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文学教師の苦悩

 中国では近年「毛沢東思想」が復活して来ており、その思想に対して反論を唱えると「思想に問題がある」と断罪される、「文化大革命」の頃の様な空気が漂い初めています。

 文化大革命の頃バイブルとされた「毛沢東語録」は、その悲惨な革命が反省された「改革開放時代」には「毒草」として排斥されましたが、習近平はこれを賞賛してたびたび演説に引用しており、その「永久革命論」を実践しそうな勢いすら見せています。

 永久革命論というのは、「世界に階級というモノが無くなるまで階級闘争は終わらない」とする理論で、現実にこの永久革命を実践した文化大革命では、一億人の人民が迫害されて二千万人が命を落としたとされます。

 毛沢東は共産圏の首脳会議で「核戦争を望んでいる」と発言したコトもあり、「中国は、世界革命のために3億人を犠牲にする用意がある。貧困は良いものだ。貧しいと革命を起こすからだ。核戦争は、たかが死人の山ができるだけだ。人類の1/3はいなくて良い。半数が死ねば、全世界が共産主義になる。核戦争でモスクワが消滅したら、北京が世界の首都になるだろう。」などと発言しており、これは「思想に問題がある」と言うよりも「狂っている」と言った方が正しいでしょう。

 中国の文学はこうした「狂った思想」に支配されており、それに反対する文学作品を発表するには亡命するしか手はありません。 こうした亡命作家は世界的に高く評価されており、ユン‐チアン、高行健、余華などの本は香港でまだ買えます。 こうした世界的ベストセラーの本を発禁にするのは、中国共産党といえども容易いコトではないのでしょう。

 香港と中国本土の間は、中国人ならばフリーパスに近く行き来できるので、こうした「禁書」は中国の学生たちの間で回し読みされています。 なので多くの学生たちは本当に思想に問題があるのは「三毛党」であると考え、その考えを文学教師にぶつけたりします。

 文学教師はしばしば海外の大学へ学会交流に行くので、当然そうした「禁書」は読んでおり、果たして自分は学生たちの側に立つべきか、それとも教師の地位を保つタメに沈黙すべきかで苦悩します。 次回、そうした文学教師に名前を付けて物語として描こうと思います。

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