虚構の世界~昭和42年生まれの男の思い~

昭和42年生まれの男から見た人生の様々な交差点を綴っていきます

釧路の街で~黄昏のモノローグ~「妻からのメール」

2018-02-23 07:15:06 | 小説
*このお話はフィクションです。

 昨日の夜、妻からメールが来た。

 週末、網走の親戚のところに行ってきますということだった。


 一瞬、また行くのかとイラっとして、嫌味のメールでも返信しようかとも思った。

 「行くならご飯用意しとけ」「家の掃除きちんとやってから出かけろ」

 という文言も浮かんだが、そんなことのアホらしさに気付いてやめた。

 自分も相手も嫌な思いをさせる言動はいけない。



 仕事ばかりしていると、ついつい家族にはイライラをぶつけてしまうことがよくある。

 しかし、そんな男は人の上に立つ資格はない。


 「気を付けて行ってきてください。こちらは大丈夫です」

 そんなメールを今、返信した。


 少しだけ気持ちがほっとした。

 今日も一日が始まる。

2 コメント

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家庭と職場 (あやか)
2018-02-24 20:17:53
この『部長さん』は、奥様に対して、忍耐と包容力を持って接しておられること、ほんとに素晴らしいことだとおもいます。ご夫婦のあいだの信頼関係と円満な生活ほどたいせつなことは、ありません。
 よく、昔からの問題提起で、『【家庭】と【仕事】と、どちらがたいせつか?』という質問があります。
(この、質問は、学校でのクラス討論会でも議論されますし、あるいは、会社の面接でも、時には意見を求められるかもしれません。)
 しかし、この質問は、ナンセンスです。【家庭】も【仕事】もたいせつです!、というよりも、家庭も職場も同じ人間関係の法則で働く一体のものです。
 自営業(個人商店や開業医)の場合は、マイホーム・イコール・職場ですし、通勤しているサラリーマンや公務員でも、家庭と職場の生活は連動しています。
 仕事で本当に成功している人は、家庭でも円満な暮らしをしています。奥様の気持ちを配慮している人は、会社の同僚の立場をも配慮できる人ですし、自分の子供さんを可愛いがってる人は、会社の部下の青年社員も可愛いがってるでしょう。
会社も家庭も、どちらも、人間関係の集団であり、人間関係維持の同じ原則から運営されています。
 よく、『俺は仕事が第一だから、女房のゴタゴタいう御託なんかにかまっていられない』という人がいますが、私は、そういう言い方をする人は、あまり信用しないことにしています。
 理由は、前述した趣旨のとおりです。
あやかさんへ (虚構の世界)
2018-02-26 17:42:25
 あやかさんの優しさに溢れた知的なコメントにいつも力をいただいております。フィクションとノンフィクションを半分ぐらいずつに自由に書き綴ることで自分を見つめ直す機会にしております。

「仕事で本当に成功している人は、家庭でも円満な暮らしをしています」

 本当にその通りです。私のお世話になった尊敬する方から「女房を幸せにできない男が社員やその家族を幸せに導けるわけがない」と教えられました。

 

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