久々に「鹿踊りのはじまり」をやります。今回は読みながら弾く予定です。これまでは暗記してやっていたのですが、最近は「読みながら」の形を採用しています。覚えなくていいから楽そうに思えますが、どこを読んでいるのか、場所を見失うことが頻繁にあり、危険です。「読む」という形の方が朗読に合ったスタイルのように思えてきて切り替えたわけですが、楽譜を見て弾くときと同じように目を外すと見失うことが起こります。中途半端に覚えているときには特に危険です。ただ、練習しているうちには自然に覚えてしまうのでそこがムズカシイところです。
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◆伊勢市クラシックギターを楽しむ会
第74回例会「ギターと語りて…」
4月22日(日)14:00~15:30
伊勢市福祉健康センター1F日常生活訓練室
演奏;広垣 進、遊去(賛助出演)
予定演目;「鹿踊りのはじまり」
(原作/宮沢賢治 作曲・朗読・ギター演奏/遊去)
「ロッシーニアーナ第1番」(ジュリアーニ)
「リュート組曲第3番よりガボット」(バッハ)
「花」「荒城の月」(滝廉太郎)…etc.
一般参加費800円(前売、予約700円)
※会員は無料! … 受付、会場設営等お願いします …
*一部を「いせ市民活動センター災害復興支援プロジェクト」に寄託
主催;伊勢市クラシックギターを楽しむ会
http://blog.goo.ne.jp/ise-guitar
【問】広垣 進 090-5618-4463 sh72j@yahoo.co.jp
*『鹿踊りのはじまり』は、宮沢賢治の童話。1924年(大正13年)に出
版された、賢治の最初の童話集『注文の多い料理店』に収録された作
品のひとつです。
……(冒頭部分)……
「西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、夕日は赤くななめに苔の
野原に注ぎ、すすきはみんな白い火のようにゆれてひかりました。」
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★ギター朗読コンサート「鹿踊りのはじまり」について
私がこの作品に出会ったのは二十歳くらいのときでした。そのとき読んでいた文庫本の中の一篇だったわけですが、特にこの話が気になったのを覚えています。何か因縁のようなものを感じたのかもしれません。それが今回のような形になるとは夢にも思いませんでしたが、「勘」というのは怖いものだなと思います。
この作品に取り組んだのは20年くらい前のことでした。一通りの音を書き上げるまでに5年かかりました。それから弾けるようになるまでに4年かかりました。10年ほど前、「ギター朗読コンサート」なるものを始めるに当たって最初に取り上げたのがこの作品でした。他の作品では、音楽は基本的に好きな作曲家の書いたものを使い、埋め合わせの部分を自分で書いています。しかし、この作品だけは音楽はすべて自分で書きたいという思いが強くありました。他の目的で作られたものを流用するのではなく、この作品にはオリジナルがふさわしいと思ったからでした。見直すたびに変更を繰り返している始末ですが、その度に音が少なくなっていくようです。余分な音をカットした分だけ質が上がったのではないかと思います。
「鹿踊のはじまり」注釈
◇ 聞き慣れない言葉使いが出てきます。特に音として聞いた場合にわかりにくいと思われる箇所をいくつか拾ってみました。
【カテ】→「糧(かて)」→食糧
【ハンノキ】→カバノキ科、日本各地の林野に生え、また田畑のそばなどに植えられる落葉高木。幹がまっすぐに空へ向かって伸びる姿は印象的。
【ケデヤベカ】→「呉(ケ)でやべか。」→くれてやろうか。
【キテケ】→「来て喰(ケ)。」→来て食べろ。
【ウメバチソウ】→ユキノシタ科、ウメバチソウ属の多年草で、丘陵や高山帯の日あたりのいい湿地に生える。
【ミデコベガ】→「見で来べが。」→見て来ようか。
【ミデベ】→「見でべ。」→見ていよう。
【クチハッパ】→「口発破」→食べ物にダイナマイトを仕掛けて狐などを取る方法。
【ナジョダタ】→どうだった。どんなだった。
【イギツデルガ】→「息、吐(ツ)でるが。」
【ゴマザイ】→「ががいも」の数多い別名の一つ。各地の日当たりのいい野原に生えるつる草。全体にやわらかい毛が生え、種子には絹糸状の毛があり、この毛は古くは綿の代用にされた。
【ウナ】→「汝(うな)」→おまえ。
【ウタウダウハンテ】→歌うたうから。
【スッコンスッコ】→「ごくりごくり」 呑みこむときの擬声。ここでは唾を呑みこむ感じ。
【ハングハグ】→パクパク、もぐもぐと食べる擬声。
【ハノモゴサ】→「葉の向(も)ごさ」→葉の向こう側。
【ソッコリト】→こっそりと。
【エドシオエドシ】→「愛(え)どしおえどし。」→かわいらしい、かわいらしい。
【ミオ】→「水脈(みお)」→「静かな湖の水脈のように…」
『となりにいからだ ふんながす』→「隣に 体 ふん流す」
「栃の実のくらい」→直径2cmくらいの大きさ…ということは一円玉くらい。
☆「鹿踊のはじまり」は、賢治さんの唯一の生前刊行童話集である「注文の多い料理店」の
中に収められた一篇です。(1924(大正13)年12月1日)
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◆伊勢市クラシックギターを楽しむ会
第74回例会「ギターと語りて…」
4月22日(日)14:00~15:30
伊勢市福祉健康センター1F日常生活訓練室
演奏;広垣 進、遊去(賛助出演)
予定演目;「鹿踊りのはじまり」
(原作/宮沢賢治 作曲・朗読・ギター演奏/遊去)
「ロッシーニアーナ第1番」(ジュリアーニ)
「リュート組曲第3番よりガボット」(バッハ)
「花」「荒城の月」(滝廉太郎)…etc.
一般参加費800円(前売、予約700円)
※会員は無料! … 受付、会場設営等お願いします …
*一部を「いせ市民活動センター災害復興支援プロジェクト」に寄託
主催;伊勢市クラシックギターを楽しむ会
http://blog.goo.ne.jp/ise-guitar
【問】広垣 進 090-5618-4463 sh72j@yahoo.co.jp
*『鹿踊りのはじまり』は、宮沢賢治の童話。1924年(大正13年)に出
版された、賢治の最初の童話集『注文の多い料理店』に収録された作
品のひとつです。
……(冒頭部分)……
「西のぎらぎらのちぢれた雲のあいだから、夕日は赤くななめに苔の
野原に注ぎ、すすきはみんな白い火のようにゆれてひかりました。」
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★ギター朗読コンサート「鹿踊りのはじまり」について
私がこの作品に出会ったのは二十歳くらいのときでした。そのとき読んでいた文庫本の中の一篇だったわけですが、特にこの話が気になったのを覚えています。何か因縁のようなものを感じたのかもしれません。それが今回のような形になるとは夢にも思いませんでしたが、「勘」というのは怖いものだなと思います。
この作品に取り組んだのは20年くらい前のことでした。一通りの音を書き上げるまでに5年かかりました。それから弾けるようになるまでに4年かかりました。10年ほど前、「ギター朗読コンサート」なるものを始めるに当たって最初に取り上げたのがこの作品でした。他の作品では、音楽は基本的に好きな作曲家の書いたものを使い、埋め合わせの部分を自分で書いています。しかし、この作品だけは音楽はすべて自分で書きたいという思いが強くありました。他の目的で作られたものを流用するのではなく、この作品にはオリジナルがふさわしいと思ったからでした。見直すたびに変更を繰り返している始末ですが、その度に音が少なくなっていくようです。余分な音をカットした分だけ質が上がったのではないかと思います。
「鹿踊のはじまり」注釈
◇ 聞き慣れない言葉使いが出てきます。特に音として聞いた場合にわかりにくいと思われる箇所をいくつか拾ってみました。
【カテ】→「糧(かて)」→食糧
【ハンノキ】→カバノキ科、日本各地の林野に生え、また田畑のそばなどに植えられる落葉高木。幹がまっすぐに空へ向かって伸びる姿は印象的。
【ケデヤベカ】→「呉(ケ)でやべか。」→くれてやろうか。
【キテケ】→「来て喰(ケ)。」→来て食べろ。
【ウメバチソウ】→ユキノシタ科、ウメバチソウ属の多年草で、丘陵や高山帯の日あたりのいい湿地に生える。
【ミデコベガ】→「見で来べが。」→見て来ようか。
【ミデベ】→「見でべ。」→見ていよう。
【クチハッパ】→「口発破」→食べ物にダイナマイトを仕掛けて狐などを取る方法。
【ナジョダタ】→どうだった。どんなだった。
【イギツデルガ】→「息、吐(ツ)でるが。」
【ゴマザイ】→「ががいも」の数多い別名の一つ。各地の日当たりのいい野原に生えるつる草。全体にやわらかい毛が生え、種子には絹糸状の毛があり、この毛は古くは綿の代用にされた。
【ウナ】→「汝(うな)」→おまえ。
【ウタウダウハンテ】→歌うたうから。
【スッコンスッコ】→「ごくりごくり」 呑みこむときの擬声。ここでは唾を呑みこむ感じ。
【ハングハグ】→パクパク、もぐもぐと食べる擬声。
【ハノモゴサ】→「葉の向(も)ごさ」→葉の向こう側。
【ソッコリト】→こっそりと。
【エドシオエドシ】→「愛(え)どしおえどし。」→かわいらしい、かわいらしい。
【ミオ】→「水脈(みお)」→「静かな湖の水脈のように…」
『となりにいからだ ふんながす』→「隣に 体 ふん流す」
「栃の実のくらい」→直径2cmくらいの大きさ…ということは一円玉くらい。
☆「鹿踊のはじまり」は、賢治さんの唯一の生前刊行童話集である「注文の多い料理店」の
中に収められた一篇です。(1924(大正13)年12月1日)