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東京東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判控訴審第1回報告

2017年07月10日 17時24分10秒 | 東京メトロ売店

写真=控訴審第1回口頭弁論を前に裁判所前でアピールするメトロコマース支部組合員

動画・メトロコマース支部第一回控訴審高裁前アピール 

東京高裁は実質審理を尽くし非正規差別をなくす正義の判決を出せ!
~東京東部労組メトロコマース支部 非正規差別なくせ裁判控訴審第1回報告~

東京メトロ駅売店の非正規労働者でつくる全国一般東京東部労組メトロコマース支部が正社員との賃金差別をなくすために起こした裁判の控訴審第1回口頭弁論が7月10日、東京高裁で開かれ、原告組合員を代表して後呂良子委員長が意見陳述に立ち、非正規差別をなくす正義の判決を出すよう法廷で訴えました。

後呂委員長の意見陳述は以下のとおり。

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一審判決は、何ひとつ納得できるものではありませんでした。川神裁判長、松田裁判官、森裁判官に切に聞いてほしいこと、想像してほしいことがあります。

会社が平成8年にそれまでの「女子職員」募集をやめて、これからは正社員の仕事を契約社員にやらせようと、契約社員を導入(募集)してから20年が経っています。

未だに、うちの会社にはタイムカードがありません。団体交渉でタイムカードの導入を求めても「必要がない」と却下されました。毎月、売店に各個人に配られてくる出勤簿(一枚の紙)に毎日、印鑑を押しています。

私たち契約社員Bの販売員は開店時間の、遅くても30分前には出勤して新聞・雑誌などの検品・納品作業をやってきました。私は雑誌の種類が多い売店勤務でしたので、1時間前には出勤して働いていました。

私たちが組合を立ち上げて30分間を開店準備時間として会社に認めさせるまで、平成8年から平成21年までの約14年間、販売員は皆、開店30分前には出勤して開店時間まで無給で働いてきました。その間、会社はずっと見て見ぬふりでした。

そして会社は、平成29年、今年の3月31日をもって私たちが働いてきた直営売店をすべてなくして、コンビニ型のローソンメトロスとして27店舗と、新聞・雑誌・タバコを取り扱わない土産物店5店舗に、切り替えて営業しています。

私は、この1年の間に昨年5月までは直営売店の茗荷谷店、昨年の10月までは直営売店の豊洲店、今年の3月までは直営売店の渋谷ホーム店、今年の4月までは直営売店の表参道みやげ店、そして今年5月からは永田町東ホームみやげ店に勤務しています。今までの直営店では、雨の日も風の日も雪の日も始発電車に乗り、この10年間、一日も遅刻することなく店を開けてきましたが、もうその売店はありません。会社は今までの売店をなくすことによって、20年間、私たち契約社員Bを差別し続けた実態までも、なかったことにしようとしています。今回、DVDを証拠として提出しましたのは、その中に私たちの働いてきた実態が写っているからです。

私たち契約社員Bの販売員が雇い止めを恐れながら、65歳まで契約更新を繰り返し、正社員と同じ売店でずっとずっと長い間、ガマンして働き続けてきた実態、差別され続けてきた積年の思いを、裁判長・裁判官の皆さんに知ってもらいたい、想像してもらいたいのです。おかしいことをおかしいと言える社会であってほしいです。

全国に2000万人いる非正規の労働者は疲れ切って声をあげることもできません。こんな世の中に歯止めをかけてください。おかしいことをおかしいと判決してください。私たちは小さい時から裁判所は正義の味方だと思ってきました。だからお金も時間もないのに借金をして命がけで提訴しました。裁判所の判決は社会を変えることができます。

裁判長・裁判官の皆さんの心ある判決を私たちは期待しています。不可能を可能にする、正義ある判決をお願い致します。

私たち非正規労働者の実態に真摯に向き合って判決してください。

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最後の「私たち非正規労働者の実態に真摯に向き合って判決してください」と後呂委員長が声を上げると、他の3人の原告(瀬沼さん、加納さん、疋田さん)も一緒に立ち上がりました。

法廷では組合側弁護団を代表して滝沢弁護士も意見陳述に立ち、今年3月に下された東京地裁の一審判決がいかに事実を見誤り、客観的・具体的な実態に反しているかを指摘し、東京高裁では十分審査するよう求めました。

控訴審は1回で結審するというパターンもありますが、東京地裁が非正規労働者の比較対象となる正社員を売店業務以外の正社員全体に設定するなど重大な事実誤認・法律解釈の誤りを犯しているため、正しい判決を得るためには東京高裁での実質的な審理が欠かせません。

そのため組合側は文書提出命令申立書や新たな証人申請などを出しました。これらの取り扱いに注目が集まりましたが、裁判長は今回で結審ではなく、さらに審理を続けるため、次回期日(第2回口頭弁論)を10月16日(月)午前10時30分に東京高裁812号法廷で行うことを決めました。

この日、同支部は開廷前の午前8時30分から約70人の支援者とともに裁判所正門前でのアピール行動を実施しました。

法廷後も裁判所正門前で報告集会を開き、原告団・弁護団が地裁判決を葬り去る決意を表明。「裁判所は非正規差別をなくせ!」のシュプレヒコールを全体でくり返しました。

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