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ブログタイトルに偽りあり?

2017年02月20日 | その他
「タイトルと記事の内容とが掛け離れているんじゃあーりませんか」というお叱りの言葉が聞こえてきそうですので
今回は久しぶりに家具作りの話題です。

1.8メートルのテーブルとベンチを作っています。
材料はウォルナット材を使用します。
ウォルナットは過去にもスツールや小物を作るのに使用していましたが大型家具に使用するのは初めてです。
アメリカ産のウォルナットと日本のクルミ材を並べてみました。(ナラ材も)

削って研磨した材に家具用の油拭き塗装を施すと下のように濃い色になります。
これを「濡れ色」と言います。

ウォルナット材の魅力は何と言ってもこの茶色くなった濃い木肌の色目にあるでしょう。
サクラやカバなどと同じグループの「散孔材」ですので緻密な木目が現れ端正な感じになります。
それに対して私が主材として使っているナラ材は「環孔材」と言いケヤキやクリなどと同じグループです。
これらは板目取りすると大きな山形の木目が現れ着色塗装や摺り漆などを施すとこれが意匠の一つにもになります。




これは脚のカーブを円筒形の研磨布で研削して線を整えているところです。
磨くのではなく削るのが目的ですから60番という粗い番手の研磨布を使います。
この手作りの機械は「オシレーティング・スピンドルサンダー」(Oscillating Spindle Sander)と言い
特徴は研磨筒が回転しながら3センチほど上下に往復運動することです。


左は回転のみで削った部分 右は上下運動を加えて削った部分です。
回転だけで削ると研磨布の同じところが繰り返し当るので深い筋が入っています。
上下運動を加えると研磨布の筋が交錯して残るので目立たなくなるという効果があります。
その他にも 小さい径の研磨筒で番手の細かい研磨布を取り付けて加工すると回転の摩擦熱で材料が茶色く焦げてしまうことがあり
上下の運動がそれを防ぐという目的もあります。
このような機械で曲線の研削研磨を仕上げまでやってしまう人もいると思いますが
私は 墨線を残してバンドソーや糸鋸で曲線を切った後の形を整えるための「研削」のみに使用しています。
そして南京鉋や繰小刀でツルリンと削った後 今度は塗装のための仕上げ研磨を行います。
家具作りで一番難しいのは塗装だと思っているので その一歩手前の仕上げ研磨の作業には大変な神経を注ぎます。
(過去の木工教室関連の記事で受講生の方がこの機械を使って作業している風景がありますのそちらもご覧ください)
(2015年7月4日)



各部材の研磨を済ませ脚部と根太(ねだ)を組み立てたところです。
嵌め合いがきついと木が割れたり組み立てに苦労をします。反対に 必要なところが緩すぎると家具の寿命に影響します。


座板の穴に接着剤を塗り 脚部の「ほぞ」(でっぱり)と組んだ後に楔をガツンと打ち込み
はみ出た接着剤を水で洗い落したところです。



座板と両脚と根太の四点の部品だけの簡素な構造の三人掛けのベンチですが とても頑丈にできています。
間違いなく百年を超えて使い続けられることと思います。
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