園芸ケアの模索~based on Horticultural Therapy~2nd season

ひとと緑のコラボレーション 園芸療法。ひととコミュニケートするツールとしての園芸のかたちを模索中です。

おいしいところ

2009-12-05 22:54:46 | 活動のひとこま
ここのところ、すっかりご無沙汰でした。
久しぶりに土に触れました。

今年の出来は、まぁこんなものかな。
味はいいんです!
試し採りして、干しておいたお芋を、蒸かしておやつにいただきました。

寒暖の差が大きくなってから、ようやくくぬぎの落葉が始まり、
畑にも積っていました。

落ち葉を集めて、腐葉土にしていこうと考えています。
ダンボール・コンポストも、始めていきたいのだが…

机の上から整理していかないと、頭の整理がつきませんな~

ひとまず、実習記録の提出と、レポートが一つ片付いたので、
こうして書いています。

次回はボランティアの募集広告にしようかな?
なんて思い付きだけど、本気です。
来年は、形式を改めて活動することになっています。

ちなみに、‘おいしい’さつま芋は毎年恒例です。

気になる方はぜひコメントお寄せくださいませ。


[Yさん、手際良く蔓外し]

またひとくぎり、の秋に。

2009-09-30 23:24:58 | 活動のひとこま
9月も終わるのに蒸し暑い、曇天の一日でした。

春から初夏の収穫をめざして、スナップえんどうの種を播きました。

これまでやってみたいと思いながら、種まきの時期を逃していた豆類の栽培です。
地植えが理想ですが、なにせ何カ月もかかるので、一定の場所を占領されることを考えて、
サラダプランター3つ、という控えめな取り組みに。

定番の赤玉土+腐葉土を、かさ増しの培用土と併用。
元肥はバットグアノという有機肥料を少々。

種は7~8㎜の粒で、ピンクに着色してあり、高齢者にも扱いやすくてよかったです。

今日のようなほどほどに大掛かりな作業には、機動性の高い方たちが頼りになります。

土を混ぜる、プランターに軽石や土を入れる、水で湿らせる、
間隔を測って播く場所を決め、3粒づつ2~3㎝の深さに種を置き、土をかぶせる、水やり、
そしてラベルに日付・種の種類・自分の名前を書き込む。

もし、これらすべてを出来なくても、1つどこかで参加できれば良いのが、園芸の懐の深さですね。
(今日は3名の参加で、ほぼ全工程をそれぞれが担当したプランターでこなしました)
だから、療法にもなるのです。

うつの傾向がある、そのうちのおひとりは、昨年活動に参加してもらうようになってから随分変化しました。
車いすで移動していたのが杖と介助で歩行することも可能になり、促せば立ったまま作業することもあります。
プログラムによって好き嫌いはあるものの、植物の成長や、水をあげれば元気を取り戻すというような観察を繰り返し、
また、執着の強い食べることにつながる野菜の収穫などで楽しみを持つこともできたせいか、
参加する回数も多く作業に馴れた様子もみられます。

種まきを終えたプランターをどこに置こうかと思案して声をかけ、
発芽までは見えやすい所がいいかなと投げかけると、「うん」と肯きました。
ちょっと頑張って種を播いておけばね、楽しみができるけど、種を播かなきゃね…
と話しを続けたところ、
「無いもんね。」と応じて、時々見せる控えめな笑みをうかべました。

なんだかうれしくなった、ひと言でした。

収穫の秋

2009-09-23 10:35:31 | 活動のひとこま
嘱託のHさんが、勝手に(?!)裏の畑で初夏に植え付けていた落花生。
「採っていいよ。」と気前良いので、遠慮なく収穫に向かいました。

80㎝くらいに伸びた葉茎はまだ張りがあるけれど、
(茶色く枯れるくらいまで待ってもいいようですが)
土の中からは実の詰まった落花生が根っこにぞろぞろ付いてきました。

とはいっても、地上の葉の量と比べれば、地下の実りはわずか、なんですね。

「(買えば)高いのがわかるー。」
「へぇー、(芋のように)下に生るんだ。」
実をはずしている利用者さんをのぞき込んで、スタッフのほうが感嘆。

午前中に収穫し、昼食中にゆっくり茹でて、3時のお茶うけにします。

鹿児島でも大隅地方のほうで、こうした採れたての塩ゆでピーナツは多いようです。
(たくさん採れたときに一度に茹でて冷凍してあり、それをお土産にいただくことがあります。)

この日は、続けてパンジーと葉ボタンの鉢上げもしました。
こちらはちょっと成長がおぼつかなくてお見せしにくいのですが

ともかく、実りの季節は楽しみが多いもの。
寒くなるまでのいっときでも、秋の日差しのなかで活動ができれば、と思っています。

種を採る

2009-09-17 17:27:06 | 活動のひとこま
昼間はまだ30℃を超える鹿児島も、朝夕涼しくなりました。

花壇もプランターも、盛夏のなごりだけが目につくような有り様です。。。

ひとまず、来年のために種を採っておかねばと、朝顔、ひまわりの採種をしました。

aさんは大輪のひまわりから、几帳面に一列づつ種をはずしていきます。
あまりにも数が多くて「つかれた。」というつぶやきも…封筒に100個数えて入れてもらいます。

bさんは指を傷めていましたが、自分から寄って来られたので、実家の母が提供してくれたフウセンカズラの種を、しぼんだ風船状の袋から出してもらいました。
カズラに3~4㎝ほどの風船がなる様子を説明すると、興味を惹いたようです。

cさんにはまずスロープで朝顔のタネを鋏で切り取ってもらい、それを殻と種に分けてもらいました。
さらに黒い種と白っぽい種にわけ、封筒にメモしてもらいます。

dさんはスタッフがついてひまわりに取り組んでみましたが、一つ二つとって、三つ目は口に入れようとしてしまうので、長続きできないようでした。

Yさん(写真)は小輪のひまわりに取り組みました。
説明しながら触ってもらい、まず枯れた花の形状を確かめてもらいます。
それから種が外れる様子を指先で感じてもらうと、あとはひとりで作業しました。
気がつくと、出した種をひと掴みづつ手のくぼみにのせては、ふーっと息を吹きかけています。
枯れた花殻などの細かい異物を取り除こうとしていたのです。
そのこまやかな気配りには脱帽でした。

こうして、9名のうち5名の方が今回は参加。
メンバーはその日の調子で変わりますが、aさんcさんはレギュラー格です。
Yさんは眼が不自由ながら、身についた記憶が自然と手仕事に現れて、すばらしい集中力を発揮します。

それぞれに出来るところを探ってきた“園芸のじかん”。
この秋は、さらなる発展を目指して構想中です。

隣の棟から伸びてきたへちまで…

2009-09-02 22:52:26 | 活動のひとこま
できましたー
へちまからたわしが姿を現した瞬間。いかがですか?

検索と比較検討の結果、1時間でできる作り方を採用。
鍋に入る大きさに切り分け、30分位煮て、水にとって冷ましたあと、手だけで皮がつるりと剥けました。
種を出すのに少し手間がかかりました。

長さ55㎝、最大径39㎝のへちまを、3名の入居者さんが手分けしてひと通り作業しました。
写真のHさんは、普段歩行器か杖以外では立ったまま何かすることはほとんどありません。
(トイレやお風呂での必要最小限のこと以外は)
今日は関心が深かったようで、手元に持っていくとすぐに覗き込み、
「やりやすいかも」という声かけに躊躇なく立ちあがって取り組み始めました。

手伝ったスタッフや、訪問中だったナースさんたちも珍しそうにたわしが出来ていく様子を見て、感動していました。

こういった今はなじみの薄い手仕事は、若い世代には新鮮に映り、高齢の世代の皆さんには“昔よくやった当たり前のこと”の再現として、ちょっとした懐かしさと楽しみを感じる作業のようです。

やはり、こうした療法活動が参加する皆に意義あるものとなるには、「苦痛」より「楽しさ」「喜び」「感動」、そしてあまり突飛でない素材やアイデアを用いることかな?と再確認しています。