園芸ケアの模索~based on Horticultural Therapy~2nd season

ひとと緑のコラボレーション 園芸療法。ひととコミュニケートするツールとしての園芸のかたちを模索中です。

園芸のじかん -2

2008-12-20 00:06:07 | 実践記録2008年
 午後2時、上着を着けて日当たりの良い庭へ出ました。
 三週間程前に種をまいたカブとほうれん草が発芽したので、間引きをします。
 一方、チューリップの球根も小指の先ほどに芽を出したものがひとつだけあったので、車椅子の方々に交代で水やりをしてもらいました。
 そのあと、次々と開花するパンジーなどを摘んで屋内に戻り、押し花をします。
今日の収穫…
☆最重度の方を除く8名の皆さんが外に出たこと!
☆☆押し花作りの最後に、参加者がそれぞれに自分のラベル書きをしたこと!
☆☆☆Siさんが、チューリップの芽を見て、控えめながらも感激した表情をしたこと!

 この日の活動の起案を出した際、上司の上司が「園芸園芸って‥(そんなにいい?)」的な見方が感じられました。
 実は前回の活動データについて、統計処理に挑戦しているところですが、ある条件の下で、一つだけ有意差が出ています。
 効果の見方は、色々あっても、数字で示されたものを求める人がやはり多い気がします。世間に受け入れてもらうには実証していく必要がありますが、数字だけでは評価しきれない部分ってありますよね。数字だけでなく、そこも理解できる人との出会いが、この分野では大切だと感じています。

〔写真は発芽したほうれん草のプランター〕

田んぼの力を知りました

2008-12-06 17:00:23 | 触発される出来事や出会い
今日は、学内で一般にも案内されている、オムニバス公開授業に行ってきました。
鹿児島で有機農法を実践している橋口孝久氏の、「食農教育と有機農業」についての講義。拠点はなんと職場に近い川上町のようです。
以前、家族社会学の中で取り上げられた「命の授業」を、合鴨農法の合鴨を使って、身近で行っていた様子も紹介され、感激しました。

鹿児島の伝統野菜の掘り起こしもされています。吉野人参、伊敷長なす、開聞岳大根など、昭和20年頃まで栽培されていた野菜類だそうです。

食物連鎖、温暖化、食農教育…いくつものつながりが見られた話のなかで、
“地力をつける”というキーワードがひとつの収穫でした。
本来は、「田んぼを作る(稲を作るのではなく)のが我々有機農業者の役割。」と言われるように、肥料や農薬を使わず、かつ、米の収量を上げるためにしなければならないこと、の意味です。
けれど、「ほかのことにも言えると思いますが。」と講師が示唆するように、
人間力の地盤を培うというか、本物を知り、どんな信念を持って自分の目標に向かって進むか、ということを言っているように、私には聞けました。

もうひとつは、自分たちが先駆者の自負を持って(行政の先導がない現状で)、経済的に困難な面はあるが、楽しんでやっているという姿勢が、失礼ながら、頼もしい!と思いました。また、ゼロから独学と有志の勉強会で学び、方法を確立してきたと言われるように、“仲間がいる”ことも大切な要素なんだろうと感じました。

農園芸の技術が未熟な私としては、できれば有機的な方法で植物を育てる方法も知っていきたいと常々考えていたので、いつか門を叩ければいいなとも思いました。

〔写真の花は、野ぼたんが一般的ですが
‘紫紺の牡丹’という素敵な呼び名もあります〕