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題詠短歌2010のまとめ  

2011-01-22 22:28:46 | 短歌・小説


071:「褪」 冬ざれた 陽だまりの中 空蝉の 如く花立つ 褪せた紫陽花

072:「コップ」 湯上りの コップの水の ひとくち分 脇役サボテン あげて乾杯

073:「弁」 きのこ狩り 籠いっぱいの 馳走より 君と二人の 弁当は楽し

074:「あとがき」 あとがきは 十六夜の月 見届けて 首をよじれば 本題の君

075:「微」 久方の 連弾の椅子 君と僕 譜台に映る 微笑重ね

076:「スーパー」 激震の 地下トロッコで ニュートリノ スーパーカミオカンデの旅路
 
077:「対」 初対面 たまにはそんな 振りをして 軽く誘って みてもいいかな

078:「指紋」 凍てついた 薔薇の花びら 溶けぬまま 指紋模様の 冬のアリバイ

079:「第」 何気なく 入った店の ピアノ曲 ラフマニロフの 第二番だった

080:「夜」 当直は 君の寝息が 恋しくて デスクをピアノ 見立て弾く夜






題詠短歌2010のまとめ

2011-01-22 21:46:28 | 短歌・小説
 

061:「奴」 秋雨の 夕暮れの街 滲む灯に 嫌な奴等も 溶かせて流し

062:「ネクタイ」 溢れ出す 君の知らない ネクタイの 処遇に少し 胸が毬付く

063:「仏」 森の奥 仏法僧の 声辿り 青い小鳩と 迷子の愉しみ

064:「ふたご」 前世では ふたごだったと ふと思う 企んだ事 全てバレてる

065:「骨」 美しい 君の鎖骨の 窪みには Wine垂らして 舐めると予告

066:「雛」 Reportの 手を止め不意に 額つけ 間近に迫る 女雛の瞳

067:「匿名」 携帯の 匿名1と 匿名2 その位置付けの 根底はa-ha

068:「怒」 頑なな 両手を払い 現れた 怒りの消えた いつもの笑顔

069:「島」 意図された 島に墜ちても キャスティング LOSTの様に ジャックやるのか

070:「白衣」 白衣には それなり重い 責務あり 着流し歩く 彼を蹴飛ばす