先程、作品にガラスのカバーが無いと書いたけど、何故ガラスがいけないのか?。それは、作品の微妙なニュアンスが見えなくなってしまうからだ。
作品というものは多少なりとも表面に絵の具のデコボコがあり、観る角度によって表情が変わったりするのだ。
それがガラスがあると見えないとは言わないが、注意深く見ないと、かなり見にくくなるのだな。
ルーブルだけではなく、パリの美術館には、そのガラスが無いばかりか、実は柵も無い。だから、作品に触ろうと思えば触れてしまうのだが、作品に触る不届き者は誰もいない。たーだし、彫刻はテアカでいっぱいだったけど。
逆に言うと、それだけ触れる場所に堂々と展示してあるという事だ。
これらの美術館内での撮影は、なんとOKだ。ただし、ストロボは禁止。こんな事は日本では考えられない。観光客はみんな気に入った作品の前で記念撮影をしていた。
それで、もっと驚いた事に、画家の卵らしい絵描きさんがね、館内の作品の前に堂々とイーゼルを立てて、熱心に模写をしていた。
まるでウソみたいでしょ。ガイドの話によると、よくあるらしいのだな、これが。
館内の照明は、どちらかと言うとやや暗め。なぜかというと自然光を重点的に取り入れているから。とはいえ、作品に直射日光が当る事は無いけどね。それでどちらかというと人工的な照明はサブ的な扱いを受けている。
でも、これは納得いく。あの作品群が生まれた時代には、現在のような照明が存在しなかった筈だから。むしろ多少薄暗い自然光の中で見る環境こそ、ごく自然な感じがするのではないだろうか。でもロウソクは危険だろうなぁ。
そして次なる驚き桃の木は、そもそものルーブルの建物自体。ルーブル美術館は、名前は忘れたがかつてはある貴族の宮殿だったという。
展示してある絵画や彫刻を観るだけではなく、建造物自体がすでに貴重な美術品なんだな。そうだねー、日本で言うと、国会議事堂がまるごと美術館になったようなものかなー。
ただし、国会議事堂10個分位(?誇大表現モード)の広さがあるけどね。ワシは、目ぼしい所のみをだーっと速足で歩いて回って、それでも4時間かかった。
もし、全てを吟味して回ったら、最低1週間、いや、1ヶ月はかかるんじゃあなかな。
だから、館内には「順路」が存在しない。所要時間が書かれたお奨めコースがいくつかあるだけだな。
以下次号
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