関東地方の桜の開花宣言がニュースで報じられた翌日、リュックを背負って秩父へ出かけました。
都心と違い、桜はつぼみがやっと色づき始めた頃で、遅咲きの梅が満開を通り越し、風に吹かれてはらはらと散り始めていました。そしてその根元では、これも伸びきったふきのとうが、辺り一面に顔を出していました。
痛々しいほど岩肌を削り取られ、無残な山容で佇む名峰武甲山、それに連なる山々に守られているかのように秩父の里はひっそりと、しかし存在感のあるたたずまいを見せていました。
山に囲まれ、川が流れ、段々畑のふもとに家々が点在し、そこにつながる広い庭。
そこには、スミレたんぽぽはもちろん、色々な草花が所狭しと競い合うように咲き乱れ、畑を耕すお父さん、庭で草取りにいそしむおばあちゃんも含めて、その全てが自然と人との調和のとれた素晴らしい里山風景でした。