お月様と私

月を見るのが好きだ。
昼間の月は白く、意識しないと見ないものだけど、たしかにそこにいて、見られようと見られまいと凛々しくあるだけだ。

夜の月は比較的見られる機会も多いと思う。
暗い夜道を照らし、優しく見守ってくれているようで、私は安心できるのだ。
雲が出ていたり、あるいは月が見えない時は、私は不安になってお月様を探さずにはいられない。
いないことがわかると、とたんに居心地が悪くなる。
ここは私が居るべき場所じゃないんじゃないかって思う。

お月様が見える範囲でだけ、家の外で生きるのが許されてるんじゃないかって思う時がある。
だから昼間起きると貧血で具合がわるくなったり、外に出たい気分じゃなくなるんじゃないかって。
もちろんお月様はそんなことおかまいなしなんだけど、私はそれが心地良いんだ。

見上げなければ感じられないし、見上げれば大体夜空に浮かんでいるのだ。
太陽のようにじりじりと私を焦がすこともなければ、自分を主張することもない。

私は、お月様のようになりたいと思う。
押し付けること無く、ただそこに居るのだ。
必要と思う時には側にいて、いらないと思うほど距離を置いて。