なんとかDVDを手に入れ、映画のソフトもぼちぼちと買いそろえて行くうち、だんだん音声の方に目が行くようになってしまった。いわゆる『5.1チャンネルサラウンド』ってやつである。
そう言えば大昔に4チャンネルという方式が、一瞬だけ流行ってすたったが、今度の方式は、殆ど全てのDVDソフトが採用しているようで、間違いは無さそうである。
ある日曜日、新聞折り込みを見ていたら、ヤマハのサラウンド一式が特価で出ていたのを見つけ、さっそく偵察に行ってくる事にした。そう言えば近所に出来てから一度も行ってなかったのだ。
先ずは普通の価格帯のサラウンドを見ていた。
「いらっしゃいませ。」
「この手の装置のことをよく知らないんだけど、何が違うのですか?」
「表にいろいろマークが付いていますね。これによって、再生できる方式が違うのです。今はこのマークが最新の方式です。」
「なるほど・・・でも、高いなぁ。」
いくら説明を受けても、目の前の装置は購入不可能である。それに、サラウンドにする事で、音がどんなに変わるのかわからない。
その場はそれだけで離れ、特価品が置いてある辺りへ近づき、機種を確認した。この手の装置の中では一番小型なスピーカーを採用している機種である。外観はとってもかっこいい。
その周辺に立っていても店員が近寄って来ないので、その周辺の商品をいろいろいじくり倒していると、実際の演奏で劇的に音が変わる場所があった。見てみるとボタンを押すたびに『ノーマル』『サラウンドA』『サラウンドB』っていう具合に切り替わる。するとね、音が全然違うのだ。もう感動もの。やっぱ、購入するっきゃないと、腹を決めた。実際はその機種ではないが、同じだろう。
「すいんせん、これなんですが。」
「はい。」
「これ、購入したいのですが、その前に、どうやってDVDと接続するのですか?具体的にはこの機種なんですが。」
「え?」
「だって、デジタル接続なんでしょ。自分は接続した事が無いので、わからないのですよ。」
その店員は、指定されたDVDの裏側を暫く眺めて、いじくり回していた。
「ここに『デジタル』て書いてあるんで、ここに接続するとは思うのですが・・」
どうやらその店員は接続のやり方を知らないようだ。
「少々お待ち下さい。」
そう言って応援を呼んできたのは、最初にいろいろ話を聞いた店員だった。しかし、それでも具体的にはわからないらしい。
「ちょっと開けてみましょか。」
そう言って、段ボールの封を開け、説明書を取り出し、具体的に説明してくれたのでした。これで安心。いやまぁいろんな店員がいるもんだねぇ。
※ちょいと締めくくりに
最近になって顕著になってきたのは、プロと呼べる店員はごく一握りになってきたって事。つまりね、正社員が殆ど居ないんだよ。その他はみーんなバイト君。つまりね、バイト君には何をするにも責任が持てないし権限もない。商品知識がてんでお粗末でモノを売ろうとする意識が薄い。おまけにすぐ逃げるし。ちょいと
厳しいかな?
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