僕の細道

【となりの山劇】第22話

<時代劇大好き の巻>

 実を言うと、わし、時代劇が大好きです。なーんて事を書くと、ジジむさい奴だと思われるかもしれないけど、いいじゃん。好きなものは好きだ。悪いか。
 時代劇にもいろいろなジャンルがある。その中でもなるべく単純明快、途中どんな窮地に陥っても最後は必ず正義が勝つという「エンターテイメント系」(今ワシが命名した)の時代劇が好きだ。

 ということで単純明快度から順位を割り出すと、やはり「水戸黄門」がトップではなかろうか。あの、「角さん助さん、少し懲らしめてやりなさい」などと言いながら、わざわざ自分たちで一段と大きな騒ぎにしておいて、騒ぎに気がついた大物の登場と共に「もういいでしょう」と言いつつさりげなくその場所の一番の上座に移動し、「控えおろう、こちらに・・・」という「お約束」の下りがたまらなくいい。話の前半を見逃しても、残りの15分は見たい。つまり、途中なんてどーでもよいのだ。こういう番組をあまり見ない人は、

「あんなのマンネリじゃん」

 と言うかもしれないが、何をおっしゃいます。マンネリこそ時代劇の美学ではありませんか。そーゆー事を言う人は一生この手の番組を見なくてもよいです。
 でもまーこういう長寿番組は、えてしてキャスティング的にかなり無理があるね。主役の黄門さまはもともと高齢者なので、何度か役者が交代しているし、それ以外の役者にしても、ヤシチも皴が増えたし、ハチもいつまでも「ウッカリ」の年ではないしね。だーいたいあんな大人数で移動しておいて、目立たないわけないもんね。

 「水戸黄門」の次くらいに好きなのが「遠山の金さん」だな。だけどね、松方弘樹の金さんは最後までどーも馴染めなかった。大体、演技の基本が仁侠だもんね。どーもイマイチカッコ良くない。なーんというか「江戸っ子」らしい「粋」が足りないんだな。反面、前田吟の演技がハマリ役で大変喜ばしかった。

 ストーリー的には、最近なんだか「悪」が小粒になってきて面白みが薄くなっている事も気になっている。やっぱり「悪」の基本は「悪代官」であり、しかもそれは「悪家老」でなくてはならない。それが「町の窃盗集団」とか、「呉服屋のゆすり」とか、なーんか「悪」にしては小せェ小せェである。その代わり、人情的な話が盛り込まれたりして話を膨らませようという努力の跡が伺えるが、はっきり言って、そーゆーのは好かん。

「お主も、悪よのう。」
「何をおっしゃいます、お代官様こそ・・・」
「ふぉっふぉっふぉっふぉっ・・・・」

 自分としては、このような「正しい」話が好きだ。
 先々週、その「遠山の金さん」が終わって、先週から「暴れん坊将軍」が始まったので、楽しみにしておった。ところが、である。キャスティングががらりと変わってしまった。それで、第1回と言う事で仕方がないかもしれないけど、多分に「顔見せ興行的」なところがあった。とりあえず「悪」なんてそっちのけ。

 回を重ねれば見慣れてくるかもしれないけど、あの高島忠夫にゃあ参ったね。将軍様と鶴姫の対面のシーンでは、思わず顔を背けたくなった。高島忠夫は、元々演技がクサい所がいい役者なんだけど、そのクサさがちょーっと合わない感じがした。これなら田代の方がマシ・・・というのは冗談ね。とにかく、「頭(か
しら)」にしても、「越前の守」にしても、本当に大丈夫かなー、ファンとしてはかなり心配。

 あと、この手の時代劇で逃せないのが「必殺シリーズ」だね。だけどもう制作するつもりが無いらしく、とんと御無沙汰している。あの「主戸」が見れないのはとても淋しい。藤田まことが元気なうちに、もう一花咲かせて欲しいと願っている。

 ところであれは確か去年だったかな?三田村邦彦主役の「影十八」という番組があったけど、これだけは最初から最後まで好きになれなかった。という事は取あえず見てたという事なんだけど(笑)。あれはきっと、「影」のくせに、やたら心の葛藤とかポリシーを持っていたというところが敗因だと思うよ、きっと。

 何年前か忘れたけど、「破れ奉行」という番組があった。今ではもう2度と制作出来なくなってしまったけど、この番組がとても好きでした。目付役が「ならんならんならんならん断じてならん!」と止めても止めても勝手に出動してしまうという下りが好きだった。特に、毎回何の意味もなく船の上にピシっと正装(?)して仁王立ちのように出動する姿がたいへんりりしくて格好よかった。

 こーゆーワシなので、スピリッツに連載していた、ほりのぶゆき先生の「江戸むらさき特急」というマンガは、ワシのバイブルなのであります。

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