『エローヒムとは何か(序論)』ヘラトリトピックス、第22号の4。
『エローヒムとは何か(序論)』(その4)
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より続き
(本稿は、2011年4月27日北海道正心館七の日講話の内容をまとめたものです。)
中東紛争の火種となったヤーウェのひと言
さらに言えば、細かくは詳述しませんけれども、
「あなた方は、私以外の神を信じてはならない」(「出エジプト記第20章)
「あなた方は、偶像を造ってはならない」(同上)
「あなた方の神であるわたしは、妬む神である」(同上)
「だから、わたしを憎む者には、父の咎(とが)を子に報い、三代、四代先
まで呪ってやろう」(同上)
という言葉は、ヘブライ語の原典までさかのぼれば、
「主」とは言っていますが、すべてヤーウェの言葉であることが
わかります。
もう一つ付け加えれば、モーセがシナイ山で「十戒」を授かった有名な
場面がありますが、そのとき、なかなかモーセが山から
降りて来ないのを見て、イスラエルの民が、エジプト時代のように、
子牛の像をつくって、その周りで踊ったりします。
すると、それを見たモーセは怒り狂って、こう叫びます。
「ヤーウェは、こう仰っている。『おのおの腰に剣を帯び、
宿営の中を入り口から入り口へ行き巡って、自分達の兄弟、自分達の友、
自分達の隣人を皆殺しにせよ』と」
そして、そのとおり実行したので、一晩で三千人が虐殺されたと、
「創世記」第32章には書いてあります。
しかし、真実を言えば、天地創造の神が、そんな「異常性のある行動」
を命じるはずもなく、ヘブライ語の聖書までさかのぼれば、
それはヤーウェの命令であり、エローヒムではなかったことが
記されています。
さらに、「創世記」第12章の以下の言葉に戻ってみましょう。
元々アブラハムの一族は、メソポタミア(今のイラク方面)の
一地方に住んでいたのですが、ヤーウェは、アブラハムに向って、
「あなたの生まれ故郷を出て、わたしが指し示す土地へ行きなさい」
と命じ、カナン(今のイスラエル)の地に向かわせます。
そして、アブラハムが一族と共に、カナンの地に入ったとき、
再びヤーウェが現れて、「あなたの子孫に、わたしはこの土地を与える」
と言いました。これが今の「中東紛争」の起源です。
第二次世界大戦後、英米の後ろ盾を得て、世界中の
ユダヤ人が移植してきて、イスラエルの地に建国したとき、
この「創世記」第12章のヤーウェの言葉が根拠とされました。
「四千年近く前の言葉が根拠にされる」というのも、すごい話ですが、
いずれにせよ、イスラエルという国は、これを根拠にして
建国されました。
その土地には、ユダヤ人もいましたが、アラブ人(パレスチナ人)
が沢山住んでいました。したがって、追い出された人も
いるわけですが、「神のくださった約束だから」ということで、
それが「正当化」されているのです。
しかし、その神も、「主」とは表現されていますが、
ヘブライ語の原典までさかのぼれば、「ヤーウェ」です。
「エローヒム」ではありません。
この二つが「旧約聖書」の中で混在していることが、問題なのです。
(もちろん断っておきますが、この議論を通じて、イスラム教の側
に立っているのではありません。
レジメ校正中に、
オサマ・ビン・ラディンが米軍の急襲で殺害されたニュースが
入ってきましたが、イスラム教サイドの問題点については、
機会を改めて触れたいと思います。)
「イザヤ書」の秘密を解く
今年1月16日の「『救世の法』講義」の後半部分で、新しい論点の
お話がありました。
その中で、
『今日講演するにあたって、昨日いくつかの世界宗教のルーツの霊査
に入りました。一神教のユダヤ教から調べに入りました。
最初の頃のユダヤ民族の預言者には、モーセもそうなのですが、
ヤーウェを信仰する一神教が頻繁に出てくるのですが、しかし、
別の神の名前も出てきます』と仰っしゃりながら、ここで新しく、
旧約聖書の「イザヤ書」の話をされています。
「イザヤ書」には、第一イザヤ、第二イザヤという人が登場してきて
(第三イザヤがいるという説もある)、この第二イザヤが、
昔のリーディングでいうと、西郷隆盛なのですが、
『この第一イザヤ、第二イザヤから、神の名前を「エローヒム」と呼んでいます』
と、そこで仰っています。
『そのエローヒムが、イザヤの前に現れた理由は、その数百年後、
イエスが降臨することになっていたので、その準備のためでした』
とありました。
ところで、この先生の御言葉は、日本語の聖書を読んでも、
当然のことながら、わかりません。
また、英語版の聖書で読んでも、これまで、「創世記」や
「出エジプト記」を分析してきた手法では、手がかりがつかめないのです。
これをどう解読したらよいのか。
主のおっしゃった、
「イエスの降臨を準備するため」
という言葉をヒントにして、以下で解明してみましょう。
(「その5」に続く)
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