ジョージ・いまさきもり の アンダンテ・カンタービレ

晴れた日は農業とウォーキングとライカ、雨なら読書と料理。
そして毎日ラジオがお伴です。

丁寧な取材と論点整理が魅力の田勢さんの番組

2012年05月26日 | 社会について独り言

田勢康弘さんのBSの番組『週刊ニュース新書』のゲストとして
先週5月19日の回に、鳩山由紀夫元首相が出演されていた。

一瞬”おっ”と思った。
鳩山さんは、
民主党の外交担当最高顧問ということで、最近独断でイランを訪問した事や、
『最低でも県外に』と言い続けて挫折し、
もう二度と沖縄県民に顔向けが出来ないと思っていたのに、
復帰40週年の沖縄県に、のこのこ出掛けた事等で、
政界やマスコミ・メディアからボコボコに叩かれていた。

ましてや”民主党嫌いの田勢さんの番組”に、である。
しかし、番組が始まって直ぐに、
日本の国中に、上述の鳩山さんの悪い報道ばかりが伝えられているが、
沖縄県民の声を聞くと、
鳩山さんの評判は決して悪いことばかりではないと、
現地沖縄の雰囲気を伝えた。

沖縄県民の中には、最後は尻すぼみになってしまったけれども、
『歴代の首相で始めて、米軍基地を沖縄県外に移すと言ってくれた』
という事で、今でもとても高く評価している人々が多いとの事である。

なるほど、鳩山元首相が『海外、最低でも県外』と言われた時は
私なども、『考えてみたら全くその通りだ』と気付かされ、同感であった。
日本国民は、皆そう思ったはずである。
それが、官僚や何某らの壁があって途中で難しくなり、
結果的に頓挫したら、『大嘘つきの鳩山』とマスコミ主導で罵倒してしまった、
という事である。

田勢さんのこの番組では、
この沖縄県民の声をしっかり取材してあることを背景にして
それで鳩山元首相をスタジオに招いたようである。

そして、鳩山元首相の口から直接、
今なお評価してくれている沖縄県民へのメッセージを伝えさせ、
同時に、マスコミや一般国民から投げかけられている
厳しい批判や不信についても、ズバッと鋭く質問して、
それに対する、鳩山元首相の積年の憂いや、秘めた胸の思いを喋らせている。

私はこの番組を見終えて、
『田勢さんが鳩山さんの政治生命を伸ばした』とつくづく思った。
きちんとした取材と、的を得た質問で構成された35分の番組が、
一人の有能な政治家を生き返らせたと思った。

この番組のように、きちんとした取材の下で作られ、
心に染み入る番組がある一方、
雑な取材でがっかりする番組もある。

同じテレビ東京系列の『ガイアの夜明け~新東名でチャンスをつかめ』は、
私の地元近くの話であったが、
多分、筋書き作りが多くて、雑な取材しかしていないと思われた。
              (この続きは後日書きます)

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『シンガポールの日本企業』 遠藤 功さん

2012年05月17日 | ラジオ番組

5月17日 『シンガポールの日本企業』
       
 遠藤 功さんのお話の要約です 
 

シンガポール経済が絶好調である。
日本からも数多くの企業が進出している。
この数年に目立って増えているのが飲食業で、
日本でお馴染みのチェーン店も進出している。 

そして、M&A等の企業買収による進出も増えてきている。

従前は、自社ブランドを引っ提げて自前で海外に進出するというのが
日本企業の特徴であったが、
最近は、
すでに基盤のあるローカルの会社を買収して進出するというのが増えている。

今朝は、サントリーが買収したセレボスパシフィック社について述べたい。

この会社はアジア地域で健康食品やコーヒーなどを製造・販売している。
この会社は食品事業を『ブランズ(BLANDS)』の名称で展開していて、
そのうち、『チキンエッセンス」はアジアでは大変よく知られた健康飲料である。 

この商品には、どこにもサントリーという名前が書かれていない。
この会社を買収した後も、ブランド名や包装などを全く変えていない。
地元の人たちが慣れ親しんだ物に、あえて手をつけずにそのまま生かしている。 

それにも関らず、ここ数年売り上げが倍増しているという話である。
そこには、サントリーの研究開発陣の力が働いている。

チキンエッセンスは100年以上前から”体に良い”と信じられていたのであるが、
それをサントリーの研究者たちが丹念に解析して
裏付けとなるデータなどもとって
その効能を科学的に実証した。
そうしたデータや効能を、宣伝や販売促進でアピールしたことが
この商品の売り上げを大きく飛躍させたきっかけとなっている。 

これまでの日本企業の海外展開をみると、
日本製とか日本ブランドを前面に押し出して勝負してきた感が強い。 

しかしながらこのケースのように、
日本流のやり方を押し付けるのではなくて、M&Aを生かしながら、
買収した企業の商品力やブランドを最大限に生かしていくというやり方も
大いに考えていくべきだろうと思う。

 買収した企業のローカルの良いところを生かしながら、
そこに日本企業が持つ高い技術力や研究開発力を
『隠し味』としてうまく組み合わせていくような、
いわば『融合型ビジネス』のやり方を日本企業も確立していく必要があるなと思う。 

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5/9 末席役人がこの頃思うこと。

2012年05月09日 | 良心に恥じない意見

このところ、痛ましい交通事故が相次いで起きた。

京都の亀岡市では、新学期開始からほどない4月18日に
無職の少年(18歳)の運転する軽乗用車が、
集団登校の小学生10人の列に飛び込んで、
2人の死者と多数の負傷者を出してしまった。

その少し前、4月12日には、
てんかんの病歴のある青年が、京都の祇園で軽乗用車を暴走させ、
本人の他7人の死者を出す大事故が起きている。

そして、連休中の4月29日には、群馬県の関越自動車道で、
いわゆる格安長距離バスが居眠り運転で事故を起こし、
7人の死者の他36人全員が重軽傷を負った。

『ああ、またか』と、全くやりきれない思いである。

1年前にも同じような事故が起きている。
昨年4月には、栃木県でクレーン車が小学生の列に飛び込んで死者6人を出したが、
これは、今回の事故と同じくてんかんの病歴のある青年が、病気を隠して運転していた。

また少し前になるが、2007年には、夜行のスキーバスが吹田市で事故を起こし、
車掌業務をしていた16歳の少年が死亡、負傷者も出した。
この時には、いわゆる規制緩和で、雨後の筍のように増えた貸切バス事業者の
安全輸送に関して多いに注目を浴びた。
結局は何も変わらなかったようで、今回の事故の惹起につながっているようである。

大きな事故や災害があると、直ぐに、役所やメディアの厳しい検証が行われる。
しかし、それは、その直後に関係向きに緊張感を与えるだけのようで、
ほとんど、時が経つにつれて、薄れて、再発予防の対策としては役に立っていない。

役所もメディアも、同じ事故や災害を再発させてはならいと強い気持ちであろうが、
それが、芯に浸透して行かず、また世間の注視も緩やかになって行ってしまう。

てんかんの少年とその家族、そしてバス会社の社長、
共に、以前の事故を知った時には、
『俺は、ああいう事を絶対やってはいけない』と誓っていただろう。
それなのに、時間が経って、『ああ、やってしまった!』という結末なのだろう。

てんかんの少年には、ふさわしい仕事がなぜ与えられていなかったのだろうか?
これほど、会社ぐるみで安全を軽視して人命を奪う経営がなぜ許されるのだろうか?

江戸時代なら、世直しの名人”水戸黄門”がなんとかしてくれただろう。
今は、役所もメディアも当てにならない。
それなら、私達”おとな”が立ち上がるしかない。

てんかんの病歴のある人が、
車を運転しなくても務まる仕事に従事できる仕組みが絶対必要である。
そういう手間は、病気の痛みをよく知る年寄りが率先して担おう。

貸切バス事業など規制緩和で届出制になった事業には、
暇の多い私達を、無償でいいから審査団体に組織し、
役所や専門家に混じって審査マニュアルを作り、
実際の審査に当たらせたらどうだろう。

今の年寄りは、旅行やグルメなどのプチ成金の真似ばかりで、
村や町の長老としての言動と言うか、振る舞いがない。

年をとれば『年金は当然もらえる』という仕組みがあり、
病気になっても、なんとか助けてもらえる、ということで、
現役世代よりも楽して暮らせるとだけ思っている風潮がある。
全く甘えの甘ちゃんに乗っかって、呆けているように思われる。

『現役世代が張り切って働ける環境を整備してあげること』
こそ、年寄りに課せられた本領である。
その本領を発揮してこそ、世代の連携ができて、
年寄りを敬い手助けする気持ちが若い世代に起きて来るのだと思う。

この4月から、役人の末席を汚すようになって、一月が経った。
余分なことを言ってはいけない、というのは、私の思惑違いであった。
必要な発言はしなければいけないし、多くの人の意見も拝聴したいと願っている。


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『顧客の喜びが我が社の喜び』   黒瀬直宏 さん

2012年05月03日 | ラジオ番組

5月3日 『顧客の喜びが我が社の喜び』 
          黒瀬直宏  さんのお話の要約です

人々の本当の暮らしのニーズに対応して、忠実に事業を行っている企業は
今のこの不景気の時代にあっても着実に発展している。

そういう企業の一つとして、黒瀬さんは
香川県さぬき市で、リハビリ靴・介護靴を製造している徳武産業(株)を紹介された。
(同社ウェブサイト)
http://www.tokutake.co.jp/company/

創業は1957年で、大手靴メーカーの下請けをしていたが、
なんとか自社ブランドを立ち上げたいと模索していた。

そこへ、老人ホームを運営する知人から、
『高齢者が転ばない靴を作って欲しい』と頼まれた。
『筋肉が衰えたり、両足のサイズが違ってきたりしてきた老人に
キチンとフィットする靴を製造して欲しい』ということである。

同社は、このニーズをしっかり受け止めると同時に
ビジネスを超えた使命感を感じて、技術者を招き、開発に着手した。

そして、1995年に『ケアシューズ』の発売にこぎ着けた。
左右のサイズ違いとか、片足分の販売、つまずきを無くす工夫など、
高齢者のニーズを多いに取り入れた物となった。

販売に当たっては、高齢者施設に電話で直接呼びかける方法をとり、
カタログ+5足のサンプルを送った。

この宣伝方法に、全国の施設が思いのほか反応をしてくれ、
また、
このサンプルを使用してくれた人が、宣伝をしてくれて、
次々に注文が入るようになった。

『最初の顧客を味方にする』ことは、
中小企業のマーケティングの鉄則であるということを

この企業が明確に物語っている。

同社は、その後、左足だけ靴底を低くして欲しい、右足だけ横幅を広げて欲しい、
といった特殊なニーズに対して、
2001年にはパーツオーダーシステムをスタートさせた。

これは、『靴のパーツをパターン化し、
自分にフィットするパーツをそれぞれ選べるようにした』、

言わば、マイシューズをオーダーメイドで作れるシステムである。

同社のホームページには、顧客からの感謝のメッセージが載せられている。
年に2万通返送されるアンケート葉書には、
感謝の言葉や意見がぎっしり書き込まれているそうである。

『顧客の喜びは我が社の喜び』という姿勢に徹する企業には、
好況も不況も無い。

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