好曲好盤探訪

名曲か、名盤か、というより、個人的好みで好きな曲の好きな演奏との出会いを求めてボチボチと。同じような方の参考になれば

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 デイヴィス/BBC響

2017-02-07 21:35:12 | ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
ベートーヴェン 
交響曲第5番「運命」 

指揮…デイヴィス
演奏…BBC響
好み度…5(5点満点)

若きデイヴィスの熱さだろうか。少し古風ですらある展開と響きの中に、熱さと覇気と感情の起伏が降り込められた生気に満ちた響きである。
この演奏には丁寧でしっとりした厚みと繊細さのデイヴィスは感じない。弦も金管も内声も力強く一体となって厚く雄弁に鳴ったエネルギー感と開放感に満ちた響きである。
運命の演奏いろいろあれど、やはり運命はこれくらいのエネルギーと感情の起伏がある演奏が好きだ。テンポは基本的にオーソドックスで、珍しく第1楽章の反復がない。
要所では音を切らずにつないで弾く処理も関係してか、おおらかさも併せもって、熱い力に満ちた爽快な運命、名盤でしょう。

ブラームス 交響曲第1番 小澤/サイトウキネンオーケストラ

2017-02-07 21:28:31 | ブラームス 交響曲第1番
ブラームス 
交響曲第1番 

指揮…小澤
演奏…サイトウキネンオーケストラ
好み度…4(5点満点)

1990年のほう。派手な演奏ではないが、例えば同じ小澤のボストンとの演奏と比べると、推進力や力感は少しトーンを落とすが、代わりにブラームスらしいよい意味でのくすみというか深みというか、特に分厚い音というわけでもないのだけれど、込められた情感とか、そういったものが加わったような感がある。テンポもボストンに比べると少しゆっくりである。
少しだけこもった印象も受ける録音ながら、乱れぬ展開やバランスのとれたアンサンブルは小澤あるいはこのコンビらしいが、同じブラームスの2番や4番などと比べると少し重みと情を感じるのは、小澤自身のこの曲への思い入れからだろうか。
両端楽章では派手さはないがラストは結構劇的でもあり、終楽章の例の主題は情感を感じて感慨深い。第2楽章は深みや美しさといった点で、このコンビにしてはややもの足りない印象も受ける。
総じてやや地味ながら、腰をすえたしっかりした演奏の中に、この演奏にしかない気迫や情が感じられる盤と思う。

チャイコフスキー 交響曲第4番 アシュケナージ/ロイヤルフィル

2017-02-07 21:22:53 | チャイコフスキー 交響曲第4番
チャイコフスキー 
交響曲第4番 

指揮…アシュケナージ
演奏…ロイヤルフィル
好み度…3.5(5点満点)

26年ぶりの母国モスクワでの凱旋ライブ。
だったけど、アシュケナージは特に熱くなかった。
録音の関係もあるのか、全体的に張りとか勢いあるいは艶がない。この演奏にしかない雰囲気も特にない。
特に第1楽章はくすんだ感じのまま、特に面白みのないまま終わってしまう印象。
終楽章なんかも音は大きいのだけれど、この終楽章特有のお祭り的明るさだったり熱さだったり、というものが感じられない。
全体的に弦がちょっと遠かったりあるいはくすんだ感じだからかな。アシュケナージならフィルハーモニア管との盤を推す。