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嫌悪感と社会的害悪

2005年05月26日 07時06分27秒 | その他
嫌悪感、というのはただの感情に過ぎません。感情が政治を動かすことは多いですが、それはあまり好ましいものではありません。感情を利用されることすらあります。
ですが、社会的に害のあるものを排除しよう、というのはひとつの政治です。これを実行するのに嫌悪感を利用しよう、というのはもちろんあまりよい方法とは思えません。が、社会的に「害悪のある」団体に対する政治的な圧力と、「嫌悪感」というのはどの程度明確に区別できるのか、といえば正直疑問がないわけではありません。

「嫌悪感」があればそれは政治行動の際に「政治的な圧力」になりますし、逆に「社会的に迷惑」な団体だからこそ「嫌悪感」が生じることもありましょう。

もちろん普段から嫌悪感をばら撒くような団体や個人は「社会的に害」のあることが多いとは思いますが、
それは相関関係にすぎないのでしょうからもちろん「嫌悪感」をもたらす、というだけで政治的な制裁が行われてはならないと思います。

(真の政治家ならその場その場で国民の支持が得られなくとも将来のために政策を遂行することもありましょうし)

できる限り、実証に基づいて、実証でなくとも嫌悪「感」のような、感情だけではなく、なにがしか説得力を持った論述によるならば、嫌悪「感」から離れ、政治的な論議といえるのではないでしょうか。

この件について、本記事のトラックバック先のひとつである、以前コメントを寄せていただいたトニオさんのエントリーを題材にさせていただこうと思います。
(記事元はこちら→http://d.hatena.ne.jp/VanDykeParks/20050525/1116985271
 人権擁護法案反対派に対する批判の中の一節です)

>「解同と創価と在日が嫌だ」しか言わないような人達とは100年やっても
>議論になるとは思いませんし、僕も検証派に含むなら
>少なくとも、大体の検証はすんでいます。
>BewaadさんやApemanさんもまとめを公開していることから同様だと思われます。
>僕としては懸念される材料も見つかりませんので止める理由がありません。
>懸念される材料があるというなら見落としがあるかもしれないので教えてください。
>およそ、大体の反対サイトは既に誤解だと判明したものなのですが。

問題にしたいのはこの引用部分の最初です。彼は「『解同と創価と在日が嫌だ』しか言わないような人達」というのですが、彼(トニオさん)自身「具体的な事実検証を伴った、あるいは論証を伴った(日本の国益にとって)問題のある団体である、との論証」と「ただの嫌悪感による文章」の区別はついているのでしょうか。

文脈では「法案についての議論」と「法案の外についての議論」がかみ合ってないとも取れますから
あまりこの点についてとやかく言うべきではないのかもしれませんが、「法案条文」以外の理由で反対する方々を「嫌悪感」の一言でまとめてしまうのはいただけないと思います。

(一応申し上げておきますが、「解同」「創価」が嫌だ、というのはともかく、「在日」が嫌だというのは常識で見て明らかにまずいですね。ある組織ならともかく人種一般というわけですから。「嫌悪」感に基づいている方も「民潭」「総連」と言い換えたほうがいいと思いますよ)


私自身はもちろん実証的にありたいと思っておりますので
実証の一貫として、ウェブ上で参考になる資料を提示いたします。

http://www15.ocn.ne.jp/~almarid/
『利権の真相』シリーズの共著者でもある寺園氏の、同和行政を追い続けるメールマガジンのバックナンバーです(もちろん本になっている方をも読んだほうがより参考になりますが)。

http://www.forum21.jp/index.html
公明党・創価学会問題に詳しい乙骨正生氏の発刊する『FORUM21』の、一部の記事がウェブ上で見ることができます。

それから念のために申し上げておきますが、「統一教会」の動きも気になってはいますよ。
原理研に代表されるのカルト的な手法は、創価学会と同じ程度には国益に害でしょうから。
(こう宣言でもしておかないと「統一教会の陰謀だ!」とかいわれかねませんからなこのご時世…いやまあこういったところで「偽装工作だ」といわれてはもうなんとも返す言葉もないわけですが)
ただこの人権擁護法案にかんしてはちょいとどう動いているのか、掴みかねておりますので…
めったなことで「デマ」は飛ばせませんし。

以上。

(更新にやたら間隔があくのはブログ主がのんびりしているということもありますが、あんまり毎日毎日とやっているとどうも返答や回答が脊髄反射的になりがち、というか、私が深く考えられないという事情がありますのでお察しください。ニュース系ブログでしたら速報性を重んじるべきでしょうけど、ここはタイトルにもあるように「考える」ブログですから。ということで、皆さんにもわたしのエントリーを読んですぐにコメントをつけるのではなく、少なくとも2,3日はいろいろ考えたり資料に当たったりしてからコメントをつけることを勧めてみます。もちろん博覧強記な頭の回転の速い方ですぐに深い考えができる、というかたはその限りではありませんが)