電子書籍作家 夢野美鈴のブログ

美鈴の日常や思ったことを書いて行きます。

小さな努力

2011年03月31日 16時39分49秒 | 日記
年間100ミリシーベルトという厚労省の出した基準値は、
100ミリシーベルトを超えた辺りから癌などの様々な症状が発生するため、
100ミリシーベルトを基準にしたそうです。
一瞬で浴びるのではなく、一年間に亘って緩やかに浴びるのだから、
人間の抵抗力で多少半減されるだろうとテレビで御用学者は主張します。
だから直ちに健康への影響はないそうです。
私はそれを見ていて、大変乱暴な話だと思いました。

ちょっと待って下さい。
病気にまで至るのは、相当に異常な量の放射線を浴びた場合です。
その手前だからと言って、何の影響も出ないわけがありません。
老化が促進されることは、遺伝子の本を読めば誰でも分かります。
放射能は活性酸素を増大させます。
活性酸素は体にいいとか言う御用学者がいますが、それは微量の話です。
手がかじかんだ時に雪を握り締めると、後で手がポカポカする程度の話です。
私達は体を健康に保つため、緑の多い場所へマイナスイオンを浴びに行きます。
活性酸素の正体は、それに反するプラスイオンであり、老化の原因であることはご存知でしょう。
放射能によってそれが大量に発生するのです。
私達は若さを保つために様々な努力をしますが、
そんな数々の努力と逆行するものを浴びて平気でなんかいられません。
そんなものに体の抵抗力を奪われたくありません。
しかも、病気手前の異常な数値を基準にされては堪りません。
そもそも、老化も含めればどんな影響が出るか分からないので、
元々の基準値はゆとりを持って設定されていたのでしょう。
以前に国際基準は年間20ミリシーベルトと紹介しましたが、それは放射線従事者の基準値です。
一般人への基準値は、年間1ミリシーベルトです。
我が国でも福島原発の事故の前までは、
原発周辺住民への影響は年間1ミリシーベルトまでに抑えるよう決まっていたのです。
それが一気に100倍です。一時的なものだと言いますが、
福島原発は事態が良くなるどころか益々汚染がひどくなっているではないですか。

関東にいる私の友人で、放射能をできるだけ浴びない工夫をしている方がおります。
1、部屋の窓は開けない。
2、洗濯物は部屋に干す。
3、換気扇もエアコンもかけない。
4、外出はできるだけ避ける。
5、外出先から帰るとすぐシャワーを浴びる。
6、同様に衣類はすぐ洗濯する。
7、ラーメン、缶詰、ジュースの保存食を買い溜めている。
8、魚はノルウェー産のサーモンを食べる。
9、野菜は産地の安全なものを食べる。
10、住んでいる場所の放射線量を毎日確認する。

彼の努力を一概に笑うことはできません。
誰だって白髪が出て来るのはイヤですから。
先日、アメリカにいる友人から電話がありました。
「放射能は本当に大丈夫? 京都から逃げた方がいいんじゃない?」と言われました。
京都から逃げた方がいいのかどうかは分かりませんが、
アメリカでは物凄く大きなニュースとして取り上げているそうです。
国内があまりにも悠長で、そのギャップの大きさが奇妙です。
でも、確かに関東までの放射線量が通常より高いのは事実であり、
国やマスコミが掲げる年100ミリシーベルトという基準値も、自己判断では安心と思ってません。
何しろ放射線従事者の限界値50ミリの2倍ですから。

私達が知りたいのは、テレビでこう言ってるとか、誰がこう言ってるとか、どこでどう言ってるとか持ち出し、
権威と権威を戦わせるゲームではありません。
私達が本当に訊きたいのは、健康を害するまで行かなくても、
「老化も含めて本当に何の影響もないのか」という一点なのです。
もし分子生物学を学んでいれば、完全に「ない」とは言えない筈です。
言ったら嘘です。
私達は直射日光を浴びるだけでも、目に見えて老化が進行します。
シミができるし、長年畑仕事をしていれば、顔がシワクチャになることぐらい経験的に知ってます。
今回の事故で私達が浴びることになる放射線量が、直射日光と比べて低い数値と言えるでしょうか?

放射能がどのように生活に浸透して行くか、全ての要因を完全に熟知している学者なんていません。
どこにどんな要因が潜んでいるかなど、人間が完璧に窺い知ることはできないのですから。

従って、海外のメディアの一部だけ取り上げて一笑に付すのはどうかと思います。
誰にも分からないことだから、国内と国外でこれほど捉え方が違うのではないでしょうか?
国内のメディアが海外のメディアよりレベルが高いわけではありません。
性格が違うのです。
国内では、東電も政府も混乱を抑えようとするでしょう。
でも海外のメディアには、そんな義理も利害関係もありません。
本当に笑われるべきなのは、自分自身でものを考えない私達かも知れません。

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