僕の細道

【となりの山劇】第44話

<銀行が潰れた の巻>

 それは突然の出来事だった、ウチが預金していた銀行が、経営破たんで潰れるという事件が起きました。ある朝、いつものように新聞を眺めると、一面トップにでかでかと出ているではありませんか。なーんとまぁ寝耳に水とはこの事を言うのでしょうか。

 実は銀行って言ってもその形態としては殆ど末席にあるようないわゆる「信用組合」ってやつなんだけどね。地元では「子供銀行」と揶揄されていた「東海信用組合」という組織です。(実名出していいんだろうねぇ?)

一面の記事を読んで「アラアラ」と思いつつ、カミさんに聞いてみた。

 「おい、ウチって確かココに口座を持ってなかったか?」
 「エーーー!」

 カミさんは飛んでくるなり私から新聞を奪って記事を読んで叫んだ。

 「ウッソーーーー!」

 その日以来数日の間、その組合内部の不祥事が記事となって連載されていました。記事によると、資金の流れが不鮮明で、その結果お約束の「粉飾決算」というやつらしいです。

ウチのカミさんは急いで口座を解約したらしいのですが、結局、組織自体は『大垣共立』が引き継ぐような形になったらしく、預金者には迷惑をかけないという話らしいです。

 最近、金融機関や保険会社があぶないという話をよく耳にするけど、まさか自分のトコがその当事者になるとは夢にも思わなかったな。ともかく、実害がなかったからこうやって笑い話にできるけど、一歩間違えれば危ないトコだったな。

おまけ・・・・・
預金と言えばね、最近の「金利」って、ウソみたいに低いね。金利が高いという郵便貯金でさえも、普通口座の金利は1%も無い。昔の定期預金の7%という金利が懐かしいね。
そうそう、例の信金だけど、組織自体は縮小しつつ引き継ぎになったらしいけど、その負債をね、岐阜県が計上するのしないのでモメているみたい。

※解説
今でこそ大手銀行や大手証券会社や大手保険会社が潰れるなんてよく聞く話になってきたけど、この当時は未だ金融機関が潰れるなんて信じられないという頃の話。この手の話の中では『走り』であった。


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