僕の細道

【となりの山劇】第21話

<爆笑カーナビ の巻>

 つい最近の事なんだけど、義従姉妹んちのステップワゴンに便乗して中部天竜とその周辺へ遊びに出掛けたのです。いやー、自分で車を運転しないって気楽でええわ。昼間から気兼ねなくビールが飲めるし。(少しは気兼ねしろって!

 名古屋から豊川経由で中部天竜へ行き、中部天竜駅に併設されているレールパークや、佐久間電力館で遊んでいた。
 さて、次にどこへ行こうかという話になって、手元のパンフをよく見ると、名前は忘れたけど、上黒川って所に公衆温泉があるのを発見。さっそくステップワゴンに装備されているカーナビでその場所を探すと、どうやらここ、佐久間ダムから直線で12キロ程度。地図を見る限りは近そうだったんです。

「近いやないの、ほんなら行こうか。」

 近そうだという事もあり、ごくお気軽にカーナビに従って走って行ったんです。音声ナビも快調快調。どんどん距離が縮まってゆきます。
 それでも、ダム湖の湖畔を「曲がりくねって走りにくい道やなー」と文句をたれながらも普通に走れているうちはよかった。そろそろダム湖畔から直角に山の中に入るという時、

「間もなく、左折です。」

カーナビが指示する角を曲り、行く先の方向を見上げた瞬間、我々はその場で固まってしまいました。
 その道は急坂の簡易舗装で道路幅も狭く、せいぜい1車線のくねくね道が何やら険しそうな峠に向かってどんどん昇って行くのです。どー見ても普通の車が走れそうな道ではありません。少なくともステップワゴンでは・・・。
 しかしながら、この道を外すと今度は富山村の方に大きく迂回しなけらばならず、恐らく20キロ程遠回りをする事になる。でも、あの道を見ただけで我々の意見は満場一致でもって遠回りに決定したのであった。
 その後、面白いから喋らせとけと音声をオンにしたまま走り続けると、

「ルートから外れました、再計算します。」

 暫く何度か同じメッセージを繰り返した後、今度はプッツンと黙り込んでしまったのです。

「どーしたんや、何ぞしゃべらんかい。」

 ターゲットポイントへの直線距離がどんどん離れていくうちは何も喋ろうとはしません。完全に口を閉ざしてしまいました。ところが。

「間もなく、左折です。」

 ターゲットポイントへの直線距離が縮まるほうへ転じた途端、いきなり喋りだして我々を驚かせてくれたのです。もー爆笑。

「何や、自信が出た途端に喋りだしたな」

 その後は温泉まで難なく到着したのでした。結局、かなりの大廻りになってしまいました

それにしてもカーナビのお勧めルートってのも考えものだなーって思ったのが今回の感想。車種によってお勧めルートの道のレベルが選択できたらいのにね。少なくともカーナビが示したあの登り坂ルートへステップワゴンを進める気にはなれなかった。
 ちなみにその問題の道をウチに帰ってから手持ちの地図で見てみたら、どの地図帳を見ても道が途中で途切れていて繋がっていないかったのです。うーむ。

私はどちらかというとカーナビ不要論者なのですが、今回初めてカーナビを見ていたら、あってもいいかなと思えてきたのです。ただし、現在地だけ正確に教えてくれるだけでいいです。音声とかその他の情報は要りません。


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