ガキの頃から、ここいらの八事山(やごとさん)を駆けずり回って幾多の傷を受けた身にとって近年の市が、かつての活気が無くなってしまったのは寂しい限りだ。ここの住職が代わり、金儲けに走り、このお時勢なのにショバ代が値上がりしたり、今まで無料だった駐車場が有料駐車場に変わってしまったり、寺に鉄製の門が新たに造られたり、境内に在ったノンビリできる茶店が近代的な喫茶店になったりと数え上げれば切りがないが、お年寄り達がくつろげる場所で無くなってしまった事は確かだ。
居並ぶ露店には昔からの店もあるのだが、山門脇に建てられたちょいと一杯気分で入れたテント張りの串カツ、どて焼き屋の従業員達が、ジイちゃんらの話し相手にならない感じの20代前半の若い子に全て変わってしまったりしているような店などが増えていた。
本来のお客さんである年寄りの嗜好を考えずにアルバイトを雇っているこの店はピーク時なのに閑古鳥が鳴いていた。そりゃ~誰も入っていなにのに串カツは大量に揚げてあるわ、キャベツは昨夜のうちに切ってあったらしく、葉の淵が萎びていれば、入る気も起こらぬであろう。若い連中は呼び込みもせずに皆で固まり、手持ち無沙汰にタバコを吹かしていた。
奥の院へ続く砂利道にある年配の夫婦がしていた串カツ屋にはジイちゃん、バアちゃん達が簡易椅子に座り、楽しげに雑談しながら頬張っていたのが対照的だった。
ブラブラ歩き、交番裏手の露店にてドジョウ焼きを発見。横には軟骨、串焼き、ウズラ焼きなどが並んでいた。傍にはワンカップと缶ビールも置かれていたのだが、これから車で出かけねばならないので、ここはグッと我慢してドジョウ焼きとウズラ焼きを注文し、簡易テーブルの脇に置かれた丸椅子に腰掛け、焼きあがるの待つこと暫し。火に炙られ、甘辛ダレに浸けられ、再び火に焼かれ香ばしい匂いが立ち込める。焼きあがる間に店のオッちゃんと雑談にふける。
いつしか焼かれたドジョウとウズラは目の前に差し出され、タレをこぼさないように口にするのであった。オッちゃん曰く、これらのモノの産地は中国産との事。日本の味に舌鼓を打つつもりが、いつしか外地の味と入れ替わり、ちと物悲しいさと憂いを感じたのだった。
食事って食べ物を食べる行為だけでなく、雰囲気も食文化も一緒に食べるんだと思った次第。(~ヘ~;)ウーン
【店名】解りゃ~せんがね。
【日時】毎月5日、13日に市は開かれとるがね。
【住所】名古屋市昭和区八事本町興正寺参道で、やっとりゃあ~すがね。
【電話番号】あのおっちゃんも携帯電話を持っているんだろうなぁ~。
【駐車場】寺院隣りに有料駐車場有ゃあ~て、多数駐車可能だでよぉ~。
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