第6章の隠しクエストである「仮面舞踏会への同伴」
ロムン帝国の侵略によって属領となったグリア国。路頭に迷ったグリア人を助けるのではなく、利益優先で切り捨て、侵略者のロムンに媚びを売る
ベンドルトン商会。白猫キリシャの父親である会頭のリッシュは、祖国と民族の裏切り者であるベンドルトン商会の評判を落とすために
仮面舞踏会にてロムン人商人のワイングラスに毒を盛ろうとしたグリア人商人の犯人を前に、
切り捨てた理由を商材の質と利益というビジネス論理を傲然と展開し、まるでみずからの商いが正道であるかのごとく放言した。
その光景を見たキリシャも「ロムン帝国との架け橋になっている」だの「父は正しい」だのと発言。
しかし私には大いに疑問だ。
キリシャの父リッシュが言うところの商売での競争とは、客観的には単なる政商に過ぎない。
戦後、アメリカに媚を売って業績を伸ばし拡大していった日本企業は数多あるが、その同類であろう。
7章で語られる亡国の王女イリスの復讐とロムン帝国の総督であるリンドハイム侯の善政にしたところで、
被侵略国の人々からすれば侵略者・征服者の欺瞞に過ぎない。
現実の歴史で言えば、日韓併合などはわかりやすい典型例だろう。
その欺瞞の象徴が「レジスタンス」の連中である。
ユファなど一部のキャラはレジスタンスの抵抗運動に今を生きる者が被害を受ける、と否定的だが、
それ考え方自体が、レジスタンスにしてみれば殺された者、奪われた者たちにたいする許しがたい背信なのである。
侵略者の支配下でのうのうと奴隷のように生きることに尊厳などない。進撃の巨人のエレンなら激昂するだろう(笑)
その意味では、救国の情熱たぎる若者たちを軽侮する変節した「元首領」のマルゴット婆ぁも同罪である。
マルゴットは言う「8年前の戦争時とはグリアとロムンの関係も変わってきている。あの時に捕らわれたままではいけない」
と。これこそ欺瞞である。ロムンに支配されている限り、グリア人に尊厳は永久に回復されないし差別と搾取と迫害は続き暮らしも苦しいままだ。
人間としての尊厳を取り戻すためには戦わなければならない。レジスタンスの若者たちが稚拙なのではない。マルゴットやユファらが変節してしまったのだ。
現実を認める事と、現実に膝を屈し隷属する事はそれぞれ全く違う。マルゴットたちはその2つを混同しているのである。
レジスタンスの蜂起を「憂さ晴らし」と侮辱したマルゴットらは結果としてロムン帝国の支配に力添えをしたことになる。
クレド、倉庫街の窃盗団の件では退屈な任務とほざいていたが、
解放の金が放棄し戦乱が再び巻き起こればお前は二度と退屈を感じずに済む存在になるだろうさ永遠にな(笑)
また、イリスの父であるグリア王にしても最期の手記は欺瞞である。最も親しい家族を全て失って
幼い少女にどんな平和で幸せな人生があるというのか。事実、その後のイリアは暗黒街で育てられ塗炭の苦しみを味わう事になったわけだ。
父の手紙を読んで自らの復讐の人生を悔いて泣き崩れる(それもあろうことか復讐の対象であるリンドハイムにちょっと感謝する感じも匂わせて)
イリスに相当の違和感を私は覚えたものである。
イリスの存在は、王家最期の王女であるという点が極めて重要であり、レジスタンスなど、反ロムン帝国運動の闘争のシンボルとなり得る。
民心をまとめ、また民衆の支持を得る点でも、美少女の亡国の王女はこれ以上ないほど絵になる存在である。
本来なら星刻騎士団など複数の反ロムン勢力を糾合できる立場にある。
彼女はこの先、殺された家族の復讐のためにも、正統な王家再興、グリア再興のためにも戦う人生を選ぶべきである。
宋がモンゴル帝国に滅ぼされても明が勃興したように、民族が消えなければ国は蘇るのである。かたちを変えたとしても。
パークスなどは8章でレジスタンスの蜂起について「グリアの立場を危うくする」と発言しているが、
それこそグリアの独立を妨げ、グリアの未来を危うくする発言だと自覚がないのだろうか。
言ってしまえば帝国側、あるいは帝国に隷属する者の発想である。
星刻騎士団の反乱に際して、ベンドルトン商会の会頭であるリッシュはロムン帝国の侵略を
歴史の必然と放言。いかにも政商らしい発言ではあるが、れっきとした祖国と民族に対する
背信行為の言質である。本来であれば、侵略者に擦り寄り蓄財してきた最大の主犯である
このリッシュが真っ先に聖刻騎士団によって処刑されていてもおかしくないはずである。
リッシュ本人はその可能性にまるで無自覚なようなのが滑稽だ。それこそ歴史から何も学んでいない
無恥の輩の発言である。
「単に支配者が代わるだけ」というリッシュ会頭のセリフは、自分や自分の商会や家族がロムン帝国の侵略で
ひどい目にあっていないからこそ言える効率論である。作品は異なるが銀英伝の査問会で戦争は社会の発展と
科学の進歩に貢献するとヤンに放言した同盟の政治家たちと同じ精神性だ。
また、パークスはグリア王家は8年前の侵略戦争の戦後に戦没者遺族に何の補償もしなかったと言っているが、
そもそも王家自体が虐殺されて滅ぼされたのにそんな補償政策などできるわけがないではないか。
これも脚本のガバガバな穴の一つである。
ゲンドーやマルゴットら老害連中は若者たちの蜂起を「暴走」「暴挙」と否定。
主人公たちも「馬鹿なまねはやめろ」などと叫んでいるわけだが、
レジスタンスメンバーの一人が言う
「飼い主に餌をもらって喜んでる家畜と同じだ!」
まさにそのとおりだ。誇りを失った人間は容易に暴力に屈して家畜となる。現在の日本人のように。
痛みを思い知らなければ侵略の罪の大きさなど分かるはずがないのである
レジスタンスの若者たちの報復を「ただの憂さ晴らし」と吐き捨てた老害マルゴット。
命の代償は命によってしか償えない。殺された者たち恨みは加害者たちを抹殺することでしか
晴らされないのである。そ
若者は叫ぶ「ロムン帝国に殺された家族や有人の無念はどうなる」と。
それを無視してグリア人のためと論理をすり替えても誤魔化しでしかない。
問題は何も解決していない。恨みの念は決して晴らされることはないのである。
イースシリーズの脚本家がどの程度、歴史的考察を交えて脚本を作ったかは不明だが、心理描写が荒いというか、人間考察が稚拙としか言いようがない
点が多々ある。
本当に正道を説くのであれば、窮地にある同胞を助け、その雇用を守った上でロムン帝国の商会との競争に勝ち、
グリア人の生活と雇用を守るべきであろう。更にはロムン帝国と結託して利益優先で経営する鉱山の鉱毒と貧民街の汚染の問題。
「ロムン帝国との架け橋になっている」とは、それで利益を得ているのは単にベンドルトン商会だけではないのか。
征服者に媚びを売る政商の見苦しい自己正当化・自己弁護に過ぎないのではないか。
ベンドルトン商会はかつての同胞たちを踏み台にして勢力を拡大し、豪勢な生活を送っている。
キリシャの父は偉そうに犯人に講釈できる立場ではないはずだ。
人間は所詮、感情の動物である。ベンドルトン商会は数多くのグリア人から恨みを買っている。報復を掲げる者は多数いるのではないだろうか。
ゲーム内でこの視点のオブジェクションがないのが残念である。
以下の理由により、残念な点があり星をマイナス1させてもらった。
ロムン帝国の侵略によって属領となったグリア国。路頭に迷ったグリア人を助けるのではなく、利益優先で切り捨て、侵略者のロムンに媚びを売る
ベンドルトン商会。白猫キリシャの父親である会頭のリッシュは、祖国と民族の裏切り者であるベンドルトン商会の評判を落とすために
仮面舞踏会にてロムン人商人のワイングラスに毒を盛ろうとしたグリア人商人の犯人を前に、
切り捨てた理由を商材の質と利益というビジネス論理を傲然と展開し、まるでみずからの商いが正道であるかのごとく放言した。
その光景を見たキリシャも「ロムン帝国との架け橋になっている」だの「父は正しい」だのと発言。
しかし私には大いに疑問だ。
キリシャの父リッシュが言うところの商売での競争とは、客観的には単なる政商に過ぎない。
戦後、アメリカに媚を売って業績を伸ばし拡大していった日本企業は数多あるが、その同類であろう。
7章で語られる亡国の王女イリスの復讐とロムン帝国の総督であるリンドハイム侯の善政にしたところで、
被侵略国の人々からすれば侵略者・征服者の欺瞞に過ぎない。
現実の歴史で言えば、日韓併合などはわかりやすい典型例だろう。
その欺瞞の象徴が「レジスタンス」の連中である。
ユファなど一部のキャラはレジスタンスの抵抗運動に今を生きる者が被害を受ける、と否定的だが、
それ考え方自体が、レジスタンスにしてみれば殺された者、奪われた者たちにたいする許しがたい背信なのである。
侵略者の支配下でのうのうと奴隷のように生きることに尊厳などない。進撃の巨人のエレンなら激昂するだろう(笑)
その意味では、救国の情熱たぎる若者たちを軽侮する変節した「元首領」のマルゴット婆ぁも同罪である。
マルゴットは言う「8年前の戦争時とはグリアとロムンの関係も変わってきている。あの時に捕らわれたままではいけない」
と。これこそ欺瞞である。ロムンに支配されている限り、グリア人に尊厳は永久に回復されないし差別と搾取と迫害は続き暮らしも苦しいままだ。
人間としての尊厳を取り戻すためには戦わなければならない。レジスタンスの若者たちが稚拙なのではない。マルゴットやユファらが変節してしまったのだ。
現実を認める事と、現実に膝を屈し隷属する事はそれぞれ全く違う。マルゴットたちはその2つを混同しているのである。
レジスタンスの蜂起を「憂さ晴らし」と侮辱したマルゴットらは結果としてロムン帝国の支配に力添えをしたことになる。
クレド、倉庫街の窃盗団の件では退屈な任務とほざいていたが、
解放の金が放棄し戦乱が再び巻き起こればお前は二度と退屈を感じずに済む存在になるだろうさ永遠にな(笑)
また、イリスの父であるグリア王にしても最期の手記は欺瞞である。最も親しい家族を全て失って
幼い少女にどんな平和で幸せな人生があるというのか。事実、その後のイリアは暗黒街で育てられ塗炭の苦しみを味わう事になったわけだ。
父の手紙を読んで自らの復讐の人生を悔いて泣き崩れる(それもあろうことか復讐の対象であるリンドハイムにちょっと感謝する感じも匂わせて)
イリスに相当の違和感を私は覚えたものである。
イリスの存在は、王家最期の王女であるという点が極めて重要であり、レジスタンスなど、反ロムン帝国運動の闘争のシンボルとなり得る。
民心をまとめ、また民衆の支持を得る点でも、美少女の亡国の王女はこれ以上ないほど絵になる存在である。
本来なら星刻騎士団など複数の反ロムン勢力を糾合できる立場にある。
彼女はこの先、殺された家族の復讐のためにも、正統な王家再興、グリア再興のためにも戦う人生を選ぶべきである。
宋がモンゴル帝国に滅ぼされても明が勃興したように、民族が消えなければ国は蘇るのである。かたちを変えたとしても。
パークスなどは8章でレジスタンスの蜂起について「グリアの立場を危うくする」と発言しているが、
それこそグリアの独立を妨げ、グリアの未来を危うくする発言だと自覚がないのだろうか。
言ってしまえば帝国側、あるいは帝国に隷属する者の発想である。
星刻騎士団の反乱に際して、ベンドルトン商会の会頭であるリッシュはロムン帝国の侵略を
歴史の必然と放言。いかにも政商らしい発言ではあるが、れっきとした祖国と民族に対する
背信行為の言質である。本来であれば、侵略者に擦り寄り蓄財してきた最大の主犯である
このリッシュが真っ先に聖刻騎士団によって処刑されていてもおかしくないはずである。
リッシュ本人はその可能性にまるで無自覚なようなのが滑稽だ。それこそ歴史から何も学んでいない
無恥の輩の発言である。
「単に支配者が代わるだけ」というリッシュ会頭のセリフは、自分や自分の商会や家族がロムン帝国の侵略で
ひどい目にあっていないからこそ言える効率論である。作品は異なるが銀英伝の査問会で戦争は社会の発展と
科学の進歩に貢献するとヤンに放言した同盟の政治家たちと同じ精神性だ。
また、パークスはグリア王家は8年前の侵略戦争の戦後に戦没者遺族に何の補償もしなかったと言っているが、
そもそも王家自体が虐殺されて滅ぼされたのにそんな補償政策などできるわけがないではないか。
これも脚本のガバガバな穴の一つである。
ゲンドーやマルゴットら老害連中は若者たちの蜂起を「暴走」「暴挙」と否定。
主人公たちも「馬鹿なまねはやめろ」などと叫んでいるわけだが、
レジスタンスメンバーの一人が言う
「飼い主に餌をもらって喜んでる家畜と同じだ!」
まさにそのとおりだ。誇りを失った人間は容易に暴力に屈して家畜となる。現在の日本人のように。
痛みを思い知らなければ侵略の罪の大きさなど分かるはずがないのである
レジスタンスの若者たちの報復を「ただの憂さ晴らし」と吐き捨てた老害マルゴット。
命の代償は命によってしか償えない。殺された者たち恨みは加害者たちを抹殺することでしか
晴らされないのである。そ
若者は叫ぶ「ロムン帝国に殺された家族や有人の無念はどうなる」と。
それを無視してグリア人のためと論理をすり替えても誤魔化しでしかない。
問題は何も解決していない。恨みの念は決して晴らされることはないのである。
イースシリーズの脚本家がどの程度、歴史的考察を交えて脚本を作ったかは不明だが、心理描写が荒いというか、人間考察が稚拙としか言いようがない
点が多々ある。
本当に正道を説くのであれば、窮地にある同胞を助け、その雇用を守った上でロムン帝国の商会との競争に勝ち、
グリア人の生活と雇用を守るべきであろう。更にはロムン帝国と結託して利益優先で経営する鉱山の鉱毒と貧民街の汚染の問題。
「ロムン帝国との架け橋になっている」とは、それで利益を得ているのは単にベンドルトン商会だけではないのか。
征服者に媚びを売る政商の見苦しい自己正当化・自己弁護に過ぎないのではないか。
ベンドルトン商会はかつての同胞たちを踏み台にして勢力を拡大し、豪勢な生活を送っている。
キリシャの父は偉そうに犯人に講釈できる立場ではないはずだ。
人間は所詮、感情の動物である。ベンドルトン商会は数多くのグリア人から恨みを買っている。報復を掲げる者は多数いるのではないだろうか。
ゲーム内でこの視点のオブジェクションがないのが残念である。
以下の理由により、残念な点があり星をマイナス1させてもらった。