5/14(土) 晴れ。ツレアイと娘と3人で安曇野と諏訪に出掛けました。1泊2日。今日は昭和63年に新線開通で役目を終えた旧国鉄篠ノ井線の廃線跡を明科駅から歩きます。
大宮から新幹線で長野駅。乗り換えて篠ノ井線で明科駅へ。ハイキングして上諏訪駅に、そうしてスーパーあずさで八王子。むさしの号で大宮に戻るマニアックな一周ルートです。
長野駅では軽井沢に向かう「しなの鉄道」とあたし達が乗る「篠ノ井線」が並んでいました。松本、茅野、甲府まで続く路線です。
川中島の先から山ひだを登って標高551mの姨捨(おばすて)駅を通ります。右手の上に駅が見えて、あららと思ったらスイッチバックします。鉄っちゃん(鉄道ファン)のメッカのひとつの駅です。ホームから見下ろす盆地はその昔12年に渡って5たび繰り返された甲越川中島古戦場跡であり、日本三大名月と数えられるお月見ポイントでもあります。
列車はそこからさらに進んで、5分間くらいの長い長いトンネルを抜けてようやく明科(あかしな)駅に到着です。
歩くのは乗ってきた篠ノ井線の廃止路線跡です。目の前にのぞむ美しい北アルプスの山なみに息をのみます。
田んぼに水を引いて、田植えが始まっていました。
最初の国鉄篠ノ井線は明治35年に開通しました。地すべりの多い地域です。沿線沿いにけやきや桜を植えて、井戸も掘って鉄路を守りました。昭和63年に新しい鉄路ができて、86年の役目を終えました。そんな廃線跡を歩きます。
潮神明宮の横から道は始まります。送電線の柱が道の両脇に立っています。
ヒョウモンチョウがいました。道の脇にたくさんある黄色の花はクサノオウです。ヤマブキはみな一重でした。ウラシマソウは初めて見ました。
三五山(さごやま)トンネルを過ぎて進みます。
スミレに虫が、ふりかえると北アルプスの常念岳が見えます。
さらに行くとケヤキの森、そしてヤエザクラの並木でした。ウコンザクラもたくさんあって、感動です。花のおくにクモも蜜を探しに来ています。
漆久保(うるしくぼ)トンネルまで来てUターンです。トンネルの上には覚明像と善覚像がありました。
トンネルのレンガは明科駅近くの土で造られたと聞きました。積み重ねたレンガのひとつひとつに想いをはせてみます。
この場所の下を川が流れています。川のトンネルもレンガ造りでした。
あとはもう来た道を引き返すだけです。ここを列車が走っていたと、想像力をはたらかせて、、。
ところで、ヤギさんが草を食んでいました。娘の靴はど派手でしたが「山ガール」とか年配のハイカーにいじられてまんざらでもなかったようです。
このハイキングはこれでおしまい。今日の宿は上諏訪です。諏訪湖の目の前。チェクインしてすぐ散歩に出ます。
風が強い。マガモが岸に寄せられて日向を歩きます。カルガモは7羽の子供をカラスの襲撃から守るために波のなかを浮いています。いちばん小さい仔はまだ黄色くて、からすの口に入りそうなんです。お母さんがんばれと波に漂うカモにエールを贈ります。
ところで諏訪湖に立つ像はもっと?切実な恋の想いです。上杉謙信の娘、八重垣姫が結ばれる相手の武田勝頼の危機を知って追いかけます。「本朝二十四孝;狐火の段」は一度は観て下さい。人形浄瑠璃で30分です。すさまじい女の愛と執念が描かれています。そう、八重垣姫は諏訪明神の兜を持ち出します。像の右手に掲げられているのは兜です。そのうえに狐火が燃えます。辺りに狐火がぽんぽんと見えます。陸路では追いつかない勝頼を追って、八重垣姫は狐憑きとなって凍る諏訪湖を渡るのです。
あたしは狐憑きとなってツレアイを追うでしょうか。
宿の夕食は良かったです。おそるおそる食べた蜂の仔の甘露煮はおそれていたほどウジムシっぽくなっかった。馬刺しはやわらかで味が口の中でひろがった。鯉の旨煮も絶品でした。それでも馬のすき焼きが、やっぱり最高だった。
岩魚の骨酒だけで十分なのに、ツレアイは10種呑み比べ飲み放題コースまで選んでしまいました。純米種なのにあーだ、こーだとか娘に味を教えながら、しかしご飯おかわり完食は立派です。