電子書籍作家 夢野美鈴のブログ

美鈴の日常や思ったことを書いて行きます。

数字のマジック

2011年04月01日 16時08分29秒 | 日記
後になって分かったのですが、
水の基準値は1リットル300ベクレルとテレビでは言ってますが、
300ベクレルではないのですね。

私は放射性物質を全て一括りにして300ベクレルと決められていると勘違いしていました。
300ベクレルというのはヨウ素131だけの話で、
それ以外にセシウムの場合は200ベクレルと決められているそうです。
ということは、2つ合わせたら500ベクレルではないですか?
500ベクレルと報道すべきだと思いませんか?

これは野菜と乳製品においても同じで、放射性物質ごとに別の基準値が設けられています。
私達がマスコミに聞かされているのは、ヨウ素131に限った話だけでした。
検査される放射性物質は「ヨウ素131」「セシウム134」「セシウム137」の3つだけです。
それ以外の検査はしません(従来の検査項目を除く)。

人間が崇拝している科学というのは意外に原始的で、
コップ一杯の水にどのような化学物質が含まれているか、全てを調べることはできないそうです。
水道水の成分分析とは、「目的の物質が入っているか?」という狙い撃ちの検査しかできないのです。
これでは成分分析とは言えませんね。成分は分からないままです。

私達がいつも聞くニュースは、よく「(ヨウ素131が)見つかった」という言い方をしますが、
見つかったのではなく、「こういうものがあるんじゃないかと疑って探したら、やっぱりあった」
と表現するのが本当は正しいのです。

今回の事故関連で言えば、ヨウ素131、セシウム134、セシウム137を調べるだけで、
それ以外に何が入っているかは分かりません。

そこで私は疑問を感じるのです。
よく科学者は見える物しか扱わず、見えない要素は切り捨ててしまいます。
でも物事には、そんなに単純に切り捨てられない誤差があります。

例えば、一箇月の給料が厚生年金・社会保険を引かれて手取り15万円としましょう。
水道代が5000円、電気代が10000円、ネットが5000円、携帯が5000円、
ガス代が8000円、各種保険が10000円、しめて43000円だ。
残りの10万7000円が食費とガソリン代と小遣いになる。
形だけ考えると確かにそうなる筈でした。

ところが、ちょっと駐車場に入った時に高い駐車料金を請求されたり、
ATMで引き出していたら手数料がかさんだり、
車の修理や消耗品の交換があったり、宅急便で何か送らなければならない用事ができたり、
必ずしも計算した通りには行かず、毎月あっぷあっぷするのが現実です。

科学者の計算とは上記の計算のようなもので、
私達が実際に受け取る現実は月末のような現実です。

人はとかく権威や肩書きに弱いのですが、私は権威や肩書きというものを全く信じていません。
学者と言われる人も、核実験を含めた様々な実験を通じて、
あんなものが見つかった、こんなものが見つかった、それにはこんな性質があるようだ、
と言ってるだけのレベルで、自然界の全現象を知り尽くしているわけではないのです。
例えるなら、医者が自然界に存在する全ての病気を知り尽くしてないのと同様です。
それをさも科学万能を謳い、「全て」を知り尽くしているかの如く喋るから腹が立つのです。
そしてその一面的な知識で、無学な人間の主張を完全否定して笑います。
権威を持った人物の言うことは、第三者にとって真実に聞こえる不思議な力があります。
でもその知識の大元を辿って行くと、意外と原始的な方法に依っていたりします。
それに、科学ほど他人の知恵の借り物で成り立っている世界はありません。
知識のほとんどは過去の誰かの実験であり、新たな功績は自分の教え子の発見でしかないのです。
データと向き合ってる放射能の専門家に、畑を耕してる人と同等の知識はありません。
人間には一面の知識は持てますが、全体の真実など分からないのです。
無学な人間の方が慎重です。名前を付けただけで分かったふりはしません。
名称の使い方より、現実的な結果の方を心配します。
想定外の可能性に、耳を塞いだりしません。
そもそも科学の歴史とは、既成の概念を塗り替える発見の歴史だった筈でしょう。
知ってる知識だけを並べ、想定外の可能性に耳を塞ぐ科学者は、単なるシステムの寄生虫に過ぎません。

「放射線は遠くまで飛ばない。だから放射性物質の塵だけ遮断すれば大丈夫だ」と学者は言います。
いくら外気を遮断しても、車で移動すれば、
普通にフロントガラスから放射線が突き抜けて来ることには触れません。
完全に遮断できるのは、地下の核シェルターのような場所ぐらいなものです。

「全国に飛散する放射性物質の塵は、地表に溜まるだけで地下まで影響しない」と学者はテレビで言い、
権威に盲従する人は、それを盾に不安がる人を馬鹿にします。
しかし、雨水に沁み込んで地下水に混ざり、それがどこまで広がり、
飲み水を初めとして今後どのような影響を与えるか、本当は誰にも分からないのです。

ヨウ素131、セシウム134、セシウム137を測定し、
それがどう飛ぶか、どう水や土に混じるか、どう蓄積するかを計算しても、
現実というのは数字で出るような単純なものではありません。
高濃度の放射性物質を海に流してしまいましたが、その結果は蓋を開けてみなければ分からないのです。

それらを踏まえた上で、3月31日のニュース記事の抜粋を紹介します。


2地点で放射性物質急増 福島・飯舘村など

 IAEA=国際原子力機関は、福島第一原子力発電所から北西におよそ40キロ離れた福島県飯舘村で、土壌の表面から、IAEAの避難基準の2倍に当たる放射性物質が検出されていたことが30日分かった。
 IAEAによると、今月18~26日に同原発から25~58キロ圏で土壌のヨウ素131とセシウム137の量を調べた。その結果、飯舘村は土壌1平方メートル当たり約200万ベクレルだった。
 IAEAはウィーンでの記者会見で、同原発から20キロ以内を避難指示圏に設定している日本政府に対し、状況を「注意深く」評価するよう勧告したことも明らかにした。日本に対し事実上、地元住民への避難指示圏の見直しを促したものとみられる。
 飯舘村は、避難指示圏の外側に設けられた屋内退避指示圏(福島第1原発から20~30キロ)のさらに外側にある。福島第1原発から遠く離れた場所で放射線レベルが突出していることについて、日本の文部科学省は「地形や風向きの影響と考えられる」としていた。
 IAEAのこうした見解は、福島第1原発からどこまでの範囲の住民に避難指示を出すべきかを巡り、新たな議論を呼びそうだ。


SPEEDIというシステムがありながら、今頃になって情報を出すのは、日本の隠蔽体質の表れだと思います。
外国から調査に来られると、さすがに国内の情報操作も難しくなって行くでしょう。
このニュースは、その動きの典型だと思います。

海外は、危機管理への対応がまるで違います。
日本だったら、一部に高い濃度が発見されても、
低い数値の場所を必死に探し、平均化してごまかしてしまうでしょう。

日本製品の輸入を規制するニュースもありますが、海外の日本に対する認識は、
「こんなに危機意識のない馬鹿な国民では、とても日本の製品など買えたものではない」と思われています。
国やマスコミに洗脳されるのもいいですが、そんな国民性ではいよいよ産業面での信用も失うのですよ。


福島第1原発、過去最高の濃度

 経済産業省原子力安全・保安院は31日、東京電力福島第1原子力発電所の排水口付近で30日に採取した海水から、過去最高の濃度の放射性ヨウ素が検出されたと発表した。国が定めた濃度限度の4385倍。


ひどくなる一方ですが、また潮流で拡散するから問題ないと言うのでしょうか?
言い訳は国内に通用しても、国外には通用しません。

これ以外にも、汚染された溜まり水は、汲み上げた後どこに捨てるつもりでしょうね?

作業する人も大変ですが、東京電力は現場の作業員に「地震で壊れた」と称して
線量計を持たせずに作業させていたそうです。
あまりにひどい話です。
高濃度の放射線量を作業員に覚らせまいとする意図があったのではないか、
と考えるのは穿った見方でしょうか?
事が深刻になっていよいよ会長が出て来ましたが、相変わらずやることが一々悪どいです。
こんな人に汚染された水の処理を任せて大丈夫でしょうか?

そもそも、今回の福島原発の損害賠償を負うべきなのは、想定基準を作った関係者にあると思います。
世の中にこれほど迷惑を掛けた張本人は、今以って隠れたままで見えません。

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