありますが、実際はどうなんでしょう?

Journal of Urology;(2004)11,133-141に
Urinary tract and genito-urinary suppurative infections due to anaerobic bacteriaInternational
なるレビューがありました。


・嫌気性菌によるUTIはHudacによる報告では0.8%(27例/10760例)
           Finegoldによる報告では14%(14例/100例)→菌量10^3でカットオフ
           Seguraによる報告では1.3%(75例/5781例)
   →検出の仕方などの方法論を向上させる事で嫌気性菌の検出率は上がると考えられる
・嫌気性菌の多くは腸内細菌や連鎖球菌と共に感染している
・泌尿器オペで嫌気性菌のリスク上昇…Mohanty and Jollyによる報告
・経直腸的前立腺生検後の細菌尿の培養では嫌気性菌4.3%…Shivdeの報告
・外陰部や尿道に嫌気性菌が付着しているとリスク
・泌尿器科的疾患、構造異常、神経因性膀胱、DMなどでリスク上昇

みたいな事が書いてありました。(英語がツライ…ちゃんと読めてるかな…?)



こう見るとUTIの嫌気性菌は難しいですよね。
嫌気培養しないと生えてこないし、いたとしてもただの定着かも…



どちらにしても嫌気性菌の割合は低そうですね。
なんで、ただの膀胱炎だったり軽症~中等度ならファーストからのカバーはいらない気がします。





…つまりいつも通りって事ですかね。






※ちなみにヨーロッパ企画は京都を中心に活動してる劇団です。
先日、公演を見に行ってきました。みんな知らないよなぁ…

コソ染め太郎のコソコソ話 ~奈良へ行ってきたよ パート1~

2011年09月26日 | こそ染め道場
お久しぶりです、コソ染め太郎です。
夏休み中はもう遊び呆けてました。
勉強、一切やってないです。学会準備、マジヤバイです。

そんな中でね、奈良へ行ってきました。
もうね、「遊んでんじゃねぇーよ」って言葉が聞こえてきそうですが、逆にね「夏休みなんだからいいじゃねぇーか!」って逆ギレしてやろうじゃないかって思います。




いや、学会準備はちゃんとやります。
調子のってすいませんした!




さて、奈良ですが、台風の後から気温が下がってきましたし、結構過ごしやすい気候でした。

去年も奈良へ旅行しましたが、その時にせんとくんの魅力にとりつかれてしまい、再び会いに行く事にしました。



見て下さい、このドヤ顔!
ねぇ、もう愛おしくなっちゃいますよね!ね!




勿論せんとくんだけじゃなく、色々と行きましたよ。
今回は飛鳥方面です。


石舞台古墳



高松塚古墳



藤の木古墳



文武天皇陵






マニアックで結構!

遺跡大好き~~!!







…はい。




やはり最大のイベントはID CONFERENCEのDrくつなを中心とした西日本のオールスター達と
グラム染色カンファレンス(という名の飲み会)
に参加させていただいた事でしょうか。

詳細はID CONFERENCE参照。
http://idconference.cocolog-nifty.com/idconference/2011/09/1-6ab5.html




メンバーは…

ID CONFERENCEの管理人のK先生
めちゃめちゃ渋かったです。しびれました。


グラム染色道場師範手前ことY先生
いつもお世話になっております。お会いできて光栄でした。


ID CONFERENCEのくつな先生
先生以上の記事を書く自信がありません。今回はお誘い下さりありがとうございました。


本当に楽しい会でした。




しかし、飛鳥出身のK先生に「飛鳥って何で回ったらいいですか?」と質問したところ、
「自転車がいいよ。アップダウンもあまりないし」との事でした。





が!





先生、丘はアップダウンじゃないんですか!?



奈良は飛鳥、それは無数の丘に囲まれた自然豊かな土地でしたとさ。

コソ染め太郎のコソ染め日誌18

2011年09月15日 | こそ染め道場
どうも、夏休み気分のコソ染め太郎です。


いや、本当に、夏休みです。

まぁ、夏休みだからと言って、昼ごろまで惰眠を貪ったり、1日何冊のマンガが読めるかという過酷なチャレンジに挑んでいるだとか、それも途中で疲れたからやめたとか、そんな非生産的な毎日を送っているはずがありません!


ええ、そうですとも!



それにしては具体的だって?









まぁ、人はそれぞれ色々な物を背負っているという事です。











さて、今日のコソ染めです。

この頃、他の科の先生から感染症だよ~と教えてもらったり、相談されたりする事が増えてきました。
(もちろん自分一人では心配の時は師匠にご迷惑をかけまくってますが…)


そんな折、ATT(救急外来)にいた僕を知り合いのDrが手招きしていました。

「お~い、コソ染め!ガス壊疽だぞ~」

知り合いDrの手には滅菌スピッツに入った濁り水が…(もちろん大好物です)


まぁ、染めるしかありませんわな。



もう業務放棄して顕微鏡に直行ですわな。







嘘です。
たまたま暇だったんです。


そして染められたのがコレ!




ちぇっ、Clostridiumじゃねぇのかよと思ってしまったのは内緒です。


ガス壊疽の原因はClostridium性と非Clostridium性に分けられます。



このグラム染色像から非Clostridium性だと分かります。
さらにある程度のスペクトラムを持たせた抗菌薬が必要で、高圧酸素療法の効果がほとんど期待できず、予後も悪いという事が分かります。

やはりすごいですね、グラム染色は!






ちなみにこんなのもありました。
同期から「ホラ、あんたこんなん好きやろ、ホレ!」
と見せられた写真。





マダニさん!


ギ、ギ、ギ、ギザカワユス!


同期のドヤ顔が鼻に付きましたが、とにかくギザカワユス!
そしてやはり頭に浮かぶ言葉。
もちろんコールしましたよ。


ラ~イ~ム!

ラ~イ~ム!



コールとは裏腹に特に発症しなかった事に少しガッカリしてしまった事は内緒です。

コソ染め太郎の非コソ染め日誌5

2011年09月09日 | こそ染め道場
ハロー、ハロー。こちらコソ染め太郎。こちらコソ染め太郎。

ではではもう早速…


勝手に心理テスト
グラム染色性格判断!結果発表



※「はぁ?何コレ?結果発表?」という方はまずコチラヘ↓
http://blog.goo.ne.jp/23c2230/e/b56c822f53f028e2861ac00bca944d7a





Q.コソ染めした際、あなたは以下のどれが一番興奮しますか?


A:グラム陽性球菌
太陽のように輝いているアナタ。
友達も多く、いつも誰かと一緒にいてワイワイやるのが大好き。学校でも職場でもいつも輪の中心にいます。
でも熱くなりすぎて失敗する事もしばしば。空気を読まず耐性化しないように!
ラッキーアイテム:第1世代セフェム or PCG



B:グラム陽性桿菌
縁の下の力持ちタイプのアナタ。
いつもみんなが暴走しないように見張って定常状態をつくっているアナタはスバリ、努力の人。
しかしアピールしない事が逆に皆から影の薄いヤツだと言われがちです。
また一度キレると手に負えなくなる事も。
ラッキーアイテム:PCG or VCM



C:グラム陰性球菌
純粋で一途なアナタ。
誰よりも強い信じる力を持っており、1度信じた相手とは強い絆で結ばれるでしょう。また美への探求も忘れない。
遊んだり、飯食いに行ったりといった時の出没スポットが決まっているのも特徴。
しかし1人に依存し過ぎてしまい、2人だけの世界に浸り過ぎてしまうなんて事も。
ラッキーアイテム:AZM or SBT/ABPC



D:グラム陰性桿菌
優しく、思いやりのあるアナタ。
争い事が嫌いでいつも仲裁をするのはアナタのはず。そうやってみんなの胃腸を守っているんです。
しかし逆に争いの中心が自分だった時には猛威を奮ってしまいます。
特に怒って顔が緑色になる人は要注意!
ラッキーアイテム:第3世代セフェム or 第4世代セフェム



E:嫌気性菌
「培養なんかされるか!」という強い信念を持つアナタ。
そんなアナタの言葉は周りの人への影響力が絶大!クサイ台詞が似合うのもアナタだからです。
しかし調子に乗ると自分自身が見えなくなる傾向があり、アナタのドヤ顔が「胡散臭さ」を演出してしまうでしょう。
ラッキーアイテム:CLDM



F:真菌
長く細くがモットーのアナタ。
何かトラブルがあってもその柔軟性でササッとかわす事ができ、それが周りには「あの人、スゲー出来る」と思われている事でしょう。
その実、ストレスは胃ではなく腎臓に来やすい事は内緒。
また他の人たちとは種族が違う事もあり、自分には当たり前の行動が人をドン引きさせてしまうケースもあるのでは?
ラッキーアイテム:アンホテリシンB



G:何も見つからない
未知への飽くなき挑戦を強いられているアナタ。
その根気と努力は人生の中で幾度もの障害となりますが、それを乗り越えた時、全ての人類を救うかもしれません!
しかし、1つの事に没頭するあまり思わぬ落とし穴に気がつかない事も。気をつけよう!
初心忘れるべからず。
ラッキープレイス:ベッドサイド








いかがだったでしょうか?
以上の研究が皆々様の自己確立のほんの手助けになれば幸いと存じ上げます。


え?コソ染めしないからワカンネーって?



じゃ、染めろや!!



検体はアナタのすぐ傍に転がっていますよ。


※この心理テストはコソ染め太郎の独断と偏見と誹謗と中傷と小さじ一杯の遊び心で作られております。ご理解のほどを。

コソ染め太郎の非コソ染め日誌4

2011年09月01日 | こそ染め道場
どうも、毎度お騒がせしております、コソ染め太郎です。


人間とは、己とは何か?



これは人間誰しもがぶつかる難題であります。
アイデンティティなんて言葉では表現できない自分自身というものをどのように見つけるか、あるいはどのように自分に納得させるか。
答えは十人十色であり、2つと同じものはないはずです。


しかし、そんな答えを一定のアドバイスから探す手掛かりになるという事は往々にしてあります。
そこで僕はこんな研究を始めました。







勝手に心理テスト
グラム染色性格判断!

Q.コソ染めした際、あなたは以下のどれが一番興奮しますか?

A:グラム陽性球菌


B:グラム陽性桿菌


C:グラム陰性球菌


D:グラム陰性桿菌


E:嫌気性菌


F:真菌


G:何も見つからない




結果はまた次回!
(心理テストの結果はコソ染め太郎の独断と偏見と誹謗と中傷で作っております)

コソ染め太郎のコソ染め日誌17

2011年08月25日 | こそ染め道場
毎度お世話になっております、ボチボチやってるコソ染め太郎です。



今日の記事は長めなので早速、今日のコソ染めです。

昔々、あるところに熱傷の患者さんがおったそうな。
来る日も来る日も包帯を交換し、バラマ○シン軟膏を塗り込み、フィブ○ストスプレーを噴霧していたそうな。
そんなある日、なんと包帯が緑色になっていたそうな。


「ばあさんや、ガーゼの色がホレ」


「ああ、凄い臭いですね、おじいさん。こういうのはコソ染め太郎が見ていたら泣いて喜ぶでしょうね」




その時であった…


じゃん、じゃん、じゃ~~~ん!

じゃん、じゃん、じゃ~~~~~~ん!
(火サス)





なんとスワブを持ったコソ染め太郎が立っているではないか。


「悪い菌はいねぇか?コソ染めしてやるぞ!」



そう言うと、おもむろにスワブを振り上げ、検体をこそげとってしまった。


「うへへへへ。コソ染めじゃ、コソ染めじゃ!」


気がふれたように検体を持ち去るコソ染め太郎を誰も止められなかったそうな。






一方、検体を染めたコソ染め太郎はと言うと…







「な、なんだ、これは!?連邦のモビルスーツは化け物か!?」




もう皆さん、何の菌かはお分かりですよね?アイツですよ、アイツ。

緑色…?ザクか!?か、数が多すぎる!」









案の定、次の日Septic shockになりましたとさ。

主治医の先生は…
「あれを使うしかあるまい…」
ソーラレイ(カルバペネム)を使ったとか使わなかったとか。


また、救命した主治医が…
「圧倒的ではないか、我が軍は!」
と言ったとか言わなかったとか。




皮膚にあんなにいるって考えただけでめちゃめちゃ気持ち悪いですよね。
(ちなみに菌は緑膿菌でした)
※実際の症例やら何やらに相当の脚色と誇張を入れてお送りしております。

コソ染め太郎のコソ染め日誌16

2011年08月18日 | こそ染め道場
こんちわっす、コソ染め太郎です。


血液培養って、正直めんどうですよね。
消毒して、清潔手袋して…それを2回もって…
採ってもグラム染色できないし…ゴニョゴニョ

しかし、やらねば。やらねばなるまい!
やらねばなるまいのだよ!



そんなこんなで血液培養、略して血培って腰が重くなりがちなんですよね。
“血培ダンス”とかあれば楽しくなるだろうに…





いや、ないですからね。


むしろ僕は血培する度に自分への御褒美的にオヤツを食べて良しとする自分ルールを定めています。
いわゆる“血培オヤツ”です。

それを続けていた僕は会う人、会う人みんなに言われます。
「なんか貫禄ついたね」



お前、それ、体脂肪の事言ってるよね!?




まぁそういう風にですね、血培を自ら進んでできるようなシステム(?)があれば、感染症好きには勿論、非感染症大好きっ子にも喜ばれると思うんです。
それはもう、踊り出したくなるくらい…





いや、ないですけどね、“血培ダンス”



みんなが血培を好きになれるような、そんな素敵な方法はないものでしょうか?
ちなみに皆さんは当直中、夜中の4時、「先生、患者さんの体温が40℃です」というコールにどんな事をして自分を奮い立たせておりますでしょうか?
是非、お聞かせ下さい。



ついでと言っては申し訳ありませんが、グラム染色を一枚。

東南アジア帰りの発熱患者さんの血培です。





何を想像しますか?
(是非、レジデント、研修医の方の挑戦をばお待ちしております)

コソ染め太郎のコソ染め日誌15

2011年08月14日 | こそ染め道場
こんにちわ、コソ染め太郎です。


明日、実家から父が派遣されてくるという情報をキャッチして大慌てで部屋を掃除しました。
父の派遣の目的は「部屋の掃除」
そう、僕の自堕落というのもおこがましい生活態度を見かね、部屋を掃除しに来てくれると言うのです。
なので父が来るまでに「想像以上に汚い」という想像を超える僕の部屋を「想像以上に汚い」レベルまで改善させるんです。
いや~、面倒くさい。

いえいえ、皆さんの言いたい事はわかります。
ええ、そうですとも。
なんならあえて言いますよ。



ってどんだけ汚いねん!!






という事で今日のコソ染めです。(以下の症例は半分以上フィクションです)


ある日、看護師さんからコンサルトされました。
「先生、なんか…その…臭いんですけど…」


え、そんな馬鹿な!昨日だってちゃんと入りましたよ、お風呂!


「てめぇの事じゃねぇよ。この自意識過剰野郎が!」とまでは言われませんでしたが、とにかく来てくれと言うのです。
どうやらこの頃、とある患者さんの部屋に入るだけで異臭がするらしいとの事。
もうずっと認知症で寝たきりの方でして、

ははぁん。匂いと言えば褥瘡だね。そこにちょっと感染してんじゃないの?
デブリとかしちゃう?
嫌気性菌か緑膿菌か…
さぁ、ガーゼを見せてご覧!どんな色なのだね、ん!?


「いえ、褥瘡はないんですけど…」





じゃ、悪液質なんだな。
きっとどこかに悪い物があるんだよ。
さ、データを見せて!CT撮るか?ん?


「先生、オムツの中から匂いがするんです」





先に言いなさいよ!
ははぁん。オムツの中であれば尿路感染に間違いない!
導尿だ!


「先生、おしっこ取りましたけど匂いはあまりしませんね」





なるほど。謎は全て解けましたよ。
これは集団催眠なんです!なんか匂いがするなぁと誰かが言った事によってみんなが「この部屋から匂いがする」と思い込んでるんです。そう、僕もあなたもね。いつも真実は一つ!じっちゃんの名にかけて…


「先生、なんか帯下(おりもの)から異臭がします」





採取した帯下を鼻に近づけると…

「おええええええ!」




曲がった鼻にティッシュを詰めながらグラム染色をすると…



デーデルライン桿菌などのグラム陽性桿菌がほとんど見られず、Gardnerella vaginalisと思われるグラム陰性球桿菌Mobiluncus sppと思われる湾曲した陰性桿菌が散在します。
すなわち、細菌性膣炎と見たり!


これにて一見落着!
わっはっはっはっはっは!





「先生のオツムの中からも変な匂いがします」とまでは言われませんでしたけどね。



誰かが言ってましたけど、匂いの質や程度で鑑別が出来たら面白いですよね。
仮に匂いで感染症や悪性腫瘍が見つけられるようになれば、そしてそれがキットだったり検査だったりに昇格できれば
、今までとは違った病気へのアプローチ方法になるに違いありません。

でも、誰かが言ってました。人間の感覚は「見る・聞く・嗅ぐ・触る」だけじゃないんだ、と。
「味覚」もあるんだぜ!




それだけは、ぜっっっっったいに嫌!

コソ染め太郎のコソ染め日誌14

2011年08月07日 | こそ染め道場
こんばんわっす。コソ染め太郎っす!
はい、元気です。
元気なコソ染めです!

毎年6月頃から発症する慢性咳嗽で悩まされ続け早5年。
8月になるといつの間にか治っているという奇病?持ちな僕。
待ち遠しいですね、病気が治る季節というものは。

ちなみにβ-stimulaterもダメ、吸入ステロイドも効果なし。
そんな折、師匠から処方してもらった抗アレルギー薬が何となく効いたので毎年お世話になってます。
ありがとう、タリ〇ン!

研修医時代には自らの痰を染め、線毛上皮を見つけて幸せな気持ちになり、念のためLVFXを内服してみたり(手元にマクロライドがなかったんです、スイマセン…)、それでも止まない咳にすでに諦めモードです。

誰か診断して下さい。(多分、何かのアレルギーなんでしょうけど…)





といった所で今日のコソ染めです。

まずはこれ。

20,895円

さて、何の値段でしょうか?





膿胸の方の胸水のグラム染色です。
ご覧の通り、グラム陽性連鎖球菌で、おそらく嫌気性菌でしょう。
嫌気性菌の膿胸は混合感染が多いので他の菌を探したのですが見つからず培養の結果を待つことに。
しかしその結果は…


PeptostreptococciFusobacterium!?



何ぃ~!!Fusobacteriumだって!?どこどこ!?
改めて自分のグラム染色の写真を見直すも見つからず、検査室に「たのも~!!」と突撃したところ…




いるじゃねぇか!!


細長い針状の陰性桿菌がそれです。
何が違うんだ!俺の何が悪かったんだ~~!!



その答えは簡単。遠心!


僕の方は遠心をせずグラム染色を行ったもの。
一方、検査室の技師さんは遠心を行った後にグラム染色をされていたんですね。


それにしても遠心一つでこんなにも違うとは…くやしい…




さて、先に書きました20,895円
その正体はコイツ(遠心分離機)↓です。



僕の中で悪魔がささやきます。

「買えない値段じゃない…」





……





待てぇ!お前はどこへ行こうとしてるんだぁぁああ!?

コソ染め太郎のコソ染め日誌13

2011年08月02日 | こそ染め道場
お疲れ様です、コソ染め太郎です。

今、明後日の朝の勉強会のネタに苦しみつつ、Yout〇beで「微笑みの爆弾」を聞いてます。
そう!「幽遊白書」のオープニングテーマです。
何でしょう?すごく切なく、懐かしいこの気持ちは?
幽白、最高でしたからね…(ちなみにトグロ弟ファンでした)


「最近、コイツマニアックになってきて面倒くせぇなぁ~」って思います?




元々こんなんです!





という事で今日のコソ染めです。

肺炎尿中抗原陽性の方の痰を見たときです。



こんな感じです。
まぁ矛盾しねぇなぁと思いながらも、他の視野では多種多様な菌もいらっしゃって、時には上皮なんかもお見えになってましたので、誤嚥性も否定はしきれないなぁと眺めていました。(いい痰だったんだけどなぁ…)

そんな時、認識するよりも早く顕微鏡を操る僕の手がピタリと止まりました。



こ、これは…
この蔵馬の薔薇棘鞭刃(ローズ・ウィップ)↓の如き陽性桿菌は…





もしや、ノカルジアさんじゃないですか!?




原因菌じゃない…原因菌じゃないんだ…
とつぶやきながらももう一目会いたいと、ローズ・ウィップを探すも見つからず。


急性発症の経過からも原因菌ではない。それにただの嫌気性菌かもしれない…(落ち着け自分…)
しかし…


検査室に「あの~、蔵馬のローズ・ウィップ出るまで培養してもらえませんか?」ってTELしてぇ~!!

コソ染め太郎のコソ染め日誌12

2011年07月28日 | こそ染め道場
お疲れ様です。コソ染め太郎です。

人は年月を経て変わるものです。
学生の頃は「EBMなんて…」と思っていた自分がガイドラインを覗き見て、
統計の授業が嫌いだった自分が感度得意度を気にし始め、
昔嫌いだった女優さんがなんだか好きになってきたりしています。


いいですよね、最近の広末涼子







そう、人は変わるもの。

しかし菌が変わってゆくのは大嫌い!!許せん!!
今日は菌交代のお話です。


という事で今日のコソ染めです。

誤嚥性肺炎でSBT/ABPCを1週間くらい投与されたPtです。(実際の症例に加筆修正し架空の症例となっております)



炎症は微妙に続いてましたがほとんど変わりなく、

「もういいんじゃね?」

と抗菌薬を中止したところ数日後にまた誤嚥性肺炎を起こしました。






グラム染色上、誤嚥ぽいんですが、陰性桿菌が目立ち、培養からESBL産生のE.coliが検出されたためPIPC/TAZにて加療を行いました。


治療開始後、炎症は軽度改善した後は横ばいでした。
↓治療5日目の痰です。


う~ん。効いている。
コリネばかりになってきました。これで一安心ですな。



治療10日目。炎症は相変わらず横ばい。
痰のグラム染色では少しグラム陰性桿菌が増えてきた印象。(すいません、画像なしです)
まさかPIPC/TAZ耐性してきたか?

まぁ、痰の白血球も少なくなってきましたし、臨床症状的にも肺炎は治っていると判断。
もう早めに切っちゃえとPIPC/TAZをoffしました。


これで一段落…と思っていた矢先。
また肺炎を起こしました。






うわ~、PIPC/TAZ耐性のESBL産性E.coliかよ!?


「もうカルバペネムしかねぇ!」


と敗北感に打ちひしがれていた所に前回の(PIPC/TAZ治療10日目に行った)培養の感受性結果が出てきました。
なんと…


ESBL産生E.coli!!!


もちろんPIPC/TAZは耐性進んでいます。



つまり…
前回肺炎を起こしたE.coliと今回のE.coliは別物だったんです!



それにしても、こんな菌交代もあるんだなぁと感慨にひたりつつ、感受性を見てCTMにて加療を開始しました。


しかし拭いきれないこの敗北感……
やっぱり感染症って難しいですね。