川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

『ラディカリズムの果てに』

2006年11月22日 | 
仲正昌樹。

■ 倉田真由美批判

「倉田真由美はマスコミでそれらしいコメントを
 求められたら,何か人生の真実が分かっている
 風なものの言い方をして,ラディカルな女の
 生き方を語るキャラを演じているふしがある。

 駄目な男を好きになりながら生きていく女性の
 生き方を示す思想家みたいなふりをしながら,
 商売しているような気がします。

 『駄目な男をすきになったらまあしょうがないでしょう』
 というだけで終わってしまったらコメンテーターとして
 重宝がられないから,それらしい説教っぽいことを
 言ってしまうわけですね」


当たってそう。

倉田真由美を批判している人を
自分以外ではじめて見つけたので欣喜雀躍。

天邪鬼を標榜していながら,
全くの孤独ではいられない,
それは「承認」を求める人間の性なのでしょうか。

■ 知性のあり方

「答えを求めるのが悪いというわけではありませんよ。
 答えを求めたくなるのは仕方ないけど,『答えが出る』
 と最初に決め付けてしまうのは問題です。

 答えを出すことを急ぐと『答えが出る』ような
 問題設定にしてしまいます。

 左翼の悪いのは,答えが『すぐに出る』ような
 問題にしてしまうことです。
 答えまでのプロセスもあまり考えないしね。

 答えは決まっているから,プロセスについての議論も
 自己満足的な確認になってしまう」

本文中の「左翼」は「右翼」にも置き換えられよう。

誰かが言っていた,
「問いを立て続けること」こそが知性の証である,と。

■ ネットのあり方について

「ネットで論評しただけで,社会派になったつもりで
 いい気になっている人間が増えすぎている」

「2ちゃんねらーは確かに左翼の行き着いた果てです。
 結局は最初にレッテルを貼って,どれだけ罵倒するかって
 いうだけの話になってしまうから。
 
 自分のネタでたくさん集まってきたら勝ち。
 人が集まりやすいとなれば,サヨク叩きでもウヨク叩き
 でもする。ネタ合戦で勝てばいい」

「引きこもりがちのオタクな若者が,2ちゃんねるに
 書き込んでいる内に社会参加しているつもりになって,
 勘違いしてしまう」

「知識人がブログをやる場合は,ライオンズクラブみたいに
 自分と同じような肩書がある人以外には書き込みを
 させないっていうふうに御高くとまってみせたら,
 蛆虫みたいのは群がってこなくなるでしょう」

ある人間の主張を「右翼的・左翼的」ということがあっても,
ある人間を「右翼・左翼」ということは決してしたくない。

レッテルを貼る人間には知性が欠ける。
知性とは, prudent であること。

2ちゃんは「レッテル張り合戦」の様相を呈していないか。
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