萌黄の鳥

短歌を通しての交流

「嵐電」に誘われて

2012-07-01 14:55:43 | Weblog
 

  
              天竜寺の裏庭


「明日から暑くなる」とのお隣さん情報の一時間後に「風電」に乗っていた。
夏は大好きだったがこのところ心臓疾患指摘されているので、涼しいうちにと
決心。NHK「嵐電慕情」の特集に魅せられて嵐電は乗ってみたいと思って
いたのだ、、。
何年か前、金閣寺から「絹かけの道」を歩いた折、仁和寺から嵐山まで乗った
ことはあるが全線は初めてである。
四条大宮の壬生寺界隈を降りて見たかったが又の機会とする。
西院はかつて歌人協会の会合でよく通った町、とにかくこの線は住宅街を
すれすれに抜ける庶民の足って言う感じだ。車折神社あたりから景勝地、嵐山に
近づいたなあと実感。
嵐山まで来たついでだから天竜寺へ寄る。さくらの季節には超混雑するが苔むした
緑陰の季節は人影まばら、、。ほんとに京都らしくしっとりとしていいなあと思う。
竹、もみじの中、池のほとりの半夏生が印象的だった。
「吉兆」のご主人のお薦め通りの心洗われるひとときだった。



嵐山本線

四条大宮→西院→山之内→天神川→蚕の社→太秦広隆寺
→帷子の辻→有栖川→車折神社→鹿王院→風電嵯峨→嵐山
 
帰りは帷子(かたびら)の駅で乗り替えて北の白梅町へ 
鉄道の沿線に桜のトンネルがつづくというのはこちらの線だったのだ。
春さくらの季節に見てみたいものだ。
この線は地名を聞いただけで有名な寺院が思い浮かぶ。本線が京のさまざまな
時代が折り重なった庶民の顔なら、こちらは歴史と一体感のある静かな一角と
いったところか、、。

北野線
帷子の辻→常盤→鳴滝→宇多野→御室仁和寺→龍安寺→等寺院→北野白梅町


白梅町より北の天満宮へ、、。まず天満宮の東にある室町時代からこの地にある
上七軒の花街を散策。「西陣の結びつきで花街としての繁栄を極めた」と
あるが今はひっそりとした中に凛としたたたずまいを見せる一角であった。
そのあと天満宮の地つづきの洪水よけに秀吉が作ったという御土居(ごどい)へ
ここも桜の季節の穴場という話だった。

この日は、京の西の界隈の気になっていた場所をざっとひとまわりしてきた。
今は頭の中がすっきりとしたいい気分である。

 
  パンタグラフ駅のホームに影曳きて顔面ひとつ切り取りて過ぐ
    
   
  
  線路わき古き町屋の風鈴を鳴らして過ぎる一両電車

  嵐電に駆け込みきたる青年は白昼すぐに眠りに落ちたり 

   乗り換えの駅西院の階段をいづこからともなく風の抜け来る

  「水無月」というを食べねば六月は去らぬとう和菓子屋の店主

  電車添いのベランダにふわりTシャツが揺れ町屋の日常みえかくれ




          ありさ・佐々木則子




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