せいぜい一部の芸術家が気まぐれなフィーチャー(特色付け)に用いるくらいで、真剣な信仰心を描ける作家というのはもう日本には居ないような気すらします。
もちろん宗教家は信仰心を説いており、わたしの読んだ中では藤井日達(日本山妙法寺)の「天鼓」が一番ディーセント(本物)でした。
他は創価学会、エホバの証人、真如苑、統一教会などにそれぞれ1年ずつ在籍しましたが、真の信仰心は感じられませんでした。
わたしが「真実」と感じるのは前回フィーチャーした「Only love is real」の基準からで、つまり「愛だけが真実」というコトです。
わたしは「愛」は神だけに属するモノではなく創造物全てに宿っていると考え、「神を超えた」と宣言する独裁者ですらも、平等に与えられていると考えます。
これが仏教の「大平等観」で、それを描くのがわたしの作家としての目標になっています。
そのために曾て「Shu-Shanの物語」では、史上最悪の独裁者とされる毛沢東(マオ-ヅェドン)を「昇天」させ、今回「Sunの物語」でも同じ様に49日間のバルドゥ(涅槃)を経て銀河鉄道を地球から翔び立たせる予定です。
これは世界的にポピュリズムの波に乗りつつある「転生信仰」を描くためで、わたしの「女神転生物語」も今作で4作目になります。
女性主人公のトゥルク(転生活仏)は近未来の物語ではサンと名付ける予定で、今は前のトゥルクである秀祥のバルドゥ(転生の試練)を描いている途中です。
今回はまた物語の前置きで「遠回り」しますと、今朝「BSドキュメンタリー」で再放送されていた「トルコ大統領選、あぶり出された少数派の声」が印象的だったのでそれを語らせて貰います。
このドキュメンタリーではトルコでの「イスラム保守派 vs 自由主義派」の対決を追っており、それは52対48でイスラム保守派の勝利に終わりました。
イスラム教が未だにポピュリズムを発揮できる理由は、共産主義的な「平等社会の理想」にありますが、それは少数派を弾圧するファシズム(全体主義)をも意味するとNHKは伝えようとしていました。
このNHKの編集方針は明らかにロシアのウクライナ侵攻を受けてのモノで、トルコが果たしてロシアに付くのかどうかを問う、とても重要な選挙でした。
そこでは弾圧されるクルド人や性的マイノリティーも登場し、彼等の言葉は多数派のイスラム教徒よりも真剣味を帯びていて、ここまで白熱した選挙は中東では初でした(決戦投票までもつれ込んだ)。
そこでは敗れたとは言え自由主義派が48%を占めたコトで、トルコは健全な民主社会に近付いていると世界に示されました。
これとは対照的に、プーチンの支持率が8割を超えるロシアや、そんなコントロールされた選挙などやる意味すらないとする中国や北朝鮮に、健全な民主社会が芽生える兆しは観られません。
次回はこうした歪んだポピュリズム政治について語ろうと思い、明日「BSドキュメンタリー」でそれについて放送するので、また引き合いに出す予定です。