萌黄の鳥

短歌を通しての交流

´´新宿高層ビルからの新年´´

2012-01-09 10:17:50 | Weblog
  
  新宿三井ビル54階からの夜景   

 新年明けましておめでとうございます。

1月6日久しぶりに東京鮎支社の新年会に出席させていただいた。
「水甕」春日真木子委員長の歌集『百日目』を祝う会とイタリア語訳の
『弥勒のうなじ』出版祝賀会が同時におこなわれるなんて知らず、晴れがましい
会への出席となった。

この日はどこへも立ち寄らないで会場となる新宿三井クラブ54階へ直行。
新幹線では雲をかぶっていた富士山がここでは中央にくっきり見える。
筑波山・赤城山も見えたのだがブログ用に小さくしたので写真の迫力がいまいち
伝わらない。半減いや、九割減となりお送り戴いたカメラマンのSさんには大変
申しわけない気持ちでいっぱいだ。

『弥勒のうなじ』とは実にいいタイトルだと思う。私は仏の中で弥勒菩薩が一番
好きだ。さとりをひらいていない未熟なもの、すべての人を救う仏だからである。
特に歌集に使われている写真、広隆寺の弥勒菩薩は繊細で魅力的。
何十年も前の話であるがその仏に魅せられ京大生がほほずりせんとして仏の指を
壊したといういきさつのある仏。その弥勒にうなじが加えられさらに音楽的な
やわらかい響きが感じられる。

この日この歌集誕生の橋渡しとなった日伊文化交流で
ご活躍の松本康子氏にもお目にかかれてよかった。注文しているがまだ
届いてないので毎日新聞、文芸ジャーナリスト、酒井佐忠氏の選ばれた
歌と言葉をお届けする。

  歌集『弥勒のうなじ』より

 言葉なく枯れゆくものらうつくしも冬木の脚にひかり差しゐる

 こゑにならぬ言葉のあまたわが胸に移りて九月萩こぼれいづ

 行き死の紙一重問ふ傍らに椿ひつたり葉を閉ぢてをり

 地震 津波 底ひ揺れつつ小さなるこの国土の傷つきやすし


アンソロジーは第一歌集『北国断片』から『はじめに光ありき』
『生れ生れ』などを経て『燃える水』までの歌集から約200首を収録した。
選んだのは日伊文化交流に活躍する音楽家、松本康子さん、翻訳は松本さんと
イタリアの優れた文芸評論家パオロ・ラガッツイさんが当たった。
  
イタリア語と日本語で横書きの五行詩として表現された春日さんの短歌に目
を通すと、31文字の定型からあふれ出るような詩的言語の燈明さが際立って
見えてくる。


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暖かく迎えてくださった鮎支社のみなさまに感謝申しあげます。
方向音痴のアリサを駅までお送りくださったAさん有難うございました。

 メモ書きはみんな伝えた筈なのに言い残せし言葉きらめく新宿
                      /アリサ



       アリサ・ささきのりこ




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