作詞家の阿久悠さんがお亡くなりになりました。歌好きの私は、若い頃から歌謡番組で「作詞 阿久悠・・・」を、スゴイ歌詞を書く方だとずっと思ってテレビを見てきました。そして、数年前、「愛すべき名歌たち」(岩波新書)を出版されたとき、飛びつくように読んだものでした。人間の心の奥のひだにある悲哀と吐息を深く見つめ、人は逆にそこから強いエネルギーを得て生きていくのだというような文脈に共感しました。
今晩、また読み返しています。ぐいぐいと、言葉がしみ込んできます。
この本の最後に出てくる阿久悠さんの歌詞は森田公一さんが作曲し、今は亡き河島英五さんが歌った「時代おくれ」です。あのバブルの時に、「足許(あしもと)を見ることを言いたかった・・・」と述懐しています。本の最後に持ってきたのは偶然かも知れませんが、ここに彼の時代観と詩精神があるように思います。
・・・・・・・・・・・一日二杯の酒を飲み
さかなは特にこだわらず
マイクが来たなら微笑んで
十八番(おはこ)を一つ歌うだけ
・・・・・・・・・ 目立たぬように
はしゃがぬように
似合わぬことは無理をせず
人の心をみつめつづける ・・・・・・・
(合掌)
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たれぱんだ
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