今年一年も様々な出来事に気がかりなことがありました。私は木っ端役人でしたから、どうしても政治や行政・・・国も地方も含めて・・・ガキになるのは当然ですが、マスコミや世間一般(ネットも?)は、持続的な関心や批判、しっかりとした論評、本質を捕まえた議論が次第に少なくなり、日本人らしい無関心、まじめに考えることへの見下した態度「もっと大事なことがある」というような・・・・・ではもっと大事なことって何でしょう?
一番深く刻みついているのは、森友学園の問題、加計学園の問題、桜を見る会の問題・・・・・共通することは、権力にいるものが嘘つきだということ。丁寧な説明とは、同じことを繰り返ししかも本当のことは言わずごまかしと嘘、嘘をつけないときにはシラを切る。これが安倍首相をはじめとする現在の自民党政権の姿。一つの原因は自民党の中に派閥がなくなり、かつてあったような似非政権交代すら出来なくなったことにもあると思います。
小泉純一郎が派閥を解消し「自民党をぶっ壊した」ことから、以前であれば、安倍首相のような体たらくであれば、「田中」「福田」「中曽根」「大平」「三木」のような実力者が自分が首相になろうと、その失態に黙っていないでしょう。
本来であれば、(立憲、国民)民主党のような野党が政権を奪うのが民主的な姿ですが、かつて民主党が政権の座に就いた時、小沢の恐怖支配のもとに、鳩山、管、前原などの「若手」が無能ぶりをさらけ出し、国民に不信感というより「恐怖心」を植え付けてしまいました。この罪は本当に大きいと思います。
安部の独走を許しているのは、この民主党政権への恐怖が一番大きいかもしれません。
こうした事態が起因して、官僚の劣化が進んでいます。確かに食糧費、天下り・・・など官僚は叩かれっぱなしです。しかし、叩いているすべてのマスコミ・・・私の小さな経験では「読売」「日経」などの支局長たちは地方の役所にたかり放題、ただ飯を食べ放題だったのに、そのことには口を拭って公務員の食糧費の問題をたたいていましたね。一番ただの酒を食らったのは新聞記者たちでしたし、企業の方々は取引先や子会社に天下りし放題だし、給料なんか公務員の何倍ももらっていましたよね・・・これは閑話休題
上司の言葉で、とても印象に残っている言葉・・・「どんな問題があろうと、どんなに気に入らなかろうと、全精力を傾けて首長を支えるんだよ」と。それが東京大学法学部のDNAなのでしょうか?
少なくとも、戦後間もない頃の官僚の話を聞くと、こんな風には言っていなかったように思います。日本を支えるのは自民党ではなくて俺たちなんだ、というようなニュアンスを聞いたことがあります。退職したから好きなように行っていたのかもしれませんが・・・
しかし、私の直属の上司だったことのある自治省出身の官僚は、一人を除いて、皆先ほどのように言っていました。
もちろん民間会社では当たり前かもしれませんよね?でも、会社は同族会社とか個人経営ではなく数千人以上の規模を持つ会社であれば、曲がりなりにも社内の優秀な人を選抜してきますが、国の行政も地方の行政も選挙で選ばれた首長や議員によって運営されます。学歴が優秀であっても、選挙民に土下座をし、とんでもない意見の持ち主にもニコニコと相槌を打つばかりか本心から感心していないと当選できません。例えば・・・北方領土に関してとんでもない意見を吐いた議員だって東京大学卒でしたよね。
そうした、とんでもない議員であっても、政務官や副大臣にならなくても、議員にはおもねっていくのが今の官僚です。突っ張ったって出世もしないし、立派な振る舞いをしてもマスコミからぼこぼこにされることは全く変わりませんからね。であれば逆らわずヘラヘラしている方が楽でしょう。
官僚の劣化、誠実さの欠如は日本の品位を下げています。昔、警視総監も務めた秦野という政治家が「この程度の国民だからこの程度の政治家だ」と喝破しました。今政治家に官僚も付け加えないといけません。何とかしないと、国民みんなが事柄の本質を自分の力で考えて議論していかなければいけないと思います。それがどういう方向であっても、本気で議論を戦わせ、他人の意見に耳を傾け、しっかりとした方向とすべきだと思います。
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