Visual & Voice + H のココロ

“感情移入できる映像”によって、新たな映像コンテンツの開拓、映像の可能性を追求するビジュアリスト・柚木公奈の想い。

『Start Line』の今村彩子監督、実はアイデアウーマンなのだ!

2018年07月13日 10時13分26秒 | 衝撃&オススメ
映画『Start Line』の監督今村彩子さんは
生まれながらに耳が聞こえません。
ただ、その点ばかりにスポットが当てられていて、
正当に評価されていない点があると感じています。

それは、今村監督が
アイデアウーマンであるという事実・・・


自身自身を取材テーマに重ねあわせて
自分の内面をもテーマにしてしまう、
唯一無二なドュメンタリー映画の制作手法がその1。

その2は「一粒で2度美味しい作戦」。
一度取材した素材を別のカタチに再編集して、
別の作品にしてしまうんですね。
これ、追加取材があったとしても、
別々の2本を作り上げる作業量とは格段の違い!

さらに、本編で使わなかったカットやこぼれたカット、
だけど破棄するには忍びないカットを選び出し、
YouTubeにアップしてPR素材にしてしまう術も流石!

そして、その3は、まさに今回のトークのテーマ!
それは続々と企業を落としてしまうアイデアです。


映画『Start Line』のエンドロールには、
ドキュメンタリー映画としてはあり得ないほどの数の
企業ロゴが並んでいるのに驚かされます。

そこに、どのような魔法(?)やテクニックがあるのか?
それを今村監督にお聞きするのが、今回の講演会です。




これは映像制作者やクリエイターに限らず、
ベンチャーなどの起業家の方にとっても、
聞き逃せないお話のはずです。
もちろん? たぶん? お約束のお笑い体験談も!

ぜひ、来週の木曜日、7月19日の19時から、
飯田橋にある東京しごとセンター5階のセミナー室へ!
他では聞くことが出来ない、今村監督の裏話(奮闘記?)。
きっと、あなたの明日からの活力の素になるでしょう!


本来は、出版関係者を中心とした勉強/交流の会ですが、
どなたでもご参加いただけます。
参加申し込みも不要、直接、会場へいらしてください。
当日は、田村梢さんの手話通訳も入ります。

参加費 1,000円
講演後に、希望者を募って懇親会もあります。

◆みみの会
http://d.hatena.ne.jp/miminokai/
◆東京しごとセンターへのアクセス
https://www.tokyoshigoto.jp/facility/access/

テーマを伝えるために・・・今村彩子監督のハンパない選択

2018年07月07日 13時43分33秒 | 衝撃&オススメ
もうだいぶ前、四半世紀以上前に読んだ本。
ドキュメンタリー取材についての本だったのですが、
その中で、「私」の扱いについて書かれていた章に
僕は引っかかりました。

そもそも、ドキュメンタリー取材に
「私」という概念が入っていいのか?
というところからはじまり、
「私」を表現しているケースでも、
どういう風に「私」を取り入れているかという
例が示されていたように記憶しています。

「そうかぁ〜、客観報道というからには、
 そこも問題になるんだ〜」
という程度の認識だったのが、1990年代冒頭の話。
でもその本は、ドキュメンタリーの
“文章”について書かれていた本でした。

 
2000年を過ぎて、ドキュメンタリー映像を観るようになると
「私」という概念は頻繁に作中に出ているように感じました。
やはり、自分の近くの問題を取り上げるたりすると、
どうしたって、そのこには「私」は出てこざるを得ません。

ただ、それもカメラの後ろにいる「私」であって、
カメラの前に出る「私」は少数派に感じます。
もちろん、僕の少ない鑑賞履歴の中では・・・

それでも、単に「私」がカメラの前に立つだけでなく、
取材テーマに「私の内面の問題」を重ねあわせ、
常に自分の内面をもテーマにする作り手・・・
それは、今村彩子監督しか僕は知りません。

誰だって、自分が自分の映像作品に出てくるのなら、
編集権は100パーセント自分にあるのです。
当然、イイトコ取りという選択をすると思うのです。

だけど、今村監督は違います。
誰にも見られたくないような、人格破壊につながるような、
そんなとんでもない場面すら編集で残しているのです!
もちろん、それはテーマを伝える要素として・・・

自分の内面をテーマにしている以上、
そうせざるを得なくなってしまうんでしょうね。
ご本人も「清水の舞台から飛び降りる覚悟で」公開した
映画『Start Line(rスタートライン)』は、その極地です。



そうまでして伝えたいテーマ。
それを伝えるために、
今村監督はもうひとつ精力的に努力していたのです。

それは・・・
7月19日(木)の19時から、
飯田橋にある「東京しごとセンター」5階セミナー室で、
第109回【みみの会】の講師としてお招きして、
その、もうひとつの努力についてお話しいただきます。

本来は、出版関係者を中心とした勉強/交流の会ですが、
どなたでもご参加いただけます。
参加申し込みも不要、直接、会場へいらしてください。
当日は、田村梢さんの手話通訳も入ります。

参加費 1,000円
講演後に、希望者を募って懇親会もあります。

◆みみの会
http://d.hatena.ne.jp/miminokai/
◆東京しごとセンターへのアクセス
https://www.tokyoshigoto.jp/facility/access/