僕の細道

【となりの山劇】第39話

<妙なものを買った の巻>

 ワシはどうも「何の役にも立たないが、面白そうなもの」で、なおかつ「価格が安い」物を衝動買いする癖がある。

 先日もそうだった。会社の用事があって名古屋栄のセントラルパーク地下街を歩いていたら、「エイデン電話ショップ」の前に文字通り山積みになっている携帯電話の山だった。
 その山を何気なしに見ると、それはどうやら店頭用ダミーの携帯電話で、外観と重さだけは新品同様の本物だが、全く通話どころか電気もつかないというシロモノで、値段が1個100円だと言うから、息子のおもちゃに丁度いいじゃん。と、カッコいいのを選んで2個購入したのだった。

 用事を済ませて会社に戻り、「電話を買ったぞ」と言って電話機を見せびら
かすと皆一様に驚いた。ワシが携帯電話なぞ買うわけが無いのである。貸してやって、いろいろいじくり回すが使えない、あたりまえである。

 そこで、ダミーであるとバラした後、改めて「何か面白い使い方があるのではないか」という話になったのであります。
 その手の話題になるとワシらは俄然一致団結し、いろいろな案が生まれた。

<その1>
 カップルが多くいる公園の池で、彼女(彼氏)と電話をしているフリをする。最初は普通に電話をしているが、そのうちにケンカになり、次第にテンションを高めながら怒りだす。理由は何かの事情で、待ち合わせ場所に来れなくなったとでもしておく。時間は3分、長くても5分以内がよいだろう。最後には相手を罵倒し、「もう絶交だ、二度と電話をするんじゃねー」「アバヨー」と叫んで電話を池に投げ込んで、何事も無かったようにスタスタと立ち去る。

<その2>
 電話で話をしながら道を歩いていて、わざと誰かにぶつかる。「あっ」と叫んで、その拍子に電話機を落とすと電話機は見事にバラバラになる。電話機はあらかじめ分解しておくのがミソだ。その後、なにくわぬ顔で冷静に組み建て直し、再び通話を再開して立ち去る。

<その3>
 打ち合わせや会議中に、わざと目立つように会議資料の横に置き、会議が退屈になってきたら、胸ポッケのバイブレーターが振動したフリをして、「すいません、電話がかかってきたので・・・」と、電話を持って外に出る。

<その4>
 とりあえず後ろのポッケに入れて、気分だけ楽しむ。

<その5>
 バイクに取り付けておき、何日もつか賭けをする。


 どんなもんでしょう、面白くありませんでしたか? 


※注意
この頃はまだねー、携帯電話がでかくて、黒しかなくて、しかも高くて高嶺の花だった頃のおはなしであります。今じゃ小学生だって持ってるのにね。


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