28日のニュースで、東京都では転出者が転入者を上回ったとのことでした。明治以来の中央集権政治と何事も東京で無ければ決まりが付かないという政策が続いた結果、地方から人が東京を目指して押し寄せて来ました。そして人々は東京から溢れだし、私の住む町も無秩序に開発が進むスプロール現象で、かつての町の有様は一変しましたね。母親が生まれた農家の庭からは、一面の田圃の数キロ先に隣の宿場町の屋敷森が見えたものですが、昭和30年代には住宅公団の団地が建てられ、今ではその団地が建て替えられて高層マンションが連なっています。
テレビでは毒舌で有名なタレントの「AY」が「あの辺の地域(埼玉県や千葉県の東京隣接地域のこと)はただ人がいるだけなんだよね~」と言い放ちました。まあそのとおりでしょう。私が生まれた頃は2万人にも満たない町でしたが今では25万人くらいの「ただ人がいるだけの町」になっています。加えて、賃貸マンションに住む人は自治会(町会)に加入する方は全くおらず、最近数多く建設された分譲高層マンションに入居する方も自治会(町会)への加入者はほぼおりません。選挙の投票率、様々な行事への参加、ご近所への助け合いなど・・・ご自分が住んでいる地域を大切にお考えの方はごく少ないのかもしれません。例えば、ふるさと納税で見ると2億4千万円ほどが流出しているようです。多分、保育園1カ所分が消えて無くなるのでしょうか?
義父もそうでしたが「東京の魚はまずくて食えない・・・」と言う言葉をよく聞きました。有名人では藤沢周平とか・・・職場関係では唐津や熊本の方達とか・・・唐津の方は「よく東京なんかにいるね~空気も食べ物も不味いのに・・・」と会うたびに言っていました。
でも、私にとってはこの関東、東京近傍が故郷です。自然豊かな地方からこちらに移り住んだ方々が、この地域を見下すのは自由ですが、私たちにとっては大切な故郷であり、この町を殺伐としたものに変えてしまったのは「自然豊かな地方」から移住してこられた皆さんですではありませんか?そもそも、江戸時代から江戸を中心としたこの地方は、全国から稼ぎに来た移住者で成り立っている地域ですし、そもそも江戸も「三代住めば江戸っ子」のたとえどおり、全国から来た方々を受け入れて成り立っている地域なんですが・・・・・
故郷は大事でしょう、それは私たちも同じ。そしてこの地で生まれた子供達にとっても故郷のはずです。どうか、今ご自分の住んでいる地域を大切にしてください。
長州の中央集権政治のために仕事が東京に集中してしまいましたから、故郷にお帰りになっても仕事が無い・・・時代は変わりだしています。地方にいても十分に仕事が出来るのですから、今住んでいる地域に愛着の無い方々、ご出身の地域でも何処でもこの首都圏から脱出していくことを考えましょう。「空気も魚も不味い」ですから・・・