「いっしょに考えましょう ケアされるということ」と、いうタイトルで、
特別養護老人ホーム平田豊生苑の施設長 児玉克己氏の講演でした。
お話を聞くにつれて、自分が描いていた特養のイメージがくつがえされ、本当にこんなホームがあるの・・・という気持ちになりました。
このホームでは入居者のことを「住人さん」(じゅうにんさん)と呼ぶのだそうです。
そして、入り口の施錠は夜間のみ、徘徊する住人がいるのにです。それは住人さんを拘束しない考えからなのです。
拘束しないのですから、住人さんは行きたいところへ行きます。警察のお世話になって探すことも度々とか・・・
鍵をかけるのは、徘徊する人の安全を考えてのことでしょうが、お世話するスタッフもその方が楽だからですね。
住人さんの意志に沿った介護をめざしている施設では、人件費が大きな割合を占めていると思われます。
平田豊生苑では入居者2.2人に対しスタッフが1人だとか、
この数字が他と比べて多いのか少ないのかわかりませんが・・・
この特養には、入り口に鍵をかけない だけではなく、他とは違う点がいくつかあります。
それは同性介助です。女性のお世話は女性が、男性には男性が・・・というやり方で、いっしょにお風呂に入ったりもするそうです。
さらに、車椅子の人もおられる中、旅行にもでかけます。国内だけではなく、住人さんの希望する所へグループに分けて旅行したのだそうです。
その旅行のためにパスポートを取る時の話をユーモアたっぷりに聞かせていただきました。
年を重ねても希望は、自宅に最期までおりたいと誰もが考えますが、先に何が起きるかは予測できないことです。
こんな特養なら、自分が体の自由が利かなくなった時に入りたい・・・と思ってしまいました。
今では特異に感じられる特養でも将来、それが当たり前になるかもしれません。そうなってほしいものです。
ネットで調べて、また吃驚! 入居希望の待機者が220人とか・・・でも、しばらく目がはなせない特別養護老人ホームです。
平田豊生苑のことをもっとお知りになりたい方は → http://www.minnanokaigo.com/facility_info/?id=HA23010