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アートベース・リサーチ(ABR)を用いた慶應義塾式研究方法

「勇気と良識で国を一つに」トランプ氏銃撃でメラニア夫人が声明

2024-07-15 | 日記

墓地の横に、堀っ立て小屋があった。

物置のようにも見えるが、6畳ほどの家で、女の人が棲んでいた。

お墓参りする人に、蝋燭や線香を1本10円で売っていた。

外壁には、大きなやかんが引掛けてあり、やかん一杯分の水を売る。

小屋の中には、調味料や鍋や生活するための道具が置かれていた。

女の人なら、誰でも、ふかふかのお布団で手足を伸ばして眠りたいだろう。

綺麗なお湯を沸かして、お風呂に入りたいだろう。

しかし、小屋の板張りには、薄い布が敷かれて、女の人はそこで寝ていた。

お風呂は無いので、お墓の横を流れる水を汲んで洗う。

そこでは、役場が仲を取り持ち、結婚願望のある男性と女性を引き合わせる相談会が行われる。男性は65歳まで、女性は50歳未満が参加の条件だから、50歳を過ぎた女性は結婚を諦めなければならない。

学校の周りは、田んぼや畑で囲まれていた。

牛を飼う家、チャボやニワトリを飼う家は珍しくない。

ビニールハウス、トラクター、見渡せばどこにでもあった。

夕方の6時のニュースが始まると、トラクターのマスコットが歌うCMが流れた。365日、一日も途切れることなく。

そのマスコットの呼び名を知らない人はいない。

学校の男の先生は、素直な女の子を溺愛した。請われれば農家の嫁になって、汗水たらして労働力を提供できる、身体が頑丈で気立ての良い娘を溺愛した。

学校の男の先生は、学校や教室を私物化して「俺に逆らえば出ていけ」と平気で言葉にする。自分の家で、気に入らない嫁に三下り半をつきつけるように。

だから、女の子たちは、男の人の言動に敏感だった。

女の子たちは、男の人の顔色を窺い、嫌われないように身構えていた。

彼女たちが、私に対して理不尽な言いがかりをぶつけてくる理由とか動機には、彼女たちの業(カルマ)と宿命があったからかもしれない。しかし、どんなに私に対するイメージを膨らませて、吹聴し尽くしても、本来、彼女だけのものである業(カルマ)と宿命から逃れることはできない。

今思えば、たしかに、そこで生まれて、死ぬまでそこに居つく為には、そうせざるを得なかったのだろう。彼女たちから見れば、私のように現実に適応できていない女は、馬鹿か知恵遅れにしか見えない。彼女たちは、ずっと、私に向かって、こう言い続けた。

「男の先生に言い付けて、男の子たちに虐めてもらうからね、アンタなんか。この馬鹿」

どうやら、男の先生は、女の子たちの主観や妄想を真に受けて、私の悪口を聞くと、全部、私のせいなのだと決めつけた。お昼の給食の時間に、朗読の放送を流した時、私の声が聞こえなくなった。それは、ミキサーで音の調整していた女の子が、わざと、嫌がらせで消音にしたからである。しかし、男の先生は、彼女を叱りもせず、彼女を疑いもせず、彼女の言い分だけを信じた。

「おまえが怠けて、わざと読まなかったのだろう。俺に恥をかかせやがって」男の先生の目つきは、凄まじく険悪で不気味なほど狂暴だった。転入した来たばかりの男の子が、教室の誰かに虐められて、すぐに転校していったときも、私が犯人だと、彼女たちは、でっちあげたし、男の先生も、さもありなん。私以外にそんな悪い子はいないと決めつけていた。

あそこでは、女たちは、生涯、言葉を持たない。それゆえに、彼女自身の業と宿命を直視することが出来ない。嘘やデタラメの言葉を、苛立ちや悪感情のはけ口にして、かろうじて持ちこたえていた。身なりを整え、清潔感を強調し、他者に好まれる見た目があれば、彼女の業(カルマ)と宿命に、毒蛇や毒蜘蛛が巣くっていても、人の目に触れるはずがないと、思い込んでいた。それは、言葉の本質を取り違えていたからである。

だから、男の先生に言い付けられて、私を虐めなければならない男の子たちは、自分の家で飼う動物の虐待を思い浮かべた。直接、暴力を振るえば犯罪になるから、恐ろしくてどんな男の子もそんなことはできない。自分の家で飼っている動物に対するように言葉で虐待するしか術を知らないのだ。それは、言葉の本質を取り違えていたからである。

私は、そんなところに居たのだ。

そこは、どんなに小さな間違いも責め立てられる場所。

やり直しの聞かない場所であった。

 

 

 


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