とおいひのうた いまというひのうた

自分が感じてきたことを、順不同で、ああでもない、こうでもないと、かきつらねていきたいと思っている。

『アー・ユー・ハッピー ?』 矢沢 永吉著

2008年06月21日 18時28分05秒 | 読書感想
 もう1ヶ月にもなる、この50円以下のくだらない交渉の仲介役に入ったのは。

 あらためて、自分の無力を感じている。肉親がはいっているのでやむをえなかった。これが頭のいい人たちだったら2~3日で片がつくちんけな問題だ。片方は他人で法律なんて理解できる人たちではないし、一方は肉親で法律を理解できるので受け入れられないとつっぱねる。両者とも50円以下のことなんだからこのへんで譲歩して、さっぱりと早く愉快なことにエネルギーを使おうという発想がどうしてでてこないのだろうか?

 こちらは、食欲もなくなったし、睡眠もゆっくりできなくなった。心の底から仲介役に入ったのは懲りているのだけれど、その肉親は絶対に守ってやらなければならない人間だから、ばかばかしくとも決意したんだ。絶対に守ってやるって。

 疲労困憊して、いま、『アー・ユー・ハッピー?』矢沢永吉著を読んでいる。

 すこし、ほんの少しだけどハッピーになった。と同時にハッピーになるための闘いの苦しみが 伝わってきた。

 矢沢は書く、オーストラリア事件(私注:信頼していた部下に多額のお金を横領された事件)の時に学習したマスコミの正体について

 .......ただ、被害者になってみて、わかったことがある。
マスコミの連中が関心を持っているのは、本や雑誌の売れ行き、テレビの視聴率がとれるかどうかだけ。結局、面白いか面白くないかの問題でしかない。
誰が被害者で、どんな被害に遭うかなんてことは関係ない。
他人の不幸は蜜の味ってことなのかね。
芸能雑誌というのは、それをわかったうえで、情報を提供している。
オレは被害者だけど、たまたま有名人だというので、大騒ぎになる。誰が犯人で、どんな犯罪をやったかなんことはどうでもいいらしい。
「矢沢がやられたよ、だまされちゃったよ、大借金くらっちゃたよ、あいつバカだよな」
結局、マスメディアが言ってることはこれだけだった。
オレはそのとき、さびしかった。
どう言えばいいのかな。自分が信じて立っていた地面そのものに疑いが芽生えちゃったら、立っているのがつらいだろう。そういう感覚だったかもしれない。
だからオレはちがう風にあたりたくなった。ほかの空気を吸いたくなった。立ってる地面から変えたい気持ちになって、それでロスアンジェルスに移った。
するとバカな雑誌は、「矢沢、日本脱出か」と書いた。
ふざけんな。
じゃあオレがスイスに逃げてったら、銀行が借金を帳消しにしてくれるのか?
帳消しにしてくれるんなら、イエス、脱出するよ。
でも、そんなことはありえない。脱出?そんなくだらないこと言うなよ。
なのにそのレベルで大騒ぎしている。マスメディアっていうのはその程度のものだとわかったね。怒りよりも、もっと暗い気分になった。
だけど、オレは信じてる。オレの音楽に拍手してくれてるファンたちは、一緒に悲しんだと思うよ。それは思ったな。.....」


 マスメディアの方々、矢沢の気持ち、どう思いますか?

もう1箇所、胸につきささった部分があった。

「....オレはだまされた自分のことがいやじゃない。この純粋バカさ加減の矢沢がきらいじゃない。すぐそばにいるヤツがオレを陥れようと計画しているなんて夢にも思わなかった。そういうオレは甘ちゃんかもしれない。でもおれはそれでいいと思っている。
 長い年月で、どっちが悲しい思いをするだろう。オレじゃない。オレを陥れたヤツが淋しい人間だと思う。これは負け惜しみじゃなくて、そう思う。
 人間はいつか死ぬ。だんだん年をとって、体もいうことをきかなくなってきて、ふと若い頃を振り返ったとき、信頼してくれている人間を陥れたことがあるなんて思い出したら、それは、気持ちいいもんじゃないよね。

 オーストラリアの事件で、オレはいい勉強をさせてもらったと思っている。(中略)人生は金だけじゃないんだとはっきり言える。これに気づけているってことは強い。これに気づけてなければ、オレは危なかった。
 金だけじゃないって気づいて、そこであきらめる人もいるだろう。だけどオレは闘い続ける。なんでだろう。
 悔しいからだろう。悔しいから、どっかで白黒つけなくちゃいけないと思う。そこが矢沢だ。
 オレだって疲れる。だけど引かない。(中略)何が正しいのかまで、めちゃくちゃにされたくないっていう、ひとりの責任ある大人としての気持ちもある。.....」


自分もふくめ、問っていきたい。

アー・ユー・ハッピィ?

いい言葉だ。でもきびしい言葉だ。

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