ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

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『経団連の政策評価とは何か』~6/10 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約

2014年06月10日 | ラジオ番組

『経団連の政策評価とは何か』   
           6/10 NHKラジオ 内橋克人さんのお話の要約です。  

日本経団連は財界の総本山と言われている。
その経団連の6月3日の定時総会で、新会長(第13代)に榊原 定征氏が選出された。

榊原 定征氏は、その前日の記者会見で、
政治献金斡旋の再開と、
会員企業が政治献金を行う際の指針となる”政策評価”の二つを挙げ、
『その是非についてこれから検討し、年内に結論を出す』と表明した。

経団連は我が国の大企業1300社を会員とする最強の経済団体である。
資金動員力といえば、疑いもなく国内随一と言ってよいだろう。
その巨大組織からの政治献金が再開されるかもしれない、
ということになって来たのである。

過去に経団連がやってきた、政治献金斡旋というやり方を説明しておこう。
まず、”政策評価方式”というのが何かと言えば、
経団連が、政党の政策を逐一査定してランク付け(”政策評価”)をして、
会員企業に、その結果を目安に献金を促す、というものである。

経団連の会員企業は、こうして示された”政策評価”を羅針盤にして、
自民党へなら、その資金団体である国民政治協会を介して、
あるいは他の政党にも同様のやり方で献金をする、という仕組みであった。

この方式は、
小泉政権時代の2004年に導入されて、2009年まで続けられたのであるが、

その年を最後に 、2010年以降中止されたまま現在に至って来た。

言うまでもなく、これは、2009年9月、自民党から民主党への政権交代があり、
民主党政権が誕生した翌年に中止、という経緯であった。

榊原新会長のもとで、再び『口も出すが金も出す経団連』の復活があるのかと、
今議論を呼んでいるところである。

上述したように、民主党政権下で中止となっていた”政策評価方式”であるが、
それから、3年時3カ月足らずで再び政権交代があり、
2012年末に第二次安倍政権が発足した。
これを受けて、1年後の2013年秋、つまり昨年の10月に、
経団連は4年ぶりに、再び”政策評価”を復活して発表している。

その特徴を挙げると、
まず、アベノミクスに高い評価を与えたことである。
次には、TPP交渉への参加も高く評価し、
何よりも、原発再稼働への積極姿勢を高評価する等々、
安倍政権の政策全般に高い評価を与えていることである。

併せて、今後政権が取るべき課題として、
消費税の10%引き上げ方針を堅持すること、
法人実効税率を25%前後にまで引き下げること、等が謳われている。

この昨年秋の政策評価は、
過去のように、A~Eの段階評価ではなくて、文章表現にとどめたこと、
あるいはまた、実際の政治献金人はリンクをしない形で復活させた、
というのが大きな特徴であった。

しかし、『いずれ、政治献金を促すための指針に復活するのではないか』と、
見られていた。

今、予想外に速く、その時がやって来そうな流れとなってきた。

新会長の下、経団連は先祖帰りの道を歩むのだろうか、
注意深く監視を続けなければならないところである。

経団連による政治献金は、早くも1955年(昭和39年)に始まっている。
その方法は、斡旋方式と呼ばれ,
『経団連が各企業に額を決めて割り振る』というやり方であった。
以後、それが1993年まで実に38年間も続いたのである。
細川政権の誕生で、自民党が野党に転落した時に中止になった.のである。

この時、企業からの献金をやめさせて、替わりに導入されたのが、
税金で賄われる政党交付金制度である。

それが再び、経団連の”政策評価方式”として息を吹き返したのは、
すでに話したように2004年の小泉政権下のことであった。

”政策評価”の項目は10項目30件に及んでいる。
ちなみに、政権交代前の2007年版を見ると、
自民党は、査定項目の3割以上が最高得点のA評価であった。
一方民主党は、Aは皆無でCとDばかり、といった具合であった。

このような評価に対応してなされた政治献金の額は、
自民党 29億円、対する民主党は8千万円という有様であった。

以上で明らかなように、
自民党が政権にある時は経団連の献金斡旋が行われ、
自民党が下野すると中止される。
また、自民党が政権に戻ると再開される。
両者が常に二人三脚だった、ということである。

言うまでもないことであるが、
民主主義の政治というのは、選挙権は有権者一人一票である。
生きて呼吸する一人一人の人間が、
一人一票の投票権を行使して、自らの代表を選ぶわけである。

企業・団体に投票権はない。
投票権のない法人企業が、
献金という名の金の力で、政策決定に強い影響力を発揮する。
こういう事では、言ってみれば、
この国には、『もう一つの選挙民集団が存在している』のと同じことである。

あの2009年8月30日の総選挙で示された国民の意思表示は、
こうした経団連の政治行動に対する『ノー』の叫びであった事をよもや忘れてはいまい。

経団連の新会長には、高い見識が問われる時になっている。

 
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